ビジネスパーソンが悩む SNS運用のコツ!#02 カトウヒカル流 実践的Twitter投稿術
各種のSNSを運用しても、成果につながる手ごたえを持てない運営者、兼任担当者は少なくありません。ここでは、『思わずクリックしたくなるバナーデザインのきほん』の著者であり、Twitterを中心にセルフブランディングを模索しているWebデザイナーのカトウヒカルさんにインタビュー。今回は具体的に、Twitterではどういうアプローチが効果的かを話していただきました。
- カトウヒカルさん「kanvas」として活動中、福岡県在住のWebデザイナー。
著作に『思わずクリックしたくなるバナーデザインのきほん』(インプレス刊) - 田代 靖和株式会社ジェネシスコミュニケーション シニアプロデューサー
「マーケの強化書」編集長
固定ツイートの使い方
田代
今回はもう少し具体的に、長く続けて結果を出されているコツについてうかがっていきます。前回は、カトウさんが試行錯誤してきた話とともに、Twitterのツイートについて「バズを狙わない」「断言しない」といった話も出てきました。その他に、カトウさんがTwitterの運用で意識していること、実践していることは何でしょうか?
カトウ
自分が相手をフォローする時、フォロワーになる時はどういう状態なのか。どこを見たり読んだりして、フォロワーになるかを考えています。例えば、過去のバズツイートがあっても、固定ツイートにはしません。
田代
そうなんですか!バズった証に固定にする感覚がありますが。なぜでしょう?
カトウ
誰かをフォローしようとした時、相手のアカウントページに行くとプロフィールや固定ツイートが一番目に入りますよね? Twitterのプロフィール欄は文字制限があるので、あまり多くを書くことができないんです。そのため、もっと伝えたいことがあれば、例えばメディアのアカウントであればメディアのURLを、自社サービスならサービス情報のトップページのURL、と普遍的に入口になる情報を固定ツイートには置いた方がいいと思っています。
カトウ
あくまでバズツイートは、知ってもらうきっかけです。固定ツイートは、フォローするメリットを感じる相手なのか、フォロワーになるとメリットになる発信源であるかを確認できる情報を記載したいです。
田代
バズの経験があると、つい固定したくなる心理も理解できます。バズという実績を残したツイートですから。
カトウ
バズの事実を知ってほしい場合、固定ツイートではなくある程度フォロワーが増えてきたタイミングでのリツイートがいいと思います。バズはきっかけであって、いつでもどこでも頼りきるのは禁物です。固定ツイートで何度も目に触れさせて、「またか」「それしかないの?」と思われたら、フォローを解除されてしまいますから。
リツイートは2日で削除?!
田代
ツイートの頻度はどうお考えですか?
カトウ
僕の場合は、オンライン講座の情報とデザインテクニックのネタを毎日1回ずつツイートして、そこにイベントに出席したことや日々の活動を加えてつぶやいたり、気になったコメントをリツイートしたり、です。あまり頻度は多くないかもしれません。
田代
もの凄く多く投稿している訳ではないけれど、1日の中で割と頻繁に投稿されている印象はありました。
カトウ
その分という訳ではないのですが、タイムラインは毎日整理しています。フォローを検討する人が自分のアカウントを見た時に、「タイムラインが見やすい状態」を保ちたいからです。例えば、リツイートは2日を目安に削除して、反応が悪いツイートは1週間で削除しています。
田代
ビジネスアカウントで考えると、一度公開したことを削除するのは抵抗がありそうです。
カトウ
新たにフォローしようかどうかを決める際って、その方が普段どのような投稿をされているか気になりますよね。その中で一連のツイートを少し遡るなんて行動をされた方も多いのではないでしょうか。その時、リツイートでタイムラインが埋まっていると、その人のツイートが埋もれて見えず、どういうツイートをするアカウントなのかが伝わりません。常に、自分が発信したツイートがちゃんと確認しやすい状態を保つには、リツイートの整理が必須です。僕の場合、整理を始めてからフォロー率が上がりました。
田代
リツイートが多いアカウントと判断されたら、「フォローしてもリツイートで埋まりそう」と思われそうですしね。
カトウ
逆に反応がいいツイートは無制限に、何度でもセルフリツイートします。
田代
以前からフォローしている人から「何度も同じツイートして……」となりませんか?
カトウ
リツイートの間隔で度を越えなければ、回数を気にする必要はないと思います。数日前なら覚えていても、数カ月前だとまず覚えていないものです。それより、整理せずリツイートしっぱなしの方がダメージは大きいと思うんです。
田代
たしかに、1つのリツイートを細かく覚えてくれている人は、いても相当限られそうですね。逆にそれだけ知ってくれていたらありがたい存在なのかもしれない。
もっと相手に絡んでいく
田代
ビジネスアカウントの場合、個人の裁量でコントロールできない縛りがあるので、ここまでの話をそのまま当てはめられないかもしれません。
カトウ
おっしゃるようにビジネス上の縛りがあると、やりたくてもできない、という問題はあります。ただ僕の感覚だと、ビジネスアカウントであってももう少しフォロワーさんとやり取りを持つといいのに、と感じています。
田代
正直、絡みが足りない?
カトウ
できているアカウントもある一方で、多くは運用上の制約があるからなのか、あまり絡みがないように思います。もったいないですよね。
いいなと思うツイートには「いいね!」を押して、自社サービスに言及してくれたつぶやきをリツイートしたり、内容によってリプライを返す。相手に伝わるアクションを地道に積み重ねてこそ、徐々に状況への改善が見えてきます。
田代
僕は個人のアカウントもあるので、フォロワーさんからの反応があるとやっぱり嬉しい。そのことへの御礼を目に見える形で返すと、さらなるつながりが生まれたり、フォロワーさんがもっと喜んでくれるならと、やりがいにもなります。
カトウ
Twitterは特にフローコンテンツですから、コンテンツが流れていってしまいます。最後に残るのは人とのつながりだと思うので、相手と関係性を作ることを意識したいですし、そのための動きをしてほしいです。
継続性にはブロックやミュートも必要
田代
積極的な動きの一方で、動き方への注意点もお聞きしたいです。
カトウ
僕の経験では、自分の考えをツイートすると数字が伸びませんでした。むしろフォロワーが減ったので、やらなくなりました。Tipsばかりでは人間味が伝わらないので、「だったら、自分の考えをツイートしよう」とやったら逆効果(苦笑)。難しいところですよね。
田代
中には「苦手だな」「嫌だな」という反応もあったと思いますが、どうしていますか?
カトウ
今はだいぶ自分のTwitterのスタンスが明確にできて、どういうツイートをすると反応が悪いのかがわかってきたので、ほぼありません。以前は探りながら進めていたので、やや尖ったような内容をツイートした結果、アンチのコメントが寄せられることがありました。どうしても嫌な相手、苦手な相手は出てきてしまうので、躊躇せずミュート。ひどい方はブロックをしています。
田代
必要以上に反応するから、余計に燃え盛ってしまうことはありますよね。
カトウ
アンチの声が来ない配慮は必要ですが、やっている本人が嫌になってしまったり、つらくなることも避けてほしいです。我慢して関係を続けるよりも、自身の内面的なコンディションを優先したいです。
田代
なるほど。結構新しい視点や、今まで違うと思っていたことのお話をうかがえて大変タメになりました。このたびはありがとうございました!
カトウ
企業のアカウントだと、僕の置かれた立場と違うのでそのまま参考にならないかもしれませんが、今回の話がTwitterはじめSNS運用のヒントにつながると嬉しいです。こちらこそ、ありがとうございました。
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