HubSpot 無料ツールを試してみた【前編】
『コロナ禍もあってマーケティングに潤沢な費用がかけられない』そんな悩みを抱えている企業も多いと思われます。限られた予算の中からビジネスの成果につながる施策を打ちたいと思うのが心情です。
今回はマーケティングオートメーションHubSpotの無料ツールについて実際に試してみた結果を2回に分けてお伝えいたします。
はじめに結論をズバッと。HubSpot無料ツールですが、HubSpot社WEBサイトよくある質問に『完全に無料』『登録後はずっと無料』と書かれているだけあって、なかなか心強いツールとなること間違いありません!!ただし、当然万能ではありませんので、使い方を知っておく必要があるでしょう。
マーケティングオートメーション(以下MA)の乗り換えを検討している方や業務のデジタル化を推進している方まで、なるべく分かりやすく説明しますので最後までお読みいただければと思います。
- 目次
無料でこんなことまでできる
HubSpotの無料ツールは
- ランディングページが作れる
- フォームが作れる
- ポップアップが出せる
- メールが送れる
- 顧客管理が出来る
- ミーティング設定が出来る
といったことが出来ますが、無料版のため、HubSpotのロゴがついてしまう。上限数が決まっているといった制約を受けることにはなります。
コミュニケーション系の機能
・ランディングページ
・フォーム
+フォローアップのEメール
・Eメールマーケティング
+Eメールテンプレート
・ウェブチャット
・チャットボット
+Facebook Messengerとの連携
・広告管理
+リターゲティング広告
・スニペット
・ドキュメント
・GmailやOutlookとの連携
セールス系の機能
・会社
+企業インサイト
+プロスペクト
・ミーティング設定
・見積もり
・取引
+取引パイプライン
・コール
・チケット管理
・タスクとアクティビティー
・カスタムのサポート フォーム フィールド
・チームの共有アドレス
顧客管理・分析系の機能
・コンタクト管理
+コンタクトのウェブサイトアクティビティー
・リストのセグメンテーション
・Eメール追跡と通知
+Eメール返信の追跡
・Eメールの健全性レポート
・レポート作成ダッシュボード
その他の機能
・カスタムプロパティー
・アプリマーケットプレイスとの連携
・マーケティング イベント オブジェクト
・データ同期
・既存データ同期
・既定のフィールドマッピング
・HubSpotモバイルアプリ
上記は、HubSpotの製品・カタログページよりマーケの強化書編集部が分類&再整理。
無料ツールとしての使い方
HubSpotで無料アカウント作成後、自社サイトとの連携手続きをしていきましょう!
①初期設定
HubSpotのトラッキングコードを自社ウェブサイトにアップロードしてください。自社サイトとつながずに顧客管理のExcelの代わりとして使うことも可能ですが、顧客の行動をトラッキング出来るHubSpotの魅力は半減してしまいます。
②フォームの切り替えとリストのインポート
次に、自社サイトのフォームをHubSpotフォームに切り替える、もしくは、やりとりのある顧客のデータをHubSpotにインポートしてみてください。HubSpot上またHubSpotと連携したメーラーから顧客にメールを送ることにより、顧客動向をHubSpot上で把握することが出来るようになります。
MAツール全般に言えることですが、リストをインポートしただけ、フォームを設置しただけでは、顧客本人とMAツール上のデータが紐づかないので、積極的に顧客とのコミュニケーションをHubSpotで行っていきましょう。
③一斉メールやメールマガジン以外の活用
MAツールということもあり、メルマガのような一斉配信のメールやWebのフォームだけを考えてしまいがちですが、身近なメールのやり取りにHubSpotを組み込んでいくと、『○○さんはそろそろ資料を見てくれた頃かなぁ』とか、『資料送ったのにまだ返事が来ない。確認してくれてないのかなぁ』と思い悩むことはなくなります。
向いている会社?事業は?
実際にどのような会社が無料ツールを使うのに向いているのでしょうか?私なりに考えてみました。
- BtoB、または、顧客数を限られているBtoCの会社
- 顧客とのやり取りがデジタル化しているor今後デジタル化したい会社
- サイトからマーケティングまで少数精鋭で運用している会社
無料のマーケティングコンタクトが1,000名までなので、顧客を何十万人抱えている会社や事業では不向きです。しかしながら、顧客は何万人もいるけれど、新規事業や新サービスの立ち上げで、1地域や1事業部だけのマーケティング施策で使いたいといった、顧客数を絞った使い方ができる場合にはお試しで使えそうです。
次に、コミュニケーション手法です。『紙資料を郵送している。顧客とはメールのやり取りは基本ない。』といったリアルのみでコミュニケーションに重きを置いている会社の場合、難しいですね。
『今までは紙資料を送付していたけど、これからはPDF資料をダウンロードして見て欲しい』、『営業マンとのやりとりが対面からデジタル中心になってきた』という場合には大いに使えそうです。
最後に、自社のセキュリティポリシーやWEBサイトの運用ルールが厳しく、ツールの承認に1カ月、コードのセットアップに1週間…といった大企業の場合でも難しいかもしれません。(大企業の場合は、既に別のツールが入っていると思われます。)少数精鋭でマーケティングやセールスを実践し、サイトの運用もある程度権限を渡されている担当者ならば、無料ツールを入れてみて、様々な試行錯誤も出来るのでHubSpotの良さを体感出来るでしょう。
特に【デジタル資料を送付し、商談を進めていく担当者】の方には効果的に使っていただきたいと思っています。
アプリマーケットプレイスとの連携機能により
- HubSpotとメーラーの連携
- HubSpotとカレンダーの同期
- ZoomとHubSpotの連携
等をすることによって、
- メール開封・クリックの有無等の動向を確認
- 顧客とのミーティングの予定をカレンダー連携
- 顧客とのミーティング履歴の記録
- 自社サイトへの来訪頻度、興味にあるサービスメニュー等の確認
が出来ます。
特に、HubSpotとZoomが連携させていると、Zoomで商談をもった顧客のメールアドレスは、HubSpotに自動登録されますので、1つ1つ顧客管理ツールにメールアドレスを入力する手間が減るのは嬉しい限りです。
つまり無料のHubSpotツールは、自動化されたマーケティングシナリオを動かすMAとしてではなく、オンラインでのセールスをサポートするツールとして活用してください。取引パイプラインやタスク管理が使えるのも魅力的です。
HubSpot無料ツールの魅力的な機能について紹介してきました。
次回は、もう一歩踏み込んで、無料ツールから有料に切り替えるタイミングや安いプランでもシナリオを動かす方法について考えてみたいと思います。引き続きお楽しみください。