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5分でわかる!いま必要とされているマーケティングとは?

先日、クライアント企業からの要望を受けて、プライベートセミナーを開催しました。

テーマは「マーケティングの基礎知識」。マーケティングの実務経験がない受講者に向け、マーケティングとは何か?という点から、マーケット分析はどのような手順・方法で行い、どのように戦略を策定していくかなどを紹介する2時間程度の講義をおこないました。

講義のはじめに、 ”マーケティングとは何か?” ”どこまでの範囲がマーケティングの領域となるのか?” について質問をしてみたところ、マーケティングを販売促進やプロモーションと捉えている人が多いということがわかりました。

皆さまはマーケティングをどのように定義していますでしょうか? まずはその点から触れていきたいと思います。

目次

マーケティングとは何か?

日本マーケティング協会の定義(1990年)によると、「マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である」とされています。難しい言い回しなので、この定義を読んで”なるほど!”と理解できる人は少ないかもしれません。また2024年には、「(マーケティングとは)顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。」と新しく定義しています。

アメリカのマーケティング協会の定義(2007年)を見てみましょう。それによると、マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスであると定義されています。

これら定義から挙げられるポイントは、マーケティングとは、

お客様への一方的な押し付けではないこと
お客様やお客様の欲求(潜在的・顕在的)を理解するプロセスが必要なこと
お客様が求めるものを創造・伝達(広報・刺激)・交換するなど総合的な活動であること

となります。

言い換えれば、お客様に商品・サービスを選んでもらうまでの過程全般の活動がマーケティングであり、前述の販売促進やプロモーションを含めてお客様の購買プロセス全体に関わる全ての活動がマーケティングの対象領域となります。

マーケティング対象領域と購買プロセス

マーケティングの重視点は「お客様」

マーケティングはその企業の商品やサービスをお客様に選んでもらい、販売する活動全般を指すことから、マーケティングは、「商品・サービスが売れる・選ばれる(お客様が買いたくなる)仕組みづくり」とも言うことができます。

商品やサービスを選んで買うのはお客様であることから、マーケティングの主眼は「お客様」に置かれています。マーケティングでは、対象となるお客様は“だれ”なのか、その顧客が”なぜ”買うのか・買わないのか、”どうすれば”その商品やサービスが競合よりも良い/欲しいと感じてもらい、購買行動を起こしてもらうことができるのか?を熟考し、作戦・計画を立てて、実践することになります。

この点では、”販売促進”とは本質的な志向は異なります。マーケティングの一環として位置づけられる“販売促進”ですが、「販売」という共通テーマを持ちながらも、主眼は「商品」に置かれ、顧客が求めているか否かは関係なく、“どの商品を”“いかに” 売り込むかが重視点となります。

マーケティング=販売促進ではない

マーケティングには「お客様理解」が大前提

「商品・サービスが売れる・選ばれる仕組みづくり」を行うには、商品・サービスを選ぶ・購入するお客様を理解することが大前提となります。顧客DBに基づく顧客構造分析や、購買データ・アクセスログなど自社に蓄積されているデータ分析、「3C分析」などのマーケット分析を通じて、お客様の課題やニーズを捕捉することが必要になります。もちろん、これらのデータはあくまでも“お客様行動の結果”がデータの中心であることから、「なぜ、そのような行動をとったのか?」「どうすれば、そのような行動を促進できるのか?」について、お客様の立場でマーケティング仮説を構築しなければ、商品・サービスが売れる・選ばれる(お客様が買いたくなる)仕組みをつくることは難しいでしょう。

「お客様多様化」時代のマーケティング

お客様理解といっても、それほど簡単なものではありません。性別・年代・居住地などのデモグラフィック属性が同じであっても、お客様の抱える課題や価値観・ニーズは人それぞれです。ましてや、インターネット普及や利用端末の増加、国際化の流れを受けて、「お客様の多様化」が加速する現代において、テレビや新聞などのマス広告でお客様全体に同じメッセージを発信しても、期待する反応を得ることが難しくなっており、マーケティング成果を挙げるには、お客様に最適化したアプローチが必要不可欠になってきています。

お客様の価値観やニーズは多様化している

”お客様に最適化したマーケティング”では、「個客」にどうアプローチして成果を上げるか(戦略)に加えて、個々のお客様の興味・行動に合わせた提供情報の最適化(クリエイティブ)個客対応を可能とする環境(テクノロジー)が必要であり、「戦略・クリエイティブ・テクノロジー」三位一体のマーケティングが求められているのではないでしょうか。

戦略・クリエイティブ・テクノロジー 三位一体のマーケティング

「お客様最適化マーケティング」実践に向けて

お客様が多様化していることは前述の通りですが、お客様ステージによっても、お客様の関心や感じる価値(メリット)、情報接触姿勢・行動意欲などは異なります。マーケティング成果を挙げるためには、各ステージのお客様を次のステージに移行させることが必要となるため、「マーケティングファネル」を活用してお客様ステージごとに、どのようなアプローチでどのような価値を提供するのか、見込み度の高いお客様をどのように特定するのか、お客様への刺激をいつ・どのような形・どのような方法で与えれば、お客様行動を喚起させることができるのかなど、マーケティングコミュニケーション(内容・頻度・タイミングなど)の全体フレームを綿密に検討・設計することが求められます。

お客様ごと・お客様ステージごとにマーケティングアプローチを変えることは、人的対応では限界がありますが、マーケティングテクノロジーの活用や、マーケティングファネルに基づくマーケティング全体フレームを設計できれば、お客様に最適化された効率的・効果的なマーケティング展開が可能になるのではないかと考えます。

皆様にとっての「お客様に最適化されたマーケティング」とはどのようなものでしょうか?ぜひこの機会に考えてみてはいかがでしょうか?

マーケティングファネル図。顧客ステージごとにマーケティングアプローチを変える

執筆者:山本 知拓

株式会社ジェネシスコミュニケーション
執行役員


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