『ネットワーク外部性?バンドワゴン効果??』について調べてみた!
知りたい言葉があれば目の前のスマホやパソコンが教えてくれる昨今、安易に上位の検索結果を信じていませんか?
深く調べれば調べるほど、同じような概念を別の言葉で表現されていたり、分野が違うと違う言葉になっているなんてことも多くあります。
あなたに代わって少し深堀して調べてみました。その調べたことを『いらすとや』さんのイラストを使って図にしてみました。
ネットワーク外部性とは?
ユーザーが増加することにより、その商品やサービスを利用している人たち全体の価値や効果を高めること。ネットワーク効果とも呼ばれる。
利用者が増えれば増えるほど価値が高まるネットワーク外部性の正の効果について語られることが多いが、車の利用者が増える休日の交通渋滞もネットワーク外部性の負の効果とも言える。
ネットワーク外部性の高い商品やサービスが普及した際には独占的傾向があり、参入障壁が高くスイッチングコストも多くかかることも留意しておきたい。
経営情報学会誌 14(4) (通号 51) .3 p.37~52
・白石 弘幸(2006)ネットワーク外部性と企業の情報戦略
・競争政策研究センター共同研究(2005)ネットワーク外部性とスイッチングコストの経済分析
普及とネットワーク外部性については、マーケの強化書のコチラの記事でも
「行動デザイン」を学ぶ第18回:普及率16%地点の捉え方 普及率16%前後を超えやすいタイプ
続いては、ネットワーク外部性を調べていると出てくる『バンドワゴン効果』についてです。
ネットワーク外部性?バンドワゴン効果??とは
ネットワーク外部性・ネットワーク効果は、通信機器や通信網の発達の文脈において語れることが多いように思います。しかし、ネットワーク外部性と同様に、人が多い方を選択する、流行に乗ること自体が持つ効果を経済学者のハーヴェイ・ライベンシュタイン(Harvey Leibenstein)は、「バンドワゴン効果」として1950年に示しているのです。
バンドワゴン効果とは、人々がある商品を購入することで、「物事の流れ」に乗ろうとする欲求を表す。「流行に乗るため」「人に合わせるため」「おしゃれであるため」「”仲間 “であるように見せるため」などに商品を購入しようとする人々の欲求。
スノッブ効果とは、他の人も同じ商品を消費している(あるいはその消費を増やしている)という事実によって、消費財に対する需要がどの程度減少するかを指す。「排他的でありたい」、「他と違う存在でありたい」、「”共通の群れ “から自分を切り離したい」という人々の願望。
ヴェブレン効果とは、「目立ちたがり屋の消費」という現象のこと。消費財の価格が低価格ではなく高価格であるために、その需要が増加する程度を指す。スノッブ効果は他者との消費に対して生じるが、ヴェブレン効果は消費財の価格に関連する。
抜粋意訳引用:Bandwagon, Snob, and Veblen Effects in the Theory of Consumers’ Demand
現在のように通信機器が発達するよりも前からライベンシュタインは、人々の消費行動、需要には他者の影響があることを論じており、半世紀を経た今でも引用論文として参照されています。
ネットワークの外部性という利用者の増加が効果を持つ商品やサービスの特性とともに、バンドワゴン効果にみられる他者の多くが利用しているから自らも利用したい消費者の気持ちを理解し、デジタルが生活に浸透した現在、人々の消費行動はインターネット内の口コミやSNS等の影響を受けていることを、マーケターとしては理解しておきたいですね。
・Harvey Leibenstein(1950)消費者需要理論におけるバンドワゴン効果、スノッブ効果、及びヴェブレン効果
『赤門マネジメント・レビュー』7巻 4号
・桑島 由芙(2008)消費者間ネットワークと購買行動 スノッブ効果とバンドワゴン効果
『マーケティングジャーナル』33巻 第4号
・宮澤 薫(2014)他者との関係性から見る消費者行動─ 他者要因と自己要因の視点から ─
『マーケティングジャーナル』40巻 第3号
・松井 彩子(2021) SNSにおける他者の存在の影響