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結局CXって何?WebサイトにとってのCXとは何か?

「顧客体験」と訳されることが多いCX(カスタマー・エクスペリエンス)について、現場を意識してもっと具体的に考えてみましょう。例えば、Webサイトを作る上でCXを意識するとは、どのようなことに備えて、何をどう実装することになるのでしょうか?

目次

CXとは何か?

昨今CXが注目を集めていますが、最近出てきた概念ではありません。例えば、20年以上前にハーバードビジネスレビューで発表された「Welcome to the Experience Economy」(※1)(1998年)という論文には、単に物やサービスを売るのではなく、顧客に対する最大限の価値提供にエクスペリエンス=体験が重要、と述べられています。

(注記)※1 Welcome to the Experience Economy

CX 製品やサービスの提供

CXを意識して製品やサービスを提供することについて、筆者がまとめた図です

CXとは、顧客に商品やサービスを提供するだけではなく、購買プロセス全体を通した顧客が得られる体験を意味します。例えば、ディズニーランドは単に人気キャラクターがいて、遊園地としてのアトラクションが提供されている(=遊園地としての商品・サービスが提供されている)だけではありません。施設の作り込みやスタッフの対応なども含めて日常を離れ、夢の国を訪れているといった、非日常の「体験」を提供しているわけです。だから、多くの人々を魅了し続けています。

従来から、一流のホテルやレストランでは提供されていたことですが、デジタル技術の発達で、リアルの世界だけではなくWebサイトでの体験にも注目が集められています。

WebサイトにとってのCXとは?

では、WebサイトでCXを実現するとは、どういうことを指すのでしょうか?

オフラインだと顧客へのスタッフ対応が体験を形作るのに対して、オンラインではあらゆるタッチポイント(接点)における顧客への対応が、CXを形作ります

CX 顧客行動とタッチポイント

顧客の購買行動に対応するそれぞれのタッチポイントで、ユーザーにどのような体験を提供できるかが問われています

例えば、購入前の顧客とのタッチポイントは、オンラインだとソーシャルメディアでの露出やWeb広告、メールマガジンなどが挙げられます。それらの見え方や接触頻度などは判断のしどころです。検討・購入時だと主なタッチポイントがWebサイトとなると、Webサイト上の操作性やわかりやすさが問われます。購入後は、商品やサービスのアフターフォローなどへの対応の有無が、WebサイトにおけるCXとして関わってくるわけです。

WebサイトでCXを向上させる方法

WebサイトでのCXを高める方法について、筆者は大きく4つのステップがあると考えます。

1 ターゲットペルソナの設定
2 カスタマージャーニーマップの設定
3 KPIの設定
4 課題抽出・改善

1「ターゲットペルソナ」とは、どのような顧客に対して自社の商品・サービスを提供するのかを明確にすることです。ターゲットと考える顧客像をできる限り鮮明に思い描くことで、オフラインでの綿密な接客のような、一人ひとりの顧客にあわせた情報提供の手がかりとなります。

2「カスタマージャーニーマップ」とは、ターゲットペルソナで設定された顧客が、認知から商品購入に至るまで、どのような動きをオンラインで行うかを明確にしたものです。これによって、顧客の動きをトラッキング(追跡)し、どのタッチポイントでどういう体験を提供すべきかが把握可能にします。カスタマージャーニーマップで顧客の動き(=自社とのタッチポイント)が明確になれば、それぞれのタッチポイントでどのような指標を設定すべきかが見えてきます。

例えばGoogle Analytics経由でWebサイトのページ遷移を分析すると、ショッピングカートに商品を入れたものの購買に至らなかった顧客の割合やメールマガジンの購読数、購読ユーザーのその後の遷移(商品検索、商品購入など)の有無が判明できます。こうしたアクションごとに目標値を設定することが、3「KPIの設定」です。

そこで、指標ごとで目標達成するには、それぞれの行動を起こしているユーザーごとの課題を見つけ、改善する必要があります。4「課題抽出・改善」とは、的確な数値目標を立てながら現状を把握しつつ、目標達成のためにCXの改善につなげていくことです。

CX ペルソナ、ジャーニー、KPIのの関係

1〜4の関係を図示しました

CXにおけるMAやWeb接客ツールの役割

先に示した1〜4の対応を実際に実行するとなると、人手や時間の問題で難しいわけです。そこで、人手や時間不足などの課題を解決し、オンラインでのCX向上に大きく寄与するツールが、マーケティングオートメーションツール(MA)やWeb接客ツールです。

MAは、従来マニュアルで行っていたメール配信対象顧客(=ターゲットペルソナ)の絞り込みや配信を自動で実行でき、さらに自社Webサイトでの行動にあわせてカスタマイズしたメールの自動配信などが可能です。これで、従来では難しかったWebサイトでのユーザーの行動やペルソナにあわせた柔軟なメール文面が用意でき、配信タイミングのコントロールしながらの送信が可能で、顧客の状況にあわせた情報提供を実現します。

Web接客ツールは、その名の通り、Web上での接客を自動化するものです。自社サイトへの来訪ユーザーの状況をリアルタイムで自動的に把握し、適切な情報を提供できるのが特徴です。例えば、顧客の購買状況や自社Webサイトでの閲覧状況からクーポンやセール情報をWebサイトに表示したり、AIを使ったチャットボットで顧客が聞きたい情報を簡単に入手できる機能などを提供します。

このようなテクノロジーを活用しながら、いかに他社との差別化になるCXを提供できるかが問われています。


野澤 智朝(のざわ ともお)
現役マーケター。「ニテンイチリュウ」運営者。デジタルクリエイティブ、デジタルマーケティングに関するメディアで連載を担当してきたほか、各種記事の寄稿多数。


株式会社ジェネシスコミュニケーション

ジェネシスのマーケティングプロフェッショナルが編集を担当。独自の視点で厳選した実践的ナレッジをお届けいたします。

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