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導入したら最初に何をする?Web接客ツールはじめる前に知っておくべきこと

Webサイト上で、マーケティングの施策を実行する中で、導入する機会が多いWeb接客ツール。いざ導入するとなったら、何から手をつければ良いのでしょうか? 今回は「マーケの強化書」を運営するジェネシスコミュニケーション内部で対談をしてみました。現場目線で「ツールを導入したら、何をやればいいのか」について話し合っています。

    田代
    田代 靖和株式会社ジェネシスコミュニケーション シニアプロデューサー
    「マーケの強化書」編集長
    岡山
    岡山 昌仁株式会社ジェネシスコミュニケーション マーケティングディレクター
目次

Web接客ツール初心者だと、操作できない?

田代田代

どのツールでも似たような話になるかもしれませんが、実際にWeb接客ツールを触ったことがない人や、手を動かす立場でない人ほど、ツールを導入した後を想像するのは正直難しいと思っています。岡山さんはどう感じていますか?

岡山岡山

私も同感です。操作経験がないと、簡単な設定でも結構迷うと思います。そもそもツールを導入しただけで、勝手に自社サイト内で“いい感じに”動いてくれませんからね。

田代田代

ツールに精通していない人ほど、ツールの機能、特に、とてもうまくいっている会社のケースをイメージしがちです。

本当に大切なことは、機能そのものではありません。導入を検討している対象サイトの目的に基づいて、機能を通じて成果を引き出すことです

岡山岡山

機能につい関心が向かう気持ちはわかります。例えば、チャットボットが作動したり、ポップアップで接客が表示されるというのは、ツールを扱えない人でも目で見て分かりますからね。

そうした機能自体も大事ですが、目的を達成するための効果を引き出せるように機能を実装できているかが、さらに求められることです。トップページにチャットボットを置いただけでは、特に効果は引き出せませんし。

田代田代

ここでは「初めてツールを導入する人・会社」向けに、最初に何をしたらいいのかについて、もっと噛み砕いた話をしていきたいです。

Web接客ツールを導入するスタートの時点では、当然ながら、サイト側には何も実装されていません。先ほど「置いただけでは何も効果がない」といった「トップページにチャットボットを置く」状態にしても、自分で実装しない限り動かないわけです。

岡山岡山

率直に言うと、ツールを触ったことがない人だとなかなか使えないと思います。ココで言うツールはWeb接客に限った話でないですが。

田代田代

そうですよね。もちろんツールベンダー側も売って終わりではなくて、可能な範囲のアフターフォローはしています。

初心者ユーザーに向けて使い方をレクチャーするセミナーを開いたり、デフォルトで最低限の設定をした状態にしてくれていたりしますが、そのくらいです。その状態でうまく実行できるかと問われると、難しいでしょう。

岡山岡山

そうですね。つまるところ、社内にツールを扱える人材を確保しているかは大きいですね。ただ、色々なツールが溢れていますからすべてに長けた人材が揃っていることは稀ですね。よく分からないツールを前にすると、そのツールを触るのって結構怖かったりするのですが、そこを超えてツールに触れてみる。いじってみることができる『勇気』があるかというのも大きいですね。

そして、上長の方々はその勇気を認めてある程度自由にやらせる『度量』も大事かなと。

「イベント」と「セグメント」について理解しておこう

田代田代

Web接客ツールを導入したら、一番初めに何をしましょう。

さまざまな目的があって、多様なWebサイトが存在するので一括りにはしにくいのですが、自分は「どのWebサイトにも共通して言えることとして、最初に考えるのは「接客」ではない」と思っています。ここで言う「接客」とは、ユーザーのアクションに対してWeb接客ツール側で何らかの機能を実行することを指す言葉ですが。

岡山岡山

私もそう思います。「接客」より先に考えることがありますよね。

田代田代

例えば、Web接客ツールを操作する前提として、「イベント」や「セグメント」を理解する必要があるのかなと。使いこなすレベルまではいきなりは難しいでしょうけど、最低限理解しておきたいですね。ここをすっ飛ばして、いきなり「接客」の話をする人が実に多い(苦笑)。

始めて聞いたぞと言う方もいらっしゃると思うので少し解説します。ツールによって名称が微妙に異なったりはしますが、Webサイトにおけるユーザーの行動や行為を定義するものを「イベント」。そのイベントを実行したユーザーやユーザーグループを一括りにすることを「セグメント」としているツールが多いですね。

田代田代

「全員にWeb接客を表示しましょう」という企画の場合は必要ありませんが、それでは多機能なWeb接客ツールの一部分のみを使うことになるので、この「イベント」と「セグメント」を上手に使いこなしたいところです。

例えば、問い合わせフォームで「送信」をクリックすることを「イベント」としておくと、フォームで問い合わせを完了したイベントを実行した人を「セグメント」として作成でき、そうした方々にWeb上で追跡できるようになります。

他にも、任意のページで○%スクロールした、任意のページを○分以上閲覧したとか、Web広告の任意のクリエイティブでランディングしたなどの行為もイベントとして設定できるわけです。

運用しながら「セグメント」の切り方を調整する

田代田代

少し振れましたが、「セグメント」は、イベントを実行したユーザーグループを指すので、例えば「一覧を見る」ボタンをクリックするという「イベント」を実行したユーザーに絞って、さらにその後の行為を追跡したいなら、「一覧を見る」のイベント実行ユーザーという「セグメント」を設けて、追いかけていけばいいわけです。

岡山岡山

イベントやセグメントをある程度自力で設定してこそ機能する範囲は増えていきますね。

田代田代

そうですね。ツールベンダーさんの方で一部だけイベントやセグメントを設定してくれている場合もあったりするかもしれませんが、基本は空箱のような状態です。

ゼロ(空の箱)からイベントやセグメントを自力で設定しながら、どこにどう「接客」という機能を搭載するかを考えていく必要がありますね。

これはツールベンダーさんに聞いた話なのですが、うまく使っている企業さんとそうでない企業さんとでは、この「イベント」や「セグメント」が実装されている数にものすごい開きがあるそうです。

岡山岡山

なるほど。確かにそうでしょうね。とはいえ、最初から完璧を求めようとすると難しいかもしれませんね。運用しながら、徐々にセグメントを実態に近づけていくといった緩やかさもあった方が良いと思います。

田代田代

確かに。この辺を厳密にやろうとするとどうしても頭でっかちになってしまい手数が減ってしまいますよね。であれば、最初に仮説ベースでセグメントを設定し、使わないセグメントが出てきたら、実態にあわせてセグメントの切り方を調整する方が良いでしょうね。ツールも月額費用がかかっているので、実際にユーザーさんに見せてあれこれ結果をもとに変えていく、運用を通じて設定を変えながら、使いこなしていくべきかなと思いますね。

導入前の確認事項は3点

田代田代

ここまでの話を整理します。「初めに何をしたらいいのだろう?」を念頭に置いた時、Web接客ツールの導入時にもっとも言いたいことは3点に集約されます。

【Web接客ツール導入前に「要確認!」の3点】
1 Web接客ツールでいきなり「接客」を考えるな!
2 設定前のWeb接客ツールはただの空箱!
3 対象サイトの課題は入口にあるのですか? 出口ですか?

1と2はここまで説明してきた話の通りです。3はもう少し補足が必要でしょうかね。

課題がある場所次第で、ツールの使いどころは変わる

田代田代

例えば、あるセミナーにWebサイト経由で申し込みをしてもらいたい場合、セミナーを知ってもらうための認知目的の情報と、セミナーへの理解が進んで、いざ申し込む前に知りたい他社セミナーとの比較や必要な金額の理由といった、具体的な内容を明らかにするための情報とは、役割も質も異なります。

岡山岡山

まさしく「接客」の前に考えるべきこと、ですね。

田代田代

ツールを導入すること=接客をたくさん設定することと考えがちな人は、ぜひ考えを改めてほしいです

どういう成果を引き出したいのか、そのためにどのようにWebサイトを設計するといいのかを考えると、例えば現状のサイト構成だと、そもそもユーザーの悩みを解消するコンテンツが不足しているかもしれない。先に気づければ、コンテンツの用意に取りかかれます。まさに接客の前にやるべきことです。

岡山岡山

流入(入口)に課題があるのか、コンバージョン(ゴール)にもっと深刻な悩みがあるかで、「接客」の作り方も変わりますよね。

「施策の立て方はわかっているけれど、ツールの使い方がわからない」と、「そもそも施策の立て方がわかっていない」では、根本的に問題が違います「自社がどちらにあたるのか」からきちんと見直し、地道にスタートしてほしいですね。

田代田代

まだまだ話したりないけど、また続きはやるとして一旦ここまでにしましょうかね。このたびはありがとうございました!

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株式会社ジェネシスコミュニケーション

ジェネシスのマーケティングプロフェッショナルが編集を担当。独自の視点で厳選した実践的ナレッジをお届けいたします。

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