あなたもHubSpotマスター!(7)HubSpotのスコアリングを使う

HubSpotマスターを目指して、HubSpotとZoomの連携を軸にお伝えしてきた連載ですが、ウェビナー連携の話題は一旦終えて、本日はHubSpotのスコアリングについてお伝えします。
リードコンタクトの優先順位をつけるために、スコアをどのように設定すべきか、一緒に考えていきましょう。
HubSpotのスコアリングプロパティーの設定方法を押さえよう
カスタムプロパティーが最大1000件という上限があるように、スコアリングも無制限に作れるわけではありません。
HubSpotのMarketingHubでも、コンタクトのスコアリングプロパティーの上限は5件ですので、コンタクトとは別枠で、会社スコアリングも併せて上手に活用していきたい所です。
HubSpot コンタクトのスコアリングプロパティー上限数
無料/Starter・・・0件
Professional・・・ 5件
Enterprise・・・・25件
2021年12月現在。HubSpot製品・サービスカタログ より
スコアリングプロパティーの作り方は、プロパティーの作成と前半はほぼ同じになりますが、手順を押さえておきましょう。※プロパティー作成の詳細はこちらも。

右上の[歯車マーク(設定)]→
左サイドバー[プロパティー]→
【プロパティーを作成】ボタンをクリック。
基本情報設定
・オブジェクトタイプは[コンタクト]
・該当するグループを選択
・ラベルで名前を付ける
【次へ】ボタンをクリック。
フィールドタイプは[スコア]を選択し、
【スコアを作成】ボタンをクリック。
プロパティーの基本情報設定後のスコアを作成がスコアリングの肝となります。

スコアを設定する画面をみても分かるように、
- 加算していく正のスコア条件
- 減算していく負のスコア条件
の設定が可能です。
何をスコアリングするべきか?
自社の商品やサービスの購入検討をしている見込み客を見極めるのは難しいものです。
料金表を見たら・・・解約条件を確認したら・・・資料請求をしたら・・・
様々な条件は考えられそうですが、1つのスコアでリードクオリフィケーション(見込み客の選別)が行えると考えるのは危ういのではないでしょうか。コロナ禍でデジタル化が進み、商品やサービスの選定プロセスに変化もあるでしょうし、予算確保が難しく導入検討は慎重になり、検討期間は中長期化しているかもしれません。
1回で正解を導き出すのではなく、見込み客から顧客に至るゴールデンルートを見つけるための1つの要素としてスコアを捉え、様々な仮説から適切な値が見いだせるようにトライ&エラーを試みていくといいでしょう。
具体的にスコア条件を考える上では、
・購入に至った既存顧客の行動を逆算する
・営業担当者にヒアリングを行う
・自分が顧客だとしたら推測してみる
等といったことや、正ではなく負のスコア条件に着目し、
・購入には至らない反応(○年以上サイト非来訪・○年以上メールの未開封 等)
・こちらからアプローチを行わない条件(セミナー申込者&非参加者 等)
を明確にしていきましょう。
こちらからアプローチ行わないセグメント(同業者やパートナー、既存顧客と同じ部署、採用関連のコンタクト等)は、負のスコア条件ではなく、スコア値を算出した後にリスト化する際に除いても良いかもしれません。
スコアリングを行っていない場合は、まずスコア値を作ってみる。スコア値を設定している場合は、それぞれのスコア値の精度を高めるために時々見直しを行うことが必要です。
マーケの強化書的スコアリング事例
マーケの強化書でもスコアを使っています。そのなかから2つを活用事例としてご紹介します。
スコアリング活用事例1:Recency(最新閲読日)を探る
スコアリングは加点方式で最新来訪者のスコアが高くなるように設定します。
スコア条件
+1:30日内にページビューがある
+1:90日内にページビューがある
+1:180日内にページビューがある
+1:365日内にページビューがある
+1:ページビューがある
コンタクトのスコア値
5点:30日以内に来てくれた人
4点:90日以内に来てくれた人
3点:半年以内に来てくれた人
2点:1年以内に来てくれた人
1点:サイトへの来訪経験がある人
0点:サイトへ来訪したことがない人

記事更新やコンテンツ提供を行うことによって情報発信しているマーケの強化書としては、名刺交換やセミナー参加者で、リストにしかデータがないコンタクトは0点となっています。
ビジネスによっては、期間の設定をもっと細かくスコアリングしても良いかもしれません。また、このRecency(最新日)を軸にし、Frequency(頻度)の情報を加えることにより、スコア値の精度を高めることが出来るでしょう。
スコアリング活用事例2:コンバージョンの内訳も一緒にカウントする
次は、コンタクト個別のスコア値だけでは意味を見いだせませんが、全体値(合計値)の桁数を使って、月間のコンバージョン値とその内訳を確認する方法です。
スコア条件
+1:月内にページAでメルマガ登録した
+1,000:月内にページBでメルマガ登録した
+1,000,000:月内にメルマガ登録した
コンタクトのスコア値 合計
MMM,BBB,AAA
例 50,010,020
今月メルマガ登録した人は50名、そのうち、ページAは20名、ページBは10名
※特定ページのコンバージョンが1カ月に1,000を超える場合は、上記のスコア条件の値設定ではNG。

スコアの数値を自由に設定できるからこその使い方になります。
スコア=重みづけという考え方の枠を超え、1桁1桁に意味付けを行い、01011といったようにフラグを立てるといった設計も可能です。
いかがだったでしょうか。スコアリングには【この設定をすれば良い】といった共通の答えはないように思います。しかしそのスコアリングを設定する思考過程は、マーケティングプロセスに近いものがあるのではないでしょうか?
スコアリングを見直すことで、今後のマーケティングの見直しに繋がっていくヒントが隠れているかもしれません。HubSpotの機能としても積極的に使っていきましょう。
もっとHubSpotを知りたいならコチラもご確認ください。
