マーケティングイベントが激変!?オンラインセミナーを企画する前に知っておきたいこと
皆様は新しい生活様式には慣れた頃でしょうか?マスクをつけていると暑さも増しますので、工夫して過ごしたいものです。
今日は、「マーケの強化書」でセミナー情報収集&掲載をしていく中で気づいた、イベントやセミナーの変化についてご紹介させてください。
変化はいつから起こったか?
新型コロナウイルスの猛威を受け、2020年春以降、マーケティング関連以外も含めて、大型イベントが軒並み中止や延期となりました。私も1月28日に、東京ビッグサイトで開催されたイーコマースフェア東京2020の会場で『マスクをしている人は少ないが、大丈夫か?』と気になったのを記憶しています。2月中旬位までは、都内でもリアルイベントが実施されていました。
その後、緊急事態宣言、ステイホーム週間を経てセミナーやイベントのやり方も大きく様変わりをしています。3月から4月にかけては、どう対応しようか右往左往していた企業も、5月以降からは少しずつオンラインセミナーに舵をきりだして、直近6月ではかなり多くの企業がオンラインセミナーに向けて動き出しているように感じます。
セミナーを主催する立場のマーケティング担当者の方が、もし『リアルからオンラインに移行しだだけでしょ?』と考えていたら、セミナー集客やその後の営業活動で苦戦されるかもしれません。
開催時間はどう変わったか?
1つデータをご覧ください。2019年5月と2020年5月に開催されたセミナー・イベントの開始時間を比較したものです。
こちらのデータは、「マーケの強化書」で毎月作成しているセミナー&イベント記事のために収集した資料の集計データです。10時台開始が半減し、15時台の開催件数が増えていることが分かります。
自社が持っているデータだけでは偏りがあるかもしれないので、大手である「Web担当者Forum」さんで掲載されているセミナー情報も集計させてもらいました。2020年6月1~19日の3週間分のデータを集計した【セミナー開始時間(曜日×時間)】【セミナー実施時間】の結果は、下記の通りです。
曜日×開始時間帯別では、週の半ば火曜~木曜に、16時、15時スタートが多い。
各セミナーの開催時間は、60分セミナーが最も多い。
データ出典:「Web担当者Forum」で掲載されたセミナー情報よりマーケの強化書編集部がデータを加工。
「Web担当者Forum」さんのデータからも明らかに、朝からはじまる1日がかりのイベントは減少し、午後から1時間やランチタイムの1時間等と、時間を絞ったオンラインセミナーが増えています。
5月時点では単独イベントや単独セミナーが中心でしたが、ここのところ比較的規模の大きいイベントが開催されています。複数社で同じテーマを企画したセミナーです。たとえば、マーケティング支援企業5社それぞれが全4日間のセミナーを開催したり、デジタルサービス等を提供する会社が1社10分間の持ち時間で6社協賛プレゼンを行ったりと様々な工夫がみられます。
開催時間が変化しただけなのか
リアルイベントがオンラインセミナーに移行し、開催時間が変化しただけなのでしょうか?もう少し考えてみましょう。
従来のイベント・セミナーに参加するためには、開催会場・移動時間はネックでした。会社や自宅から遠い所へは参加しづらく、『駅に近く、終了後に直帰しやすい』そんな理由で選ばれていたセミナーもあるかもしれません。
しかし、オンラインセミナーは場所の制約をうけません。興味関心があるセミナーを見つけることができたのなら、開催日時、時間帯に自分が参加出来るのか?出来ないのか?が参加者の焦点となるのです。
場所の制約を受けなくなった変わりに、受けたい時間は参加者の奪い合いとなるでしょう。リモートワークなどで働き方が変わりつつあっても、打合せが多く入る時間を避けたタイミングが好まれるでしょう。午前よりは午後、午後1時よりは午後すぎの3時、4時と夕方にシフトしているのも、このためだと考えられます。
オンラインセミナーに前向きに参加してもらうために
オンラインセミナーは、ネット環境が整ってさえいれば、どこからでも簡単に参加できるという物理的な距離を飛び越える良い面があります。一方で、参加者はいつでも途中入退室が可能なわけです。セミナーに参加していたとしても、周囲の視線や主催者の顔色を伺わずに、指一本・ワンクリックで退出ができてしまえるのです。
今までもセミナー会場で持参したノートパソコンで業務メールを打っている人や、他の作業の資料を作っている人を見かけたことがある人は多いでしょう。
これが、オンラインセミナーとなれば、さらに参加状況は多様です。
面白くなければすぐ退席されてしまうということを常に念頭に置く必要があります。セミナー主催者は、リアクションが感じずらい中で、参加者の心情を想像しながら、短い時間でわかりやすく伝えることに意識する必要があります。
また、セミナー本編の内容もさることながら、セミナーにどういった気持ちで、できれば前向きに!参加してもらうためにはどうしたら良いか、セミナーへの態度形成をどう作ることができるかといった、参加前のコミュニケーションシナリオを事前に考えておくことも、セミナーの成否を分けるポイントとなりそうです。
オンラインセミナーを企画する前に~まとめ
- 開催タイミング(時間・長さ)は参加者の事情に考慮する。
- 人気の時間帯は、参加者の奪い合いが始まっている。
- 参加者は指先一つで退出できてしまう。
- セミナーの内容は、リアルのセミナーと比べ、より短くより分かりやすくを心がける。
- 参加者に前向きに参加してもらうための態度形成を促す参加前のコミュニケーションシナリオも考えておきたい。
オンラインセミナーの開催だけが、Withコロナの新しいマーケティングの形ではありません。今までのやり方が効かないなかで、自社サイトの強化など様々な課題も噴出しているかと思います。「マーケの強化書」は引き続き、マーケターのあなたの力になれれば幸いです。