マーケティングの成果が出ないのは顧客区分が甘いから?RFM分析を応用して精度の高い顧客区分を実現しよう。
マーケティングで大切だと言われるセグメントや顧客毎の施策。実際の施策に落とし込むためにも、セグメントや顧客区分で悩んだらRFM分析を応用してみませんか?
顧客セグメントはマーケティングの成果に大きく影響する。
マーケティング施策が上手くいかない原因の一つとして、顧客区分が甘い場合があります。顧客区分(セグメント)を失敗するとセグメントしたグループに様々な価値観の人が混在してしまい、施策を実施しても一部の人にしか刺さらず成果を上げることはできません。しかし、顧客セグメントが上手くいくとセグメントしたグループには、同じ特徴を持ったグループとなるため、施策の効果が高くなります。正しい顧客セグメントが出来れば施策が効果的に働くわけです。
サイトへのアクセス総数が必ずしもCVに近い人ではない。
マーケティングオートメーションを使った施策でよくあるのが「自社サイトへのアクセスが多い人ほどCVの可能性が多い」という顧客区分の考え方です。しかし、この区分の仕方は必ずしも正確というわけではありません。もしかすると、先月に検討を終了している人かもしれません。だから、CVに近い人を抽出するためには、アクセス総数だけではなくもっと他の軸も加えて検討する必要があります。
RFM分析を応用して顧客セグメントをする。
RFM分析とは、リセンシー(直近購買日)フリークエンシー(購買頻度)マネタリー(購買金額)の3つの指標を使って自社にとって収益性の高い顧客とそうではない顧客を区別して効率的な施策をしようとする試みです。
本来このRFM分析は、既存顧客を区分するために利用される考え方ですが、私はこの考え方を見込顧客を区分するためにも利用できると考えています。つまり、『直近アクセス日・アクセス頻度・アクセス総数』の3つの指標を使ってサイトアクセスする見込顧客を区分することでCVに近い人とそうでない人を区別することが出来るのではないかということです。
マーケティングオートメーション機能を活用して顧客セグメントを実施
この顧客セグメントをするには、基本的に3つの指標(直近アクセス日・アクセス頻度・アクセス総数)を顧客毎に捕捉していなければなりません。そのため、どんな企業でもすぐに出来るものではありません。しかし、MAを導入している企業であれば、それは可能になります。殆どのMAは各メールアドレスごとに複数の項目を追加することが出来ますし、オートメーションルールなどの機能によって顧客がアクセスした日時や頻度などを記録し、各項目へ記入することが可能だからです。
MAで設定が完了すると下記のような表を作成することが出来ます。
例えば、直近3日以内にアクセスがあり、1カ月間に30回以上の頻度でアクセスし、アクセス総数も200以上ある人はCVに最も近い人と考えられます。また、1ヵ月以上アクセスがなく、1カ月間に5回未満しかアクセスがなく、合計アクセス数は25以下の人はCVから遠い人と考えられます。
こうすることで、より高い精度で見込の高い人を抽出することが可能になります。アクセス総数だけで顧客セグメントを区分していたら、数か月前まで頻繁にアクセスしていたけど直近数週間は全くアクセスしていない人も施策の対象となってしまい、効果は高くならないでしょう。また、アクセス総数だけで顧客セグメントした場合は、合計で多くても10グループ程度にしか区分できませんが、RFM分析を応用すれば、100以上の区分を作ることが出来るようになるので、顧客ごとに最適な情報を提供することが出来るようになります。
ただ、セグメントを細かく設定して全てに施策を打てばよいというものではありません。細かくセグメントした上で、どのセグメントに対して施策を実施するのが最もCVを高めるのか?という検討(ターゲティング)が必要になります。つまり、あるセグメントには何も施策を実施しない、一部のセグメントに集中的に施策を実施するなどの判断が必要になってきます。
サイトアクセスによる顧客セグメントはほんの一例です。自社にあった顧客セグメントの軸が必ずあるはずです。本来であれば、各企業独自の顧客セグメントの軸を見つける必要があります。しかし、最初からそれを見つけるのは難しいのが現実です。まだどのように顧客を区分するのが適切なのか分からないという企業は、まずはこの方法を試して頂き、顧客の反応を見て効果的な顧客セグメントを見つけて頂ければ幸いです。