担当業務に効くデータ活用術(連載中)

担当業務に効くデータ活用術~今日から使えるセグメントの考え方

皆さんゲームってやりますか?私は考えがまとまらないときにパズルゲームをよくするのですが、グループを作って消す、2手3手先を読んで連鎖するということをしていると思考のストレッチをして、考えがまとまりやすくなるような気分になります。実際の効果はどうなんでしょうね。

今回はすごく初歩的なお話ですが、データを分析するうえで役立つグループ作り「データセグメント」の考え方についてお話しします。

目次

セグメントとは?

セグメントというのは、ある条件をもとに区切られたグループのことです。

お客様一人ひとりに合った対応を実現したいものの、タッチポイントのすべてで本当に一人ずつの対応はできません。しかし画一的に全ての人に同じ対応をしていては上がる効果も上がりません。まずはある程度グループを分けて「こういう方にはこういう対応」というのが現実的。これを行うための第一歩がセグメント作成です。

たとえばヘルスケア系ECサイトで「燃焼系サプリの定期購入お申し込みで疲労回復サプリをプレゼント」というキャンペーンを始めた場合、すでに定期購入しているユーザーにはこのお知らせは出したくないので「該当サプリの定期購入をしていない人」をお知らせの対象にしたい。この「該当サプリの定期購入をしていない人」というのが一つのセグメント条件になります。
このセグメントを考える上で押さえていただきたい3つのポイント「活用目的」「MECE」「キー項目」があります。

【活用目的】何のためのセグメント?

何をするにもまずは目的です。これから作るセグメントは何に使うものでしょう。ターゲットの明確化なのか、何かの施策を動かすためのものなのか活用のイメージを持ちましょう。

ターゲットの明確化ならば、ターゲットを表す情報を使って条件を付けます。「男性か女性か」「年代」「新規なのかリピーターなのか」「会員なのか非会員なのか」ターゲットを絞る場合はこういった情報を複合的に使っていくつかのセグメントに分けていきます。

購買行動や登録行動などを促進する施策の検討や実施のための セグメントを切った時、デモグラフィック区分だけでは効果が低いことがあります。そんなときはそこにプラスしてユーザーの動きに応じた行動区分を考慮すると効果が高まります。その場合「この経路から流入した人」「このページを見た人」「この商品を買った人」「資料請求をした人」「メルマガを登録した人」というような行動で区分して振り分けを行います。

この行動区分を考える際には蓄積データから行動分析をして、成功パターンをなぞるセグメントを基準に考えると効果が高まりやすいでしょう。

【MECE】で作るセグメント条件~セグメント分けは倫理パズルだと思え~

セグメントを分けるにあたって大切なことがあります。それは「重複しない」「漏れがない」です。ロジカルシンキングの基本概念で言うところのMECEになるように条件を分けることが肝要です。論理パズルを愉しむ方にはおなじみの考え方だと思うのですが、「MECEってなに?」という方のために簡単な問題です。

(問題)取扱商品が商品A、Bしかないショップがあったとします。
以下の条件の中でMECEになっているのはどれでしょう。

 

条件1:購入者の中で「Aを買った人」と「Bを買った人」

条件2:来店者の中で「商品を買ったことがある人」と、「買ったことがない人」

条件3:来店者の中で「商品を1つ買った人」と「商品を2つ買った人」

 

(回答)条件2

条件1では「AとBを買った人」が重複してしまいます。条件3では「未購入者」が漏れています。

つまり正しくMECEになっているのは「条件2」です。では1と3を正しくMECEになるようにしてみましょう。
条件1:購入者の中で「Aを買った人」と「Bだけを買った人」…重複部分を「Aを買った人」に含ませる

条件3:購入者の中で「商品を1つ買った人」と「商品を2つ買った人」…未購入の来店者を前提で除外する

これでMECEになりました。もちろんこれは回答例なので、他にもいろいろな分け方があります。条件でデータをセグメント分けするときに大切なのは、必ず分けたデータの合計値が100%になること、その分け方がその後の活用に適していることです。

例えばメールの配信リストのセグメントでMECEになっていないと「似たようなメールが一人の人に2通届いてしまう(重複)」「配信しなければいけない情報が配信されない人が出てくる(漏れ)」ということが起こりえます。 このリストがエクセルなどで作成したリストで「漏れ」「重複」のチェックを事前に入れられるものであれば、チェックの際に問題が見つかり修正ができるのですが、MAツールなどのテクノロジーを使ってリスト生成を自動化している場合、事態の発覚に時間がかかり最悪配信対象のユーザーに指摘されるまで気が付かないという事態や、配信対象に漏れが大量に出ていて訴求のチャンスを自らつぶしてしまっているという事態も想定されます。これはメール配信だけではなくプッシュ通知や表示出し分けの際にも起こりえることです。

しかしこのMECEのセグメントですがデータの使い方によってはあえて漏れを出したり、重複を出すこともあります。わざと出すのでなければ基本はMECEになるように考えましょう。

【キー項目】そのデータ、セグメントを切れる状態ですか?

さて、MECEになるセグメントを考えたとしましょう。ここで発生しがちな問題があります。「そのセグメント、どうやって分けるんですか?」という問題です。

セグメントの活用シーンとして、ウェブサイトの出し分け条件や、メールやLINEなどのコミュニケーションの配信グループを分けるという使い方があります。しかしセグメントを分ける条件として設定するためのキーになる項目がない、または項目はあるけれど出し分けするシステムと連携されていないということがあります。

例えば、サイト上で会員には出したくないポップアップがあるとします。しかし会員であるという情報はポップアップの出し分けのシステムには連携していない。
これはいかんともしがたい問題なので、最初の段階で「どういう条件で」「何をキーとして」セグメントをきるという視点で考えましょう。

ちなみにこの例の解決策として考えられるのは、cookie情報で制御できるツールであれば「ログイン後の画面を閲覧していたcookie」というセグメントを切って、このセグメントに該当するユーザーに対しては「ポップを表示しない」という制御をかけるという方法です。
このように本当に活用できるセグメントを作るには「キーになる項目」または、「キーになる項目の代替えに出来る項目」というのも意識して考えることも必要です。

まとめ

今回のまとめです。セグメントを作るうえで大切な基本は以下の3つ。

1.活用目的・活用イメージをもつ
⇒ 何に使うのか、どう使うのかを明確に意識しましょう
2.MECEになっているか
⇒ 漏れや重複はありませんか?
3.必要なデータ項目があるか
⇒ データを分けるときキーになる情報項目はありますか?

以上のことを意識して、セグメントを考えていきましょう。

コミュニケーションは「誰に」「何を」「どうやって伝えるか」ですよね。その「誰に」を作るのがこのセグメントです。対象をぼやけさせないためにも、しっかり考える必要があります。
ここでもう一つセグメントを考えるコツなのですが、「まずは大きく切る」を心がけましょう。最初から細かく切ってしまうと活用の際に手が回らないということが起きます。細かくすることは徐々にやってゆけばよいのです。急がば回れの精神で一歩一歩着実に事を進めてゆきましょう。

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