『マーケティング学会 カンファレンス セッションタイトル』について調べてみた!
マーケターなら押させておきたいマーケティング学会のカンファレンスは毎年10月中旬に開催されています。2013年から始まって10回目となった今年は2022年10月16日に開催されました。
そのマーケティング学会の場で話題になっていることを経年で調べてみました。その結果に、何か次の、来年のマーケティングのヒントがつまっていればと思い、マーケの強化書が調べたデータを1クリックで入手可能な状態で公開しています。
調べることになった今回のきっかけ
当サイトで毎月開催している編集会議。10月の会議中、マーケティング学会2022のカンファレンス資料に軽く目を通した編集長が「ブランドについてのセッションが多い?」と感想をもらされました。
下記は同日の編集長のtweetです。
コロナ禍を経てリアル開催は3年ぶり。私も当日、会場となった法政大学にお邪魔しましたよ。
カンファレンスの全てのセッションに参加することは難しく、多くの方は、参加しているリサーチプロジェクトや自分が気になったセッションに参加していると思います。会場参加していても全体としてどのような話題で盛り上がっているかは、意外に分からないものなのです。
さて、本当にブランドについてのセッションが2022年は多かったのか?が、気になり調べてみることにしてみました。
データの定義~調査対象としたセッションタイトルとは
2013年から2022年まで、マーケティング学会のサイトに載っているカンファレンスのデータをコピーして、そこからタイトルを抽出しました。
マーケティング学会では、リサーチプロジェクト・セッション、オーラルセッション、ポスターセッション、基調講演と様々なセッションがありますが、それらすべてのタイトルが対象です。大学教授の講演も院生のセッションも、企業マーケターのポスターセッションも等しく同じに、タイトルだけ抽出し扱っています。また学会には○○○研究会といったリサーチプロジェクトの研究会名称がありますが、それらの名称、所属組織、登壇者名等は除きました。
そのような作業を経て抽出された調査対象となるタイトル数は下記の通りです。2019年が179で最も多く、コロナ前に多くのセッションが開かれていたことが分かりますね。
また、2020年と2021年はZoom開催でしたので、会場開催に戻った今年2022年とは少し異なる雰囲気だったのを覚えています。
調べた結果~ワードクラウドと【キーワード】の経年変化
各年データの抽出が終わりましたので分析していきましょう。もちろんExcelのCOUNTIF関数で【ブランド】を数えても良いのですが、この後の処理を考えて
(0)統計解析向けのプログラミング R言語の準備。
(1)RMeCabで形態素分析を行う。
(2)単語の頻度を確認。
(3)開催年別に集計。
という手順で行いました。業務の片手間の作業なので、ザックリと分析していることはご了承ください。
Rでデータを見ていますので、2020年から2022年のwordcloudを作ってみました。
ここ数年のワードクラウドを見ても分かるように【ブランド】の文字の大きさが2022年は【マーケティング】と同じ位大きくなっていますね。
全体の頻出キーワードとしては【研究】【マーケティング】【消費】【企業】あたりが上位を占めています。では【ブランド】について経年の変化をみた後、いくつか任意のキーワードの動きもおってみましょう。
やはり今年、2022年は、【ブランド】でも【マーケティング】を上回る頻度となっていました。【ブランディング】を足すと、その多さがより分かりますね。
こちらは【研究】【分析】【事例】【考察】【実証】をキーワードとしてひろってみました。
そしてこちらのグラフは【企業】【戦略】【価値】【顧客】【ユーザー】【サービス】【商品】です。
上記3つのグラフ(図4,図5,図6)は各年の頻出単語をタイトル数で割った比率値の折れ線グラフ。マーケティング学会のセッションタイトルの為、【マーケティング】を1つの基準として棒グラフとして表示。
上の2つのグラフ(図4,図5)からコロナ1年目の2020年、【企業】が増え【事例】が減っていることが分かります。思い返してみると2020年のマーケティングは新しい生活、緊急事態宣言下にどう対応していくべきか、正解のないなかで各社試行錯誤していたのが思い出されます。
マーケティング学会のカンファレンステーマも近年、
2019年:Twitter時代の世論形成と、マーケティング
2020年:#いまマーケティングができること
2021年:DX待ったなし時代のマーケティング
2022年:ニューノーマル時代を切り拓くマーケター
となっていました。
コロナに戦争、円安、原材料価格の高騰、2022年も大変な1年でした。きたる2023年、どのような年になってもマーケターとして前を向いて頑張っていきたいですね。
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掲載済みのグラフから未掲載の2013年~2019年のワードクラウドグラフ、頻度分析をした後のデータを含むExcelファイルです。任意の【キーワード】を入力し経年の変化を調べることも出来ます!どうぞご活用ください。