電通 2020年日本の広告費~コロナの影響は?
毎年電通が発表している日本の広告費が今年も2月26日に発表されました。前回発表の2019年版では、インターネット広告がはじめてテレビメディアの広告費を超えましたが、コロナ禍の2020年の広告費は今回どうなっているでしょうか?
引用元
・2020年 日本の広告費 – ニュースリリース一覧 – ニュース – 電通
・「2020年 日本の広告費」解説──コロナ禍で9年ぶりのマイナス成長。下期は底堅く回復基調に | ウェブ電通報
2020年1月から12月における、日本の総広告費は6兆1594億円で、前年比88.8%とコロナ禍を受け大きくマイナスとなっています。東日本大震災があった2010年→2011年にマイナス成長となっていましたが、それ以来9年ぶりのマイナスとなりました。本来であれば、東京五輪の開催で経済活況が予想されていたはずの2020年でしたが、新型コロナウィルスの影響で大きく様変わりしました。
2012年以降の、4大メディア(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)+インターネット広告費の推移を抜粋しグラフにしてみました。
データ引用:電通 日本の広告費から マーケの強化書編集部がグラフ作成。
この1年(2019年から2020年)に注目してみると、それまでやや緩やかに減少していたテレビメディアが大きく落ち込んでいるのが分かります。
この10年広告費の伸びを牽引していたインターネット広告でさえ、この1年は上昇カーブの鈍化が見て取れます。また、雑誌広告はラジオ広告とならぶほどまで減少しており、新聞広告もテレビほどではありませんが下降カーブが止まりません。
続いて、プロモーションメディア広告費の動きをみてみましょう。プロモーションメディア広告費(屋外、交通、折込、ダイレクトメール、フリーペーパー、POP、イベント・展示・映像)の推移を、2016年からになりますが、グラフにしてみました。
データ引用:電通 日本の広告費から マーケの強化書編集部がグラフ作成。
合計では、1兆6,768億円(前年比75.4%)と他の項目と比べても大きなマイナスとなっています。2019年の『ラグビーワールドカップ』、2020年の『東京五輪』と大型イベントが続き、期待や盛り上がりが大きかったですが、コロナ禍を受け大きく影響を与えたことが分かります。イベント・展示以外でも、交通広告や折込広告でのマイナスが大きくなっています。
2021年は、アフターコロナでV字回復を願うばかりですが、本業を維持するので精一杯で広告費に回す余力はない広告主さんも多いものと思われます。V字回復ほどまでいかずとも少し回復傾向がみられるのか、更なる悪化を辿ってしまうか2021年の動きは気になるところです。
とはいえ、各社のマーケティング活動、プロモーション(広告宣伝・広報・販売促進)を止めるわけにはいきません。コロナ収束を願いながらもWith コロナ、After コロナの時代にあったマーケティングを各社が行っていくことにより、来年2021年の広告費が回復していくことを祈っています。