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優れたミッションビジョンバリュー(MVV)の作り方~組織全体にエネルギーを与えるMVV開発~

企業のミッション、ビジョン、バリュー(MVV)はその企業のDNAです。その企業が何をするのか、なぜそれをするのか、そしてどのようにそれを達成するのかを示すものです。では、優れたMVVを作るためにはどうすればいいのでしょうか?

目次

事例から自社の本質的価値を表現しているか学ぶ

学ぶべき事例の研究は、自社のMVV作りの非常に重要なステップです。既に成功を収めている企業のMVVを見ることで、その企業がどのようにミッション、ビジョン、バリューを定義し、それをビジネスの中核に据えているのかを理解することができます。

それぞれの企業が独自のビジョンとミッションを持ち、それぞれが異なる価値観を持っていることを理解することが重要です。その企業がどのような価値を提供し、どのような影響を社会に与えたいと考えているかを示しています。したがって、他の企業のMVVから学ぶことで、自社の存在意義や目指すべき未来、大切にすべき価値観を鮮明にイメージすることができると思います。

他の企業から学ぶことと、自社の独自性を保つことのバランスを保つことが求められます。それは、MVVが組織の本質を表すものであるべきであり、それが企業の成長と進化にとって基本的なフレームワークになるからです。世界的に有名な企業の事例をいくつか見てみましょう。先行する優れた事例から学ぶことは大いに有益です。ここでは、Googleやスターバックスなどの世界的な企業のMVVを見てみましょう。

Google

Googleのミッションは、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がそれをアクセスし使えるようにする」です。このミッションはGoogleの基本的な目標と企業活動の中心的な目的を表しています。

まず、「世界中の情報を整理し」は、Googleの主要な活動であるウェブ検索に関連しています。Googleの検索エンジンは、インターネット上の膨大な情報を効率的に整理し、ユーザーが求める情報を瞬時に提供することを目指しています。また、この部分はGoogleのその他の製品やサービス、例えばGoogleニュース、Googleマップ、Googleブックスなども包含しています。

次に、「世界中の人々がそれをアクセスし使えるようにする」は、Googleがその技術を用いて情報のアクセシビリティを改善することを目指していることを示しています。これは、Googleの製品やサービスが多くの言語で利用でき、さまざまなデバイスでアクセスできるように設計されていることを反映しています。

このミッションはGoogleが情報技術の分野で独自の地位を確立するための指針となっており、そのビジョンと戦略を形成する基盤となっています。また、このミッションはGoogleが社会に対して果たすべき役割と、その製品とサービスが人々の生活にどのように影響を与えるかについてのビジョンを明確に示しています。

スターバックス

スターバックスのミッションは「人々の心を豊かで活力のあるものに。ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」です。

またバリューは「私たちは、パートナー、コーヒー、お客様を中心とし、Valueを日々体現します。お互いに心から認め合い、誰もが自分の居場所と感じられるような文化をつくります。勇気を持って行動し、現状に満足せず、新しい方法を追い求めます。スターバックスと私たちの成長のために。誠実に向き合い、威厳と尊敬をもって心を通わせる、その瞬間を大切にします。一人ひとりが全力を尽くし、最後まで結果に責任を持ちます。私たちは人間らしさを大切にしながら、成長を続けます」とあります。

このバリューから、スターバックスが単にコーヒーを提供するだけでなく、顧客の生活に対する豊かさと驚きを提供することを目指していることがわかります。

このようなMVVは、これらの企業が自身の存在意義を明確にし、従業員に対する指針を提供し、顧客に対する約束を宣言しています。それでは、優れたMVVを作るための具体的なステップについて見てみましょう。

優れたMVVを作るための6つのステップ

ビジネスの成長を目指す上で、企業のミッション、ビジョン、バリュー(MVV)はその基盤となる要素です。これらは、組織の目指す方向性を示し、その価値観や目標を従業員や利害関係者に伝えます。この記事では、優れたMVVを作るための6つのステップを紹介します。

優れたMVVを作るための6つのステップ。自己理解を深める、ステークホルダーの意見を集める、ミッションを定義する、ビジョンを描く、バリューを明確にする、MVVを広める
ステップ1:自己理解を深める

はじめに、自社の存在意義、目指すもの、価値観を深く理解することが重要です。どのような問題を解決しようとしているのか、何が自社の特長であり、どのような価値観を共有しているのかを明確にしましょう。

ステップ2:ステークホルダーの意見を集める

次に、ステークホルダー(従業員、顧客、パートナーなど)の意見を集めます。彼らの視点から見た自社のミッション、ビジョン、バリューは何かを理解し、それをMVVの作成に役立てます。

ステップ3:ミッションを定義する

自社が存在する理由、つまりミッションを定義します。ミッションは短く、具体的で、かつ感動的なものであるべきです。これは自社が達成しようとしている目標を反映しています。

ステップ4:ビジョンを描く

ビジョンは自社の未来像を描くものです。これは、ミッションを達成したときの世界を具体的にイメージすることで作成します。ビジョンは、従業員が働く意欲を喚起し、顧客にとっても魅力的なものであるべきです。

ステップ5:バリューを明確にする

バリューは、自社の行動指針や意思決定を形成する基本的な価値観です。これは自社のアイデンティティを示し、一貫した行動を促します。また、バリューは、組織内部の人間関係やチームワークを強化する役割も果たします。

ステップ6:MVVを広める

最後に、作成したMVVを従業員やステークホルダーに共有し、理解と共感を得るための努力が必要です。これは組織のカルチャーを形成し、一貫した行動を促します。

この6つのステップは、組織の価値を明確にし、方向性を示し、強力なカルチャーを作り出すのに重要な役割を果たしてくれるはずです。

MVVに魂を込める

MVVを作る上で最も重要なことの一つは、その言葉に”魂”を込めることです。つまり、企業の本質を具現化した言葉であり、その核となる価値観を表現するものでなければなりません。MVVは単にビジネスのガイドラインやスローガンではなく、企業の魂、つまりその本質を示すものと捉えるべきです。

魂を込めたMVVは、組織全体のエネルギーを引き出し、一貫した行動と判断を促す力を持ちます。それは、従業員が仕事に対する情熱を感じ、一体感を持つための源泉となります。

さらに、魂を込めたMVVは、企業が顧客に対してどのような価値を提供するのか、どのような影響を社会に与えたいのかを明確に示します。これは、顧客や他のステークホルダーが企業と関わる理由を明確にし、企業との深いつながりを築く助けとなります。

つまり組織の価値を明確にし、方向性を示し、強力なカルチャーを作り出すのに重要な役割を果たすのです。そして何より、MVVに魂を込めることで、それが単なるスローガンでなく、企業の成長と進化にとって基本的なフレームワークとして機能してくれるはずです。


杉田

執筆者:杉田裕一

式会社ジェネシスコミュニケーション
代表取締役社長/マーケティングコンサルタント


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株式会社ジェネシスコミュニケーション

ジェネシスのマーケティングプロフェッショナルが編集を担当。独自の視点で厳選した実践的ナレッジをお届けいたします。

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