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「カスタマージャーニーを機能させる3つのポイント」効果的なマーケティングシナリオに落とし込むために

これまでにペルソナやMA導入における「あるある」をご紹介してきました。

ペルソナ「あるある」にハマらないための3つのポイント
MA導入前に知りたかった!多くの企業がハマるMA導入「あるある」

今日は、カスタマージャーニーが機能せず起こりがちな「あるある」の対応策、効果的なマーケティングシナリオに落とし込むための秘訣をお伝えしたいと思います。

目次

はじめにツール導入後の「あるある」

MAなどのツールを導入したり、コンテンツマーケティングに取り組まれたりする場合は、ペルソナを考え→ユーザージャーニーを考え→そのペルソナやジャーニーに沿ってシナリオを検討し実施に落とし込んでいく流れを取ることが一般的ではないでしょうか。Googleで検索をしてもおおよそそのようなことが書かれていることが多いと思われます。

導入コンサル付きのMAパッケージを契約した場合ですと、最初にペルソナの設計やカスタマージャーニーの設計をおこない、その後で初期シナリオ(だいたい資料請求などのサンキューシナリオ、もしくは予約のリマインドシナリオだったりすることが多いですが)の設計とツールの設定をおこなう流れになります。延長されるケースもありますが、初期シナリオが完成したくらいのタイミングで、導入コンサルの方がプロジェクトから抜け、クライアント様がツールを使って運用していくことになるわけです。

つまり、初期シナリオでは設計したペルソナやカスタマージャーニーはあまり使わないことが多いと言えます。PDCAサイクルを回すタイミングや、カスタマージャーニーに基づいたシナリオを考える段階になって、ようやく「あれ?作ったペルソナやジャーニーをどのようにシナリオに落とし込めば良いんだ?」と気づくことも多いのではないでしょうか。

今日はそんなカスタマージャーニーからシナリオを考える際に大切な視点を3つほどご紹介したいと思います。「さてMAを導入したは良いけどこの後どうすれば良いのかしら」と感じている担当者の方に伝わると良いのですが。

0)カスタマージャーニーの横軸には何を置いているか。

お手元に作成したカスタマージャーニーがあればちょっと目を向けてみてください。カスタマージャーニーの横軸(ステージ)にはどのような項目が設定されているでしょうか?

Googleで検索すると、『横軸には「認知」「興味・関心」「比較検討」「購入」のようなステージ区分を置きます』と説明されているページがいくつも見つかります。決して間違ってはいませんが、横軸に置くステージは、自社の販売形態(モノやサービスの売り方、販路など)にあわせて項目を見直したほうが良いでしょう。
例えば、マス広告で認知を獲得しスーパーなどで販売される消費財メーカーさんなどの場合では、「認知」「興味・関心」「比較検討」「購入」のような言葉でも構いません。一方、主たる販売経路にWEBや店舗を利用したりECで販売をされたりしているクライアントさんの場合、横軸の設定は「認知」「興味・関心」「比較検討」「購入」のような抽象的なくくりとはせずに、「資料請求」「来場/来店予約」「1回目の商談」「初回購入」といった具体的なくくりとしたほうがシナリオに活かしやすくなると思われます。

また、「認知」を例にとりますが、ユーザーが何をもって「認知」したとするかの定義がないままにしてしまうと、企画上ブレが生じてしまうため、このあたりもしっかりと定義したいところです。

1)その施策はジャーニーを進めることができるか。

確認が取れたら続いてシナリオ企画に入ります。カスタマージャーニーで描かれた横軸は左から右に向かってユーザーが顧客になる流れをとります。これはモノを扱う企業でもサービスを扱う企業でも同じです。商談や検討段階で行きつ戻りつする場合もありますが、基本的には左から右への一方通行となります。

すなわち、ステージを1つ右に移すことで、ユーザーはより購入に近づくということになるわけです。この【ステージを右にスライドさせることができるか】という視点がMAなどのシナリオでは非常に大切になるわけです。

具体的な例でお話ししましょう。
不動産や自動車、金融商品などの高関与度商品の場合、広告閲覧、WEB閲覧、WEBでの資料請求、来場/来店して商談開始、商談が進むという行動をユーザーは取るのが一般的です。カスタマージャーニーの横軸が「認知」「興味・関心」「比較検討」「購入」となっている場合は、上記のようなユーザーの行動ベースの表現とすることをオススメします。

というのも、MAなどのツールでは、どうしてもユーザーの行動を起点とした方が施策に落とし込みやすいという特長があります。ツールでは、「WEBサイト上で○×のアクションを取った人に対してシナリオを発動する」といったような設定をする必要があるためです。測定することが難しいユーザーの態度や気持ちの部分を入れてしまうと、アンケートで聞くなどしない限り、MAの施策に展開しにくくなってしまうからです。

次に、シナリオに大事なことですが、シナリオのゴールはできるだけシンプルに考えます。例えば、「資料請求をしてくださった方を来場/来店へ導く」というように、シンプルなシナリオにした方が実際にPDCAを回していく際や、シナリオを追加する際にどこがダメだったかどこが良かったのかが明確になりやすいです。

とは言え、実際のお客様の声を無視する必要はありません。例えば資料請求のシナリオを考えるのであれば、資料請求者のペルソナが活きてくるかと思います。どういったメッセージの伝え方をすれば伝わるのかといった点ではペルソナから表現方法を考えることができますし、よりそのペルソナが具体的であれば来場に導けるかを考える際のヒントを導いてくれます。

2)そのジャーニーは企業にとって中心のジャーニーか。

1)でシナリオを考える訳ですが、ここで1つ注意が必要です。当然リアルの現場では、資料請求せずに来場/来店されるケースや、資料請求も来場/来店もせずにメールや電話で商談が進むケースもあると思います。色々なパターンがあることでしょう。ですが、ここで大事なことは「その企業にとってのメインストリームは何か」ということになります。

メインストリームが「資料請求→来場」という流れなのであれば、シナリオも当然そこにフォーカスをあてて考え始めることが望ましいわけです。実際の現場では色々なパターンがあると思いますが、メインストリームから考えることで、時間や費用の削減にも繋がるわけです。

3)NOを表明した方、YES/NOの反応を示さなかった方への救済シナリオはあるか。

意外と検討から漏れてしまっているのが3点目です。
おおよそ世の中のカスタマージャーニーは、YESを繰り返して顧客になる流れで構成されていることが多いかと思います。マス広告やネット広告で「認知」して、自社サイト含むWEBサイトで「検討」し、「来場なり来店」して「商談」に進み、最終的に「購入ないし契約」すると。YESの繰り返しでゴールに繋がるように書かれているわけです。

ですが、日々インターネット上でマーケティング施策を実施されている方はお気づきかと思いますが、最も大多数の反応は「無反応」です。「YES」でも「NO」でもなく「無反応」なわけです。

資料請求を受けて資料をお届けした。その後連絡をしているがなしのつぶて。メールも開封さえされていない。こんなケースはざらにあります。

B2Bであれば、セミナーに参加した。商談に進めようと連絡をしたけど電話に出てくれない。といったケースもあるでしょう。

何かしらの施策を行った結果、反応が「NO」だった方、「無反応」だった方をどのようにメインストリームに救済していくか。ここが通常のカスタマージャーニーではあまり描かれていることがありません。こうした一度ドロップしてしまった方を救済する流れをシナリオに組み込むことも忘れずに考えたいものです。

今日はシナリオ検討にまつわる視点を3+1ほどご紹介しました。
マーケティングを本業にしていないと、どこから考え始めれば良いのか分からず、とっつきにくいところもありますが、やり方を身に着けてしまえば意外と難しいことはないと思います。ぜひ挑戦してみてください。


執筆者:田代靖和
株式会社ジェネシスコミュニケーション
マーケティングコンサルタント


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ジェネシスのマーケティングプロフェッショナルが編集を担当。独自の視点で厳選した実践的ナレッジをお届けいたします。

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