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機能的な違いは何?Web接客ツールとMAの違い

マーケティング上の施策で、導入されることが多いWeb接客ツール。しかし現場では、「いまいちツールのことがわかっていない」反応が多いのも事実です。そこで今回は、マーケティングオートメーション(以下、MA)ツールと比較しながら実務者の視点で「Web接客ツールって何?」について、「マーケの強化書」編集長・田代靖和と「マーケの強化書」運営会社であるジェネシスコミュニケーションの代表取締役・杉田ユウイチが対談。その模様をまとめました。

    杉田
    杉田 ユウイチ株式会社ジェネシスコミュニケーション 代表取締役
    田代
    田代 靖和株式会社ジェネシスコミュニケーション シニアプロデューサー
    「マーケの強化書」編集長
目次

Web接客ツールと一口に言っても……

田代田代

今回はWeb接客ツールについて、実務者の立場で話し合ってみたいと思います。「マーケの強化書」では、2021年10月に公開した「MAとWeb接客ツールの違い」という記事で、両者のツールについて最低限押さえておくべき基本事項をまとめました。

今回の記事では、MAとWeb接客ツールのそれぞれにおいて、最低限押さえておくべき特徴や両者の違いをまとめています。この記事を公開した背景には、実務上の経験で、両ツールの得手・不得手を混同して導入している現場が非常に多いという理由があります。両ツールの違いや得手・不得手を理解した上で選択すれば、事前にミスマッチが防げるはずなのですが、なかなかそうも簡単にはいかないようです。

杉田杉田

実際にツールを導入しようと企業側が検討する際に、本来なら両ツールの特徴を理解していないと検討しようがないはずです。私も現場では、両者のツールについて説明する機会が多く、先日もクライアントやパートナーを前にセミナーを行ったところです。

田代田代

「判断に困っている人が多いのでは?」と考えて、今回は、Web接客ツールに軸足を置く形で、実務者の目線で話し合いたいです。MAと違ってWeb接客ツールがどういうことが実現できるツールで、どのような場面での活用が検討しやすいのかを話せば、実務者でない立場の人たちも考えやすくなると思います。

Web接客ツールは各社ベンダーがさまざまな名称で提供しています。ここでの前提として、以下にあげる5種類を想定することにします。

・チャットボット機能に強みがあるWeb接客ツール
・ポップアップ機能に強みがあるWeb接客ツール
・CMSをベースに発展してきたWeb接客ツール
・ヒートマップ機能に強みがあるWeb接客ツール
・ECサイト向けに特化したWeb接客ツール

厳密に言うと、Web接客ツールの中にも得意・不得意があり、一括りにはできない点があるのですが、ここでは、どのツールにも共通して言える特徴を意識しながら話を進めていく点ご了承ください。

Webサイト訪問中のユーザーに働きかけるのがWeb接客ツール

田代田代

先ほど「セミナーを開く機会も多い」と言われていましたが、杉田さんは現場でどういう説明をされているのですか?

杉田杉田

もっとも意識しているのは、施策に関わるメンバーが感覚的に理解できるようになることです。現場の多くは、MAツールにしてもWeb接客ツールにしても、結局何をどうしてくれるツールなのかをわかっていません。むしろ、漠然と「導入すれば成果を上げてくれるかも」と期待している人がほとんどと言っても言い過ぎではないかもしれない。このような“ふわっ”とした理解では話が進まないので、クライアントには早い段階でツールの特性や違いのアウトラインをつかんでもらうようにします。

以下に、実際のセミナーで使った資料を紹介します。Web接客ツールとMAツールを比較した図です。

杉田杉田

Web接客ツールは、「Web接客」と言うだけあって、Webサイトの『中でのパフォーマンスを高めるためのツールです。さまざまなユーザーがWebサイトに滞在している時に効果を導く手段を提供します。

一方でMAツールは、Webサイトから一度離れたユーザーに対して働きかけますWebサイト『外』と言えるでしょう。例えば、お客様にメールを送信して、メールを通じてWebサイトへと連れてきたり、メールのレスポンスを通じてさらに次のメールを配信したりします。

田代田代

そうですね。いわゆるMAツールは、個々のユーザー情報とCookie(クッキー)が連携した状態で、一人ひとりのユーザーを特定できている前提も踏まえてという使い方になりますね。

対象となるボリュームの違い

田代田代

働きかける対象が、Webサイトの「中」にいるのか「外」なのかで考え分けると、両者の違いが理解しやすいですね。

杉田杉田

この点がわかるだけでも、グッと考えやすくなるはずです。MAなら、すでに特定できているお客様との関係性をさらに深めたい時に利用するのが合理的です。こうした整理をしないままにツールありきで話が進むから、実態とミスマッチなツールが導入されるのです。

別の角度から、もう少し両者の違いを説明しましょう。以下の図もご覧ください。

杉田杉田

Web接客ツールはCookie(クッキー)で動くことができ、Webサイトに来訪した匿名の相手に働きかけるので、扱う対象のボリュームも当然多くなります

田代田代

もしデータが獲得できていない状態で、未特定の見込み客に強くアプローチしたい施策なら、MAよりWeb接客ツールが候補に挙がってくるはずですね。

杉田杉田

その通りです。一方でMAは、Cookie(クッキー)とメールアドレスが紐づいた対象に施策を実行するので、限られたボリュームになります。この特徴からも明らかなように、MAは既存顧客向けに関係強化を図るのに適しています。

田代田代

設計の全体から判断するので一概に言えませんが、先ほどの話に加えてこれらを把握しておけば、MAかWeb接客ツールか、という迷い方はかなり解消されます。

杉田杉田

ここにCookie(クッキー)の受け入れ拒否者、拒否デバイスが含まれてきます。Cookie(クッキー)拒否については、Web接客ツールもMAも双方が抱える問題ですね。

田代田代

ありがとうございます。ツールの導入を検討する企業側であれば、こうした理解がベースにあると、任せっぱなしの判断が防げます。施策を最適に進めるためにも、押さえておきたいポイントです。

次回は・・・

Web接客ツールを実際のWebサイトに導入した際に現場で直面する課題について、ランディングページ(LP)への導入を例に挙げながら、話し合います。

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株式会社ジェネシスコミュニケーション

ジェネシスのマーケティングプロフェッショナルが編集を担当。独自の視点で厳選した実践的ナレッジをお届けいたします。

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