1分で用語解説:VUCA

VUCA(ブカ or ブーカ)とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの単語の頭文字をとった言葉。
VUCAワールド、VUCAな時代と言ったように、現代の予測困難な状況や、変容し続ける複雑な世界や時代を表す際に使われている。

(-) 状況把握・状況理解 (+) | ||
(+) 行 動 の 結 果 や 予 測 (-) | Complexity(複雑性)特徴:多くの要素や要因が絡み合っている状態で、単純には解決せず、対応するのに時間や工数がかかる。例:グローバル企業の国別対応等 対処法:複雑さに対応するための適切なリソース(専門家の招聘・個別の開発等)を再構築する。 | Volatility(変動性)特徴:事態は予期せず発生し、問題の継続期間は不明確だが、課題が明確で理解することは出来る。例:自然災害で流通が止まり価格が変動する等 対処法:余裕をもった準備や、在庫の備蓄や人員を確保する。 |
Ambiguity(曖昧さ)特徴:因果関係が完全に不明。前例が存在せず、「未知の未知」に直面。例:未成熟な市場への進出や、革新的な新製品の発売等 対処法:仮説検証の為のテストを行う。テスト結果から得られた教訓から学ぶ。 | Uncertainty(不確実性)特徴:基本的な原因と結果が分かっているが、情報が不足している。例:競合他社の製品発表等 対処法:情報収集と情報の分析により不確実性を減らしていく。構造的な変化とも合わせて行うのが効果的である。 | |
HBR『What VUCA Really Means for You』よりマーケの強化書 日本語意訳 |
状況の理解や把握(-)、行動の結果や予測(+) |
Complexity(複雑性)特徴:多くの要素や要因が絡み合っている状態で、単純には解決せず、対応するのに時間や工数がかかる。例:グローバル企業の国別対応等 対処法:複雑さに対応するための適切なリソース(専門家の招聘・個別の開発等)を再構築する。 |
状況の理解や把握(+)、行動の結果や予測(+) |
Volatility(変動性)特徴:事態は予期せず発生し、問題の継続期間は不明確だが、課題が明確で理解することは出来る。例:自然災害で流通が止まり価格が変動する等 対処法:余裕をもった準備や、在庫の備蓄や人員を確保する。 |
状況の理解や把握(-)、行動の結果や予測(-) |
Ambiguity(曖昧さ)特徴:因果関係が完全に不明。前例が存在せず、「未知の未知」に直面。例:未成熟な市場への進出や、革新的な新製品の発売等 対処法:仮説検証の為のテストを行う。テスト結果から得られた教訓から学ぶ。 |
状況の理解や把握(+)、行動の結果や予測(-) |
Uncertainty(不確実性)特徴:基本的な原因と結果が分かっているが、情報が不足している。例:競合他社の製品発表等 対処法:情報収集と情報の分析により不確実性を減らしていく。構造的な変化とも合わせて行うのが効果的である。 |
HBR『What VUCA Really Means for You』よりマーケの強化書 日本語意訳 |
VUCAに対応するために、OODAループ(Observe、Orient、Decide、Act)や、VUCA prime(Vision、Understanding、Clarity、Agility)をあげるものもいる。
もう少し踏み込んで、VUCAが使われるようになった起源は?~1分を超えて解説!
VUCAは元々は軍事用語とされるが、2011年頃のアメリカのカンファレンスで発言※1されています。
日本でも、2013年日本能率協会マネジメントセンターから出版されたボブ・ヨハンセン著『未来を創るリーダー10のスキル 不確実性の時代を生き抜く新たな人材の条件』の帯に
これからのVUCAな世界では従来型のリーダシップスキルでは生き残れない!
未来を創るリーダー10のスキル 帯の説明より
Volatility(不安定),Uncertainty(不確実),Complexity(複雑),Ambiguity(曖昧)
の記述があり、2014年には雑誌やシンポジウムでも使われていたようです。※2(マーケの強化書編集部調べ)
初期のVUCAの説明でVolatilityは、(変動性)ではなく(不安定)の表記もいくつか見受けられます。
参考文献
・VUCA|英語版ウィキペディア
・What VUCA Really Means for You|Harvard Business Review
・令和3年度産業経済研究委託事業(創造的思考及び創造的態度に関する調査研究)報告書
VUCA初出確認資料(マーケの強化書編集部調べ)
※1
・2011年6月1~3日スコッツデールで開催されたガートナー サプライ カンファレンスの基調講演にて、ガートナーのジェーン・バレット氏はVUCAを紹介。
https://www.kinaxis.com/ja/node/1706
・2011年10月21日開催されたANAのマスターズ オブ マーケティング カンファレンスにて、クラフト社ディナ・アンダーソン氏もVUCAを引き合いに出す。
https://www.forbes.com/sites/jenniferrooney/2011/10/22/employee-empowerment-risk-taking-top-takeaways-from-ana-conference/
※2
・株式会社野村総合研究所の刊行物である『知的資産創造』2014年8月号
『不確実な時代における事業ポートフォリオ管理のあり方』
・DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビューの2014.08.13公開の記事
『VUCA世界の容赦ないプレッシャーからリーダーが自分の身を守るには 世界のリーダーに求められるセルフ・マネジメント(第1回)』
・2014年11月8,9日一橋大学で開催された経営行動科学学会シンポジウムにて、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社の島田由香氏も言及
『人事管理研究とダイバーシティ・マネジメント』
※その他
・2012年05月16日 株式会社コーチ・エィ 伊藤守氏のビジネスコラムより
『上が変われば、組織は変わる | Hello, Coaching!』 ~VUCA environmentというものだそうです~