ジェネシスの仕事の進め方を大解剖!どうやって「ブランド」を作るのか【vol.01】ブランドとは何か
「マーケの強化書」を運営するジェネシスコミュニケーション(以下ジェネシス)によくある問い合わせの1つが、「どういうことをする会社なのか」です。もっと具体的に、ジェネシスが何をする会社なのかを説明できないかと考え、「マーケの強化書」編集長と社員との対談を企画。対談を通じて「ジェネシスの仕事ぶり」を紹介します。
- 田代 靖和株式会社ジェネシスコミュニケーション シニアプロデューサー
「マーケの強化書」編集長 - 佐藤 直美株式会社ジェネシスコミュニケーション ディレクター
「マーケの強化書」編集スタッフ
クライアントの「マーケティング支援」とは?
入社してまもない佐藤です、よろしくお願いいたします。
ここでは「ジェネシスコミュニケーションは何をする会社なのか?」を、佐藤さんとの対談を通じて少しでもわかりやすく伝えたいと思っています。何でも聞いてください(笑)。
はい! では早速(笑)。私自身も最初よくわからなかったのが、ジェネシスが「結局、何をしてくれる会社?」なのかということです。読者の方もそう思っているかもしれないので改めて説明してもらえますか?
ジェネシスの主な業務範囲は、一言で示すと「クライアントのマーケティング支援」です。と言われても、ピンと来づらいですよね。そもそも「マーケティングとは何か」については、すでに「マーケの強化書」でエントリーしているコンテンツがあるので、詳しくはそちらを参照してください。
マーケティングを一言でいえば、「モノやサービスを売りやすくする仕組みを作ること」です。「消費者が対象(モノやサービス)を買いやすくする仕組みづくり」がマーケティングで、「売ること/売らせること(セールス)」ではありません。つまり、売りやすくすることが範囲になるので、やるべき範囲も「幅広い」となるわけです。
マーケティングの「範囲」について
なるほど。もう少し具体的に「幅広い」を教えてもらってもよいですか?
例えば、営業社員がユーザーに見せるための資料について、競合他社よりわかりやすく用意することも広義の意味ではマーケティングに含まれます。各種SNSで告知することや、マス広告で広く認知を取ることも、売ることに繋がる企画や手段も、Webサイトを通じてきちんと商品やサービスを伝えることなども、すべてマーケティングと言えます。技術の進化とともに手段の選択肢も増えているため、売りやすくするための試行錯誤すべき領域(=マーケティング領域)が広がっている、ということです。
ジェネシスではどの領域も手がけるわけですか?
クライアントの「自社の商材やサービスをどうやって売ろうか」という相談事に対しては、範囲を制限している訳ではありません。クライアントと同じ立場になりかわって考えて、最適解を提供する立場がジェネシスです。クライアントにとっての最適な戦略、企画を立案して、戦略や企画に基づくシステム・仕組みを開発し、最終的なクリエイティブ・成果物を作り出して、それらの運用・運営を行います。
領域での制限と言うなら、広告領域のお仕事(出稿管理や運用など)は受けていません。新聞・テレビなどの4マス広告や、デジタルならリスティング広告をはじめとしたインターネット広告などの運用型広告領域についてです。ただし、クライアントさんとの会議で、仮に最適解が広告だという話になれば、その部分はパートナーにお願いする形を取っています。
「ブランド」とは何か?
……と説明してきたけれど、「結局は?」となりそうですね(笑)。
そこで、過去に手がけてきたプロジェクトについて、どんな内容だったかなどを紐解いて紹介したいと思います。今回は「ブランドを作る仕事」について、ジェネシスの進め方を紹介してみたいと思います。ところで佐藤さん、「ブランド」とは何だと思いますか?
例えば、会社の目印のことでしょうか? 「あのブランド」と言われたら、決まったビジュアルが浮かんでくるような。
言葉で説明するのは難しいですよね(笑)。
ブランド(brand)の語源は「家畜に焼印をつける」に由来する、とされています。現代に置き換えると、ブランドとは、消費者に個別の売り手・売り主の製品やサービスをきちんと認識してもらうためのものです。競合会社との違いを、名称やマーク、デザインやそれらの組み合わせで表現し、差別化することです。ここまでは佐藤さんの回答と同義です。
ここで「ブランド」の全体像を示した資料を共有します。
クライアントにまず伝えたこととして、ブランドには2つの側面があるという話です。2つとは、「認知的ブランド」と「経験的ブランド」です。ブランドを作っていきたいという問いかけに対して、どちらの側面ですか?という勉強からお返事をしたのがジェネシスらしいと言えばジェネシスらしいですね。
認知的ブランドと経験的ブランド
先ほど佐藤さんが答えてくれたのは、この図版で言うところの「認知的ブランド」になります。本格的なインターネットの台頭以前の1990年代までは、TVや新聞、ラジオといったマス広告で新商品やサービスを訴求してブランドを認知させる方法が主流でした。
ところが2000年代以降になって、経験的ブランドが加わってきます。例えば、店舗のロゴだけでなく、店舗ならではの空間や雰囲気、接客などを通じた「体験」についてもブランドを成立する要因だと考えるようになります。こうした考え方は、1999年にバーンド・H. シュミット(コロンビア大学ビジネススクール教授)が提唱しています。スターバックスを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
ああ、なるほど。スターバックスといえば、緑のロゴマークだけでなく、店舗に行ったときの「らしい雰囲気」が漂っていますよね。
もう1つ押さえておいてほしいのが、ブランドを考える場合、その商品やサービスにとって認知的ブランドと経験的ブランドのどちらを訴求すると、より伝わりやすくなるかを判断することです。例えば、ビールや清涼飲料水なら前者の訴求が伝わりやすそうですし、利用を通じての体験が肝のサービスだと後者の訴求が向いていそうです。
認知的ブランドか経験的ブランドか、どちらが対象の核心をつきやすいかを判断できると、「ブランド作り」がしやすくなるのです。
プロジェクトのスタートではこうしたちょっとしたお勉強をしながらプロジェクトを進めるのも私たちの特徴かもしれません。ですので、「イイから早く答えを!」とご要望のクライアントさんには向いていないかもしれませんね。
次回は・・・
ブランドには「認知的ブランド」と「経験的ブランド」の2側面があることを紹介してきました。次回は、「経験的ブランド」の作り方について、当時のプロジェクトを参考に、当時の資料を参照しながら解説します。