『リキッド消費』について調べてみた!
知りたい言葉があれば目の前のスマホやパソコンが教えてくれる昨今、検索結果を見て満足してませんか?
引用や出典も含めて調べはじめると、時間がかかりますよね?そんな面倒な作業をあなたに代わって調べてみました。その調べたことを『いらすとや』さんのイラストを使って図を作ってみました。
マーケティング用語を簡単に説明している1分で用語解説はコチラから
リキッド消費とは?
リキッド消費とは、一時的な使用権のみで、デジタル化されより物質が少ない消費。
今までの物質の所有、モノに固執していた消費と比べ、生活にデジタルテクノロジーが浸透することにより、現在はコト消費への興味関心が移ってきている。『ファッションサブスクで借りた服を着て、音楽配信サービスによりCD等の音源を持たずに曲を聴き、シェアサイクルで移動する。物品の購入はCtoCで二次販売することを意識してスマホでポチる。』そこまではなくとも、生活にリキッド消費は身近にある。
すべての購買・所有がリキッド化(流動化・液状化)するとは言っていない。ソリッド消費とリキッド消費を両極の軸として、移り気でつかみ所のない消費者を理解していくための概念である。
もっとリキッド消費を学ぶ!!
【リキッド消費】で検索するとヒットする青山学院大学 久保田研究室。 久保田進彦先生は、2013年4月から青山学院大学 経営学部 マーケティング学科で教授をされています。
久保田先生が、2020年に日本マーケティング学会 『マーケティングジャーナル』で発表されている論文が2本あります。
『マーケティングジャーナル』第39巻 第3号
・久保田進彦(2020)「消費環境の変化とリキッド消費の広がり: デジタル社会におけるブランド戦略にむけた基盤的検討」
・久保田進彦(2020)「デジタル社会におけるブランド戦略: リキッド消費に基づく提案」
上記論文の“消費環境の変化とリキッド消費の広がり”のなかで
リキッド消費という概念は,Bauman(2000)が提示したリキッド・モダニティという考え方に依拠している。Bauman のリキッド・モダニティ論では,後期近代(late modernity)の特徴として変化と不安定性が強調され,社会全体が流体的なものとなりつつあることが指摘されているが,Bardhi and Eckhardt(2017)はこうした変化をもたらす大きな要因の 1 つとしてデジタル化があるとしている・・・
消費環境の変化とリキッド消費の広がり
と説明されています。つまりジグムント・バウマン(Zygmunt Bauman)という社会学者さんがリキッド・モダニティという考え方を提示(日本では2001年『リキッド・モダニティ 液状化する社会』が大月書店より出版)され、イギリスの二人の女性、フルーラ・バーディ(Fleura Bardhi)さんとギアナ・エカート(Giana M. Eckhardt)さんが2017年に『Liquid Consumption』を発表しています。
リキッド消費とは、「短命で(ephemeral)、アクセス・ベース(access based)で、脱物質的(dematerialized)な消費」(Bardhi and Eckhardt 2017, p. 1)と定義される。
青山学院大学 久保田研究室 リキッド消費
と書かれているように、リキッド消費は、『リキッド消費≧アクセスベース消費』、『リキッド消費≧シェアリング』といった新しい消費形態を包括する言葉の定義ではなく、これからも技術やサービスの進化によって変化し増えていく様々な消費スタイルが、リキッド消費(短命で、アクセス・ベースで、脱物質的な消費)に当てはまり、そんな消費スタイルが今後も増えていくだろうと思われます。
是非、リキッド消費について深く学びたい方は、上記の論文や資料にあたってみてくださいね。
私も『Liquid Consumption』を、翻訳ツールを使いながら読んでみましたが、久保田先生の論文やサイトを読む方が私には合っていました、はい。