成果が出る!UXデザインプロジェクトの始め方
UXデザインプロジェクトフォーメーションのコツ
自社のウェブサービスの改善を考えるとき、あるいは新しいウェブサービスを企画するとき、UXデザインという手法からプロジェクトを始める企業も多いだろう。UXデザインのプロジェクトでは、体制の組み方のコツや価値メソッドの構造を知っていることがとても重要である。
当社がコンサルティングをおこなう場合、UXデザインプロジェクトを開始するにあたり、クライアント企業側の検討チームの視点整理を重要視する。
顧客側視点に立つ検討チーム、ビジネス側視点に立つ検討チームである。さらにできれば、顧客のセグメントごと、ビジネス側は商品・サービスとシステムを分けておきたい。
例えば、
- 顧客チーム1(顧客になったばかりの顧客)
- 顧客チーム2(顧客歴があり、ある程度自分でも重要顧客だと自負がある)
- 顧客チーム3(クレーム客、不満客)
- ビジネスチーム1(主な顧客担当者)
- ビジネスチーム2(商品・サービス企画)
- システムチーム
のように顧客の熟度ごとに分けておくことで、顧客の要望や課題などを細かく出すことが出来る。
ビジネスチームは、顧客に持ってもらいたい認識・態度、とってもらいたい行動や反応を定義することができる。この段階でシステムを入れるのは開発・実行の可否や開発の難易度を把握しながら進める方が実践的であるからである。
そして、それぞれのチーム検討内容を、UXデザイナーが繋いでUXデザインとしてまとめていくのである。
UXの価値要素を理解する
体制と視点整理が理解できたら、次にUXの価値要素を理解していきたい。どのような価値要素で構成されているべきかを理解していることで検討の品質が左右される。
ここで紹介するのは、UX価値要素として基本的な7つの要素である(UXハニカムモデル)。
この価値要素において顧客視点チーム、ビジネス視点チームが、それぞれ検討を進めていく。
ウェブサービスとして重要なリーピト利用については、USEFUL(役に立つか)、VALUABLE(価値があるか)、CREDIBLE(信用できるか)の中央3つが重要である。
UXデザインの検討は、体験プロセスを含んだ立体的なものになる。それぞれのビジネスにおいてプロセスは異なるが、基本的なプロセスの考え方として知っておきたいのは以下のUX9つのプロセスである。
このほかUXにおける時間軸の切り方は、実際の利用状況に合わせた考え方として、「利用前」「利用中」「利用後」「利用時間全体」として区分することもできる。
UXデザインプロジェクトは、成果物にたどり着くまでの、視点整理と価値要素の理解が重要であり、プロジェクトの成果に直結することを理解いただければ幸いである。
執筆者:杉田裕一
株式会社ジェネシスコミュニケーション
代表取締役社長/マーケティングコンサルタント