あなたもHubSpotマスター!(10)メールの自動化、独自のシンプルなワークフロー [後編]
前編『(9)シンプルなワークフロー』では、推奨されているシンプルなワークフローの解説とHubSpotでのメール配信時のセオリーについて考えてみました。後編の今回は独自のシンプルなワークフローについて御紹介します。この機能をつかったシンプルなワークフローの活用についてもお伝えしていきます。
- 目次
独自のシンプルなワークフロー
では推奨ワークフローではない、独自でカスタム設定が可能なワークフローはどれだけの自由度があるのでしょうか?トリガーとアクションの設定を確かめてみましょう。
推奨がコンタクトが【Eメールのリンクをクリックした】に限定されていたのに対して、こちらでは8種類のトリガーから選択が可能です。
アクションの方は、【静的リストに追加】以外も充実しており、7種12項目となっています。(2022年7月現在)
これだけ自由度が高いとワークフローで悩んでしまうとお思いかもしれませんが、従来のワークフローと違い、条件分岐が出来ず、トリガー毎にアクションを設定していくシンプルな設計です。
従来の自動化 ワークフローであれば
[トリガー]メールを受信した
[アクション]○○○A1○○○
┗【条件分岐】
├ [トリガー]メールを開封した
└[アクション]○○○A2○○○
┗【条件分岐】
├ [トリガー]リンクをクリックした
└[アクション]○○○A3○○○
┗【条件分岐】
├ [トリガー]メールを返信した
└[アクション]○○○A4○○○
上記のように1つのワークフローのなかで条件分岐をしていき、各トリガー(分岐条件)毎にアクションを設定していました。
メールの独自のシンプルなワークフローでは、
[トリガー]メールを受信した
[アクション]○○○A1○○○
[トリガー]メールを開封した
[アクション]○○○A2○○○
[トリガー]リンクをクリックした
[アクション]○○○A3○○○
[トリガー]メールを返信した
[アクション]○○○A4○○○
と複数ワークフローを個別に設計し、それぞれ個別のトリガーが、メールに対してアクションを実行します。
当初、私は『シンプルなワークフローのリンクをクリックは、特定のリンクの指定が出来ず、使い勝手が悪いのでは?』というネガティブな印象も抱いていましたが、
メールの作成:複数ではなく1つの提案や1コンテンツのメールを作成する
ワークフロー:リンクをクリックしたコンタクトを、静的リストに登録する
ワークフロー:配信を解除したコンタクトを、静的リストから削除する
と言うように、メールの作成方法とシンプルなワークフロー2つをセットで考えれば、色々とメール配信後の施策の利用にも見えてきそうです。条件分岐も複雑なトリガー設定も出来ないので使い方は限定されますが、クリックしてくれた人や返信してくれた人に対して
・広告配信の対象者に設定
・ステップメールを配信
・他部署と共有
・タスクと関連づけてアウトバウンドコール(営業電話)を実施
・メールのクリックや返信による取引パイプラインの推進
と言ったことが可能でしょう。
作成するメールすべてに自動化、シンプルなワークフローを組む必要はありませんが
・メールによる新規キャンペーンの実施時
・セミナー実施後など、営業リストへメール配信時
・会社概要やサービスメニュー等の特定の資料送付時
には使えそうです。
あなたならどのようなワークフローを組まれるでしょうか?ぜひ新しい機能を活用してみて下さい。
このワークフローはどこに保存されるの?どうやって消すの?どうしたら実行されるの?
従来のワークフロー([自動化]→[ワークフロー])を見ると、ワークフローがタブで分類されています。
そのタブの中に[他のツールで作成]というタブをクリックしてみてください。
初めて見た時には『他のツール=HubSpot以外のツール???』と思いましたが、この[他のツールで作成]のタブのなかに、フォームやメール作成時に設定したシンプルなワークフローの一覧が表示されています。
シンプルなワークフローは、従来のワークフローの一覧には表示されますが、ここからは編集も削除も出来ません。
シンプルなワークフローは、そのワークフローを設計したメールから編集や削除を行います。
またワークフローが不要になった時は、[アクション▼]をクリックして[ワークフローを削除]を選んで消しましょう。
今後、仕様は変更されるかもしれませんが、私が確認したところ
・メールを複製しても、シンプルなワークフローは複製されない
・メールを削除したら、シンプルなワークフローも削除される
・シンプルなワークフローがOFFのままでもメールは配信可能
(シンプルなワークフローはメールに紐づいているが、ワークフローは実行されない)
となっています。
メール配信前にワークフローはONに
[アクション▼]の隣の[OFF]をクリックするとポップアップが出てくるので[OK]を押すと、ワークフローが開始され[ON レ]の表示になります。
せっかくシンプルなワークフローをメールと一緒に作成しても、ワークフローをONにしないとワークフローは実行されませんので、メール配信前にワークフローをONにするのをお忘れなく!!!
シンプルなワークフローまとめ
いかがだったでしょうか?(8)フォームでのシンプルなワークフロー、メールでのシンプルなワークフローを(9)前編(10)後編で解説してきました。
シナリオを組み慣れている方は『そんな機能なんだね』と思われただけかもしれませんが、Starterの方には是非、マーケティングオートメーションのオートメーションの部分を体感していきましょう。
そしてなによりも、フォームとワークフロー、メールとワークフローと、シンプルなシナリオが結びつくことにより、
・フォームの自動返信メールの送信は、シンプルなワークフローで組む
・新規の単発メールキャンペーンや資料送付は、シンプルなワークフローを組む
・条件分岐のある複雑なシナリオは、従来の自動化 ワークフローで組む
といったワークフローの棲み分けが出来るようになるかと思います。
シンプルなワークフローは担当者、現場レベルでも扱えるように権限を与えることにより、チーム全体でのシナリオ設計力、ワークフローの活用度も上がってくると思います。
シンプルなワークフローを足がかりに、少し敬遠されがちなシナリオ設計、ワークフロー作成も身近になっていくことでしょう。
また、HubSpotで新しい機能の使いこなしが分かりましたら、お伝えしていきますね。