「ポストコロナを考える」マーケティング会議 第4回
電通西日本の情報サイト「エリアシ」と「マーケの強化書」共同相互連載、「ポストコロナを考える」マーケティング会議。
- 第1回目:すべてのことが当たり前で無くなった今。不確実な時代に合わせた「実践的提案」をクライアント企業へ届けることが私たちの使命。
- 第2回目:コロナの与える影響。顧客接点のデジタルシフト。
- 第3回目:営業プロセスのデジタルシフトとインバウンドマーケティング
第4回目となる今回は「マーケの強化書」から『B2Cのビジネスにおける顧客体験設計とDECAXモデル』についてお伝えいたします。
小西 一樹
株式会社電通西日本
コミュニケーションプランニングセンター データドリブンマーケティング部部長
友田 泰司
株式会社電通西日本
ダイレクトビジネス推進室室長
山本 知拓
株式会社ジェネシスコミュニケーション
執行役員
B2Cのビジネスモデルの違いによる変化への対応
山本
ポストコロナを考えるマーケティング会議も最終回です。
今回は、B2Cビジネスの変化にどう対応していくか、その考え方について話していきたいと思います。
顧客との距離感をどのように捉え、どのように継続的なコミュニケーションを作り続けるかであるとか、偶発的な購入も含めて複数回の購買機会をどのように作ることができるか。といったお話をしたいです。
友田
B2Cでは、店舗やインターネットなどで直接顧客との接点があり、自社で販売までできるビジネスモデルの場合と、小売店・販売店を通じて自社製品やサービスを提供するビジネスモデルとでは、かなり取り組み方が違ってきますね。
山本
ビジネスモデルによって取り組み方は違うでしょうね。ただ、いずれの場合でも、消費者行動をDECAXモデルで表してみると、自社型モデルなら全プロセス、小売店型なら自社で中心とすべきプロセスや小売りと組んでおこなうべきプロセスなのかが、はっきりと把握できるようになると思います。
消費者行動をDECAXモデルで
小西
従来の消費者行動モデル(AIDMAやAISASに代表されるモデル)では、基本的に広告起点、広告が出発点となる考え方でした。
しかし、生活者がインターネットで検索してウェブサイトにアクセスしたり、動画やSNSのタグからアクセスしたり、多様化する集客手法に合わせて考えると、「行動をつくる」ためにDECAXモデルの有効性がわかります。
山本
DECAXで自社のビジネスを整理していくことで、顧客への新しい刺激手法やタイミングに気づけたりすることも多いですね。顧客体験の設計には大きな武器になってきていると思います。
企業が勝ち残って行くためには、顧客体験を高い次元で提供していくことができるか、どのような接客を顧客が望むのか、その接客を選択してもらうタイミングや内容も含めて考えることが出来そうです。
顧客体験や共感を考慮したコミュニケーション設計を
友田
通販などのダイレクトビジネスの経験からお話しすると、
消費者の共感をいかに得ることができるのかということが非常に大事だと考えています。
検索されるワードも、お客様に共感されやすい言葉であることも多いので、共感されるキーワードをいかにウェブサイトのコンテンツとして用意しておけるかが、具体策としてはとても大切ですね。
小西
OMO(online merged offline)など、オンラインとオフラインを融合させるような顧客体験の設計も必要になってきました。
例えば、顧客との距離感(engage)によって、メルマガの種類を変えるとか、キャンペーンの組合せを変えていく設計の必要があるわけです。
様々なデータを活用して、顧客とのコミュニケーションを多様化していく必要があるわけですが、より設計が複雑になるため、クライアント企業の業務負担はますます大きくなりそうです。
山本
コミュニケーションの複雑化は、MAや接客ツールの導入によってシステム的に対応することも可能です。KARTEに代表されるウェブ接客ツールや、MAによる継続的なコミュニケーションツールなどから適切なものを選びたいですね。
ネームバリューでツールを選んでしまうと、やりたいこと、今のレベル感とあっていないがゆえにそのプロジェクト自体が悲惨なことになるケースも多いですし。
友田
そうですね。山本さんのおっしゃる通り、コミュニケーションツールの導入は機能に目先が行きがちですが、大切なのはその使い方・設計です。
ツール選定に合わせて、自社ビジネスと顧客をしっかりと理解してくれるマーケティングパートナーが必要ですね。私たちもその期待に応えられるように準備をしていきます。
連載はいかがだったでしょうか?ご愛読いただき有難うございました。
■ポストコロナを考える マーケティング会議 3回目(電通西日本エリアシ内に掲載)■
【営業プロセスのデジタルシフトとインバウンドマーケティング】はこちらから >>