サービスが老化する?長期間サービス提供している企業にありがちな『老舗病』への3つの処方箋
「継続は力なり」と申します。同じサービスを長く続けていると、知見がたまってより良いサービス提供ができたり、お客様との関係性向上を図ってより深いつながりを作ることができますよね。「長く続ける力」は大変なエネルギーが必要で、そこをクリアしてきたからこその「力」があります。
しかし反面、経年が進むと成長とともに「サービスの老化」がついて回ります。「サービスの老化」とは、想定していたターゲットが年齢を重ね、新しい価値観を持ったお客様に対して、長年続けてきたサービスがいつの間にか刺さらなくなる状態のことを指します。私たちはこの「サービスの老化」のことを、長年同じサービスを続けてきた企業にありがちな問題ということで『老舗病』と呼んでいます。
老舗病ってなに?
サービス開始当初には様々なプロモーションを行い、サービス利用者を大量獲得して、順風満帆にスタート。その後も新規客を定常的に獲得していても、徐々に『老舗病』の症状が出てくるようになります。
『老舗病』の症状
- 「ターゲット」と「提供サービス」にギャップが生まれる
- 昔の成功パターンにとらわれがちになる
- 新規客や見込客への説明が薄くなっていく
長い間サービスを展開すると、新しい世代の価値観に合わなくなくなる場合があります。また、社内的にもこれまでの成功体験から抜け出すことができずに従来の考え方とやり方にこだわるようになってしまいます。特に『老舗病』は、下記のような特徴を持った企業に表れやすくなります。
『老舗病』にかかりやすい企業の特徴
- 昔、一気にお客様が増えた時期がある
- 何年も利用してくださっている既存客が多い
- 気が付いたら、いつのころからか離脱が増えている気がする
- 既存客の客層の調査を何年もやっていない
- 最近、新規客が少ない
- 社内のメイン担当者が昔からあまり変わらない
思い当たるところはありますか?今回はこの「老舗病」の対処法について解説していきます。
継続してくれているお客様も歳を取る⇒ターゲットの老化
サービスは変わらないのに、いつの頃からか微妙にサービスからの離脱や休眠が増えている。そう感じたら、ぜひ客層の調査をしてみてください。
何年も続く継続サービスで、昔大型プロモーションをやって、その時一気にお客様を獲得している場合に見られがちなのが、「ターゲットのズレ」です。例えば、年齢が一番わかりやすいのですが、獲得時期から数年経てばお客様も年を重ねるのは当たり前のこと。しかし、それはつまり長く続けてくださるお客様はサービスのターゲット層から外れることを意味します。
「ターゲットのズレ」を調べる時にまず確認するのは、自社のサービスが「既存客に支えられている」のか「新規客に支えられている」のかです。新規客に支えられているような「顧客の新陳代謝」が活発なサービスならば、ターゲットも大きくずれないでしょう。しかし既存客に支えられているサービスの場合、サービスのターゲットと実際の利用者がズレていき、サービスからの離脱や休眠客が年々増えていく結果につながりやすくなります。
●「ターゲットのずれ」に対する処方箋
『顧客調査と見込客のターゲット設定の見直し』
見直した結果、ズレていることが発覚した時にできる対策としては2つ考えられます。
(1)ターゲットは変えず新規客獲得に注力
(2)ターゲットにあわせたサービスへの方向転換
どちらも大変ですが、どちらもしなければお客様は離れる一方かもしれません。
時代に合ったサービス提供できてますか?⇒提供サービスの老化
日々進化するこの世の中。昔の成功パターンは通用しないこともあります。
「競争相手の増加拡大」「市場の変化」「テクノロジーの進歩」「顧客ニーズの移り変わり」「クリエイティブのトレンド」等々、サービス開始当初は最新だった知識も古びれて、お客様の求めるものも変化していきます。当時イケていたクリエイティブも5年、10年と経てば古臭いイメージになるでしょう。競争相手もいつの間にか増えて差別化が難しくなっていきます。
●提供サービスの老化への処方箋
新しいものへのアンテナを張る
時とともに移り変わる情報は常にチェックして対応してこそ、サービスの新陳代謝が行われます。一見関係ないかも知れない情報も新しいアイデアにつながるかもしれません。日常の業務に追われることが多いでしょうが、新しいものと触れ合う時間は確保したいですね。
その感覚とターゲットの感覚あってますか?⇒感覚の老化
長く一つのサービスを続けていると新鮮な目が失われて、何も知らない新規客や見込客にも、つい「そのくらいわかるでしょ?」と思いがち。特に同じ担当者がずっと一つのサービスの提供をしていると、担当者がサービスに慣れてしまい、「そのくらいわかるでしょ?」が生まれがちです。「説明が薄くても使いこなせるサービス」は理想ですが、実際問題難しいのではないでしょうか。自分がわかっても新規客や見込客がわからないのでは、意味がありません。
●慣れが生み出す感覚の老化への処方箋
「はじめまして」の視点を持ったサービス運用
何も知らない「はじめまして」の人が、入り込みやすいアテンドをつけてあげることで、提供するサービスへのハードルを下げることが可能です。提供するサービスの魅力を伝えるわかりやすい説明を常に心がけましょう。
老舗病への3つの処方箋
ターゲットのズレや、成功パターンへの依存、サービスを提供する事への慣れ、こんなものたちが生み出す『老舗病』。これを打開するためには、移り変わりの激しい時代に対応した、「変化する力を持ったサービス」を提供し続けていくことが大切です。大変基本的なことですが、今回ご紹介した3つの処方箋をぜひお試しいただければ幸いです。
(1)顧客調査と見込客のターゲット設定の見直し強化
(2)新しいものへのアンテナを張る
(3)「はじめまして」の視点を持ったサービス運用
「もしかしたら老化が始まっているかも?」と感じることがあったら、息の長いサービス提供ができるように、3つの処方箋でサービスのアンチエイジングを始めてみましょう!