無料でMA機能活用、マーケティング成果を出す!
無料でMA機能が使える?
MAは数十万円/月の利用料が必要と考えている人が多いと思います。しかし、実はMAと同じような機能を無料で使える場合があります。
MAは様々な機能を組み合わせ連携できるようにした「多機能ツール」ですが、MA機能の一部を無料で提供しているツールがあるのです。
ですから、自社で利用したい無料ツールを選び、それらのツールを連携させることでMAと同じようなことが可能になります。
さて、多くの企業が考える、MAを導入して実施したい主なコミュニケーション施策としては、下記のような「見込客獲得と育成」、および「見込度の高い顧客の抽出」でしょう。
- メルマガ登録フォームを作成して見込客を獲得
- メルマガでナーチャリング(顧客育成)
- メルマガの反応によって見込客を分類抽出
- 見込の高い人には、割引クーポンや期間限定割引の案内
- 見込の低い人には、自社製品・サービスのメリットを伝える等
上記のような施策に対して複雑なシナリオを組まなければ、「Leadin」と「mailchimp」という無料ツールを利用することで実施が十分に可能です。
Leadinとは
「Leadin」は、「Hubspot」というMAの会社が提供している「簡易版MA」と言えるものです。登録された見込客件数などによって課金が発生することはなく、ずっと無料で利用可能です。
「Leadin」は、自社ウェブサイトの「メルマガ登録フォーム」に組み込んだり、Wordpressのプラグインとして利用することができます。
では、Leadinの主な機能をご紹介しましょう。
1)フォーム作成・表示機能
「氏名」「メールアドレス」の入力フォームを作成し、各ページにフォームのPOPアップを表示させることができます。また、POPアップを表示させる場所やタイミングも複数設定が可能です。ページの半分以上スクロールした場合にPOPアップを画面右下に表示させるなどの設定ができます。
この機能により、自社サイト訪問者の「氏名」や「メールアドレス」等のコンタクト情報を獲得し、見込客化を図ることが可能となります。
2)ページ閲覧履歴捕捉機能
見込客がどのページを閲覧したかを捕捉できます。どのページでフォーム入力したのか、どのページを頻繁に閲覧しているのかなどを確認可能です。
(※捕捉できるのはLeadinのフォームを入力した人だけになります。)
見込客のサイト上での行動履歴から、見込客がどの程度ホット=見込度が高いかを推測することができるというわけです。
mailchimpとは?
「mailchimp」は、メール作成・配信の無料クラウドサービスで、一部MAと同じ機能を持っています。
ただし、配信メールアドレス数や月当たりメール配信総数が一定数を超えると、従量課金対象となります。
では、mailchimpの主な機能をご紹介しましょう。
1)HTMLメール作成機能
コーディングの知識がなくてもHTMLメールを作成可能。ドラッグ&ドロップの作業だけで、スマートフォンやタブレットなどの画面でも適正に表示される「レスポンシブ対応」のHTMLメールを作成できます。
2)メール開封・クリックの測定機能
送信されたメールの開封・クリックが個人単位で把握できます。誰がどのメールを開封・クリックしているか、どのリンクをいつクリックしたのかなど、詳細な反応履歴が取れます。
3)見込客評価機能(5段階評価)
メール受信者の開封・クリックの頻度によって、自動的に5段階評価する機能です。メールの開封・クリック頻度の増加に応じて、★が最大5つ付与されます。誰が見込度の高い人なのか一目で見分けることができます。
4)見込客リスト抽出機能
3)の見込客評価機能によって付与された★の数ごとに自動的にリストに分類してくれる機能です。例えば、ある見込客の★が5つになったら、自動的に★5つのリストに追加してくれます。
マーケティング担当者は以上の機能を活用することで、送信メールの反応状況に基づく、より効果的なメールコンテンツの作成が可能となります。また、見込度の高さ別に自動的にセグメントされたリストが作成されるので、見込度の違いに応じたメールコンテンツを出し分けることができます。
※アメリカのクラウドサービスのためナビゲーション表示は英語。日本語ローカライズはまだ行われていませんが、メール本文には日本語で入力することができます。
※mailchimpが無料で使える範囲は以下の通りです。
●見込客数:2,000人迄
●配信数:12,000件迄/月
mailchimpとLeadinを連携させる
Leadinはmailchimpと簡単に連携可能です。連携すると、Leadinで入力された情報がmailchimpに送信され、自動的に「メール配信リスト」に登録されます。
mailchimpはメールに対する反応履歴を追うことができる一方、LeadinはWebページの閲覧履歴が取得できるツールです。この2つのツールを組み合わせることで、個々の見込客の「メールに対する反応」と「Webサイト上での反応」の両方の情報を取得することが可能になり、見込客の関心対象や、購入可能性をより精緻に推測することができます。
無料ツールを利用するメリットとデメリット
「毎月、何十万円もMAに支払うのはハードルが高い…」。MA導入では、コストが大きな壁になる企業も多いでしょう。今回ご紹介したツールを使うメリットは、ある程度パーソナライズされたコミュニケーション施策を展開でき、その効果検証が行えるという点です。
一方、無料ツールを利用するデメリットとしては、複雑なシナリオを組んだマーケティング施策は実施できないことです。
無料ツールですから、あれもこれもしたいという要望には応えられないことがあります。それでも、顧客・見込客から取得した各種データを上手に活用して、きめ細かなマーケティング施策を計画・実行するプロセスを経験できることは、将来、高機能なMAの導入を検討する際に、社内稟議を通すための有力な説得材料として役立てることができるでしょう。
MAを導入してみたいが、すぐに十分な予算が取れないとお悩みであれば、まずはLeadinやmailchimpのような無料ツールを組み合わせたマーケティング施策から始めてはいかがでしょうか。
<関連リンク>
※ Leadinサイト: http://leadin.hubspot.com/
※ mailchimpサイト: http://mailchimp.com/