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どのくらいアプリは使われているのか。世の中のリサーチ結果から

ジェネシスコミュニケーション田代です。

アプリの提案をしてほしいとお声がけいただくことがあります。
B2Bの企業様はそこまででもないでしょうが、B2Cでサービスをされている企業様ではほぼ顧客とのタッチポイントの一つにアプリを考えられていると思います。

そんなご時世、担当者が知っておきたいアプリの数字についてのあれこれをお話ししたいと思います。

目次

スマートフォンにアプリをダウンロードするまで

こちらはYahoo!マーケティングソリューションによるアンケート結果がありました。
これによると、「公式プレイストア(Android:Playストア、iphone:APPストア)」でダウンロードすると答えている方が、前年代通じて70%以上と圧倒的になっていることが分かります。


意外なのは、10代が最も「公式プレイストアでダウンロードしている」と回答しているところです。逆に年代が高くなるにつれ「公式プレイストア」の回答は減っていき、40代で81.6%、50代で72.6%となっています。一方、「ウェブサイトやアプリでの広告をきっかけとして公式ストアでダウンロード」する割合は10代で14.3%と低く年を重ねると増えていき50代では30.8%となっています。

ここから推測できるのは、若年層と壮年世代において広告認識における許容度に違いがあるかもしれないということでしょうか。
若い人ほど広告に飛びつかず慎重に公式プレイストアで探してからDLするという行動を取るのかもしれません。

では、次にどのくらいのアプリをダウンロードしているかです。
こちらは各調査媒体が自主調査などで数字を出していますので、直近の結果をいくつかなるべく同じ視点で比較してみたいと思います。

月々のスマートフォンアプリのダウンロード数

月々のアプリダウンロード数は、複数の調査結果があります。まずは、インターネットリサーチ会社マーシュのスマートフォンアプリに関するアンケート調査より。

こちらでは「平均、月にいくつアプリをダウンロードされますか」といった問いかけをしています。これによると、「月に1~3つ」と回答した方が、全世代で半数以上の54%となっています。「月に4~6つ」との回答は9.4%となっています。新機種にした直後と2年程度使ったあとでは、スマートフォンの空き容量にも差があるため、押しなべて平均するとどのくらい?という内容になります。

ならすと「月に1~3つ」というのが中心層になります。意外なのは「DLしない」と回答している方が一定数いらっしゃるということ。Android端末ではデフォルトで結構色々なアプリがインストールされているので、機種による違いがあるのかもしれません。

ついで、別のリサーチです。先ほどのYahoo!マーケティングソリューションによるアンケートにも同様の調査結果があります。こちらでは、「利用しているスマホにアプリをダウンロードする頻度」という聞き方をしているので若干先ほどのアンケートとは異なりますが、「月に2、3アプリ程度」よりも多い頻度の方が、10代で54.6%、20代で46.1%、30代で30.6%と徐々にへっていき40代24.0%、50代26.0%となっていることが分かります。

感覚的には、「毎月同じとも言えないが、だいたい1カ月に2~3つ」ダウンロードしているといった使い方が標準的なのかもしれません。毎月百花繚乱のごとくアプリは世の中に出ているわけですが、実際目に留まりダウンロードされるのは極わずかといったところでしょう。

このあたりはアプリをリリースした後のプロモーションまでもひとセットで考えたいところです。昨年大ヒットした「ポケモンGO」のようにリリース自体がニュースになるようなアプリはなかなかありませんので、自社アプリをリリースする際は、どこで集客をするかの検討や予算確保がカギになるでしょう。店頭でお客様とコミュニケーションが発生するクライアントであれば、オペレーションが発生しますが広告媒体を使うよりもはるかに効率的にコンタクトがとることができます。

ダウンロードしたアプリを削除するまで

ここまでは「アプリのダウンロード」に至るリサーチ結果をご紹介しましたが、次にどのくらいでそのアプリを削除しているかのデータになります。

まずは、マーシュのデータをご覧ください。直接削除するかの質問ではないですが、「自分でダウンロードしたアプリ」はおおよそいくつ入っていますか。という質問をパネルの方にしています。

スマートフォンに入っている自身でダウンロードしたアプリ数は、「4~6つ」が18.5%と最も高く、「10~14個」が17.9%、「1~3個」が13.3%と続いています。生年代で比較しても差は良く分かりません。ITリテラシーや一日におけるスマホ利用時間でクロスしてみると見えてくることがあるかもしれません。
性別ですと、若干ですが差がありそうで、男性は「10~14」19.2%が最も高く、女性は「4~6」21.2%が最も高い結果となっています。

感覚的には、毎月1~3つほどダウンロードしているにもかかわらず、実際にリサーチ時点でスマホに入っている自分がダウンロードしたアプリは、10~20程度ということは、アプリをDLしたは良いが削除してしまっているということになります。

ここにフォーカスをあてたのが、Yahoo!マーケティングソリューションのリサーチです。
「自らダウンロードしたアプリをどのくらいで削除するか」という質問をしています。

結果を見る前に注意なのはこの設問が【複数回答可】であることです。あり得る回答をいくつか選択することができる訳です。そこを考慮してみると、最も多いのは「1年以上」となり、全体で40%弱となります。Twitterやinstagram、LINEのように一度インストールしてしまえば削除する必要がないアプリはここにチェックされているものと思われます。

一方、削除する前提の回答では、「数カ月くらい」が20%前後となっています。また、「すぐに」「1週間以内」の割合では、10代で30%以上、20代、30代で20%以上、40代以上でも12~13%となっています。若くなればなるほど、かなり初期の段階でアプリに対する見切りをつけてアンインストールする行動を取っていることが分かります。

これは、ジブンに置き換えても「思ったアプリと違った」「なんかめんどくさそうだった」「デザインが好みじゃなかった」などの直感的理由で取捨を選択していることからも納得の結果と言えるのではないでしょうか。加えて、スマホの空き容量も関係するのでは?という疑問も。自分は、スマホの空き容量ギリギリまで使ってしまうと何かあったら困りそうなので、少し空き容量を確保しておき、その中でアプリの出し入れをしているのですが、そのような各個人のスマホの使い方みたいな部分も影響すると思われます。(大容量のスマホを持っている人とそうでない人の差も大きいかもしれません)

では、最後に1日におけるアプリの利用時間です。

一日におけるスマートフォンの利用時間とアプリの利用時間

こちらもYahoo!さんのアンケートデータになります。
ストレートに「スマートフォン利用時間のうちアプリの平均時間とアプリ以外の利用時間」を聞いています。スマホの利用時間で見ると、10代が4時間54分、20代が4時間2分、30代2時間49分と年代に応じて減少傾向にあり、40代では2時間12分、50代で2時間8分となっています。

このうち、アプリに割く時間では、10代の3時間10分を最高に、50代では59分となっています。
10代では、一日24時間で睡眠時間を7時間程度とすると使える時間の1/6をスマホに割いているということが分かります。

20代では、一日のうち約4時間をスマートフォンに割いてはいますが、このうち2時間半近くがアプリ、それ以外がブラウザやコールなどのアプリ以外という使い分けとなっています。この調査結果では、どういったアプリを使っているのかまでは追いかけていませんが、LINEやtwitterといったコミュニケーションアプリはどんな人であれかなりのウェイトになるでしょうし、ゲームを良くやる方はゲーム系アプリのウェイトも大きくなるわけです。

つまり、これから世に出そうとしているアプリは他のアプリ(しかもめちゃくちゃ強敵ぞろい)と時間を奪い合う必要があるわけです。ここに勝ち残れなければ、使われないアプリとなってしまうことになります。

このあたり、アプリを使ってどのようなコミュニケーションを発生させるのか、それによってユーザーは何を得られるのか、それは他の強敵ぞろいのアプリの時間を割いてまで興味を持たすことができるのか。これだけアプリが多くなっていますので、アプリの検討を考えの際はこのあたりも考慮に入れた開発をする必要があるでしょう。



執筆者:田代靖和
株式会社ジェネシスコミュニケーション
マーケティングコンサルタント


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株式会社ジェネシスコミュニケーション

ジェネシスのマーケティングプロフェッショナルが編集を担当。独自の視点で厳選した実践的ナレッジをお届けいたします。

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