たったの5分で始められるデジタルマーケティングツールを使ってみた~サイト分析編~
サイト運営プラットフォームとして世界184か国で20万を超えるユーザーが利用する「Ptengine」。2021年6月には、これまで国内トップクラスの利用実績を持つアクセス解析ツール機能にWeb接客機能(CXツール)やサイト編集機能を加えた「サイト運営プラットフォーム」として大幅なアップデートが実施されました。今回は、「Ptengine」をより効果的に使いこなすためのポイントについて、弊社の現役マーケターとプロダクトオーナーであるPtmind社の担当者がひもときます。
- 川村 昌義株式会社Ptmind
Japan Market Lead - 岡山 昌仁株式会社ジェネシスコミュニケーション
マーケティングディレクター
※所属および肩書きはインタビュー当時のものです。
ターゲットユーザーは本当にコンテンツを見ているのか?
岡山
本日は「Ptengine×マーケの強化書」の特別対談として、現在「Ptengine」を契約している利用者にツールを使いこなすための気づきを提供したいと考えています。
まずは、今年プロダクトが大幅にアップデートされましたが、どのような機能があるのか、簡単にご説明いただけますか?
川村
「Ptengine」には大きくわけて2つの機能があります。ヒートマップやアクセス解析ができる「Insight」とWebサイト接客(CXツール)と呼ばれる機能を持つ「Experience」です。
これまで多くの利用者様に「Ptengineといえばヒートマップツール」として認知・利用いただいておりますが、サイト運営における顧客体験をより最適なものにし、お客様の継続的なサイト事業の成長をEmpowerしたいという創業時の想いから、昨年大幅なアップデートを行い、「Experience」が誕生しました。
そして今年6月1日に、より効率的に分析から施策実行をワンストップで実施できるよう、分かれていたプロダクトを一つに統合したワンプラットフォームへとバージョンアップしました。
岡山
今回はまず、サイト分析のベースとなる機能「Insight」についてお話しをお聞かせください。率直なところ、ヒートマップもアクセス解析も直感的に操作ができ、誰でも簡単に使えますが、利用者の皆様はどれだけマーケティング施策に活かせていらっしゃるのでしょうか?
私たちがマーケティングの相談を受ける中で耳にするのが、「ページの○○まで見られた割合は○%で、○○の画像はよくクリックされているけれど、○○は少ない」といった、漠然としかサイト訪問者の行動を把握できていないケースです。これではツールが持つ機能を十分に活かせているとは言えないような気がしまして…
川村
仰るとおりですね。「Ptengine Insight」のヒートマップにはいくつか種類があります。関心の高いポイントや低いポイントを色分けして見られる「アテンションヒートマップ」やクリックやCTAの傾向を把握することができる「クリックヒートマップ」です。
重要なのは、これらの指標が「ターゲットのセグメントごとに分析できる」点になります。これは「Ptengine」ならではの特長でもあります。
岡山
なるほど。マーケティングでは、どれだけ細かくセグメントを切れるかはとても重要です。「新規訪問者」と「再訪問者」とでは、サイトひいては商品やサービスに対する関心度合いも異なりますから、サイト内での行動も当然異なってきます。コンバージョン(CV)したユーザーとしなかったユーザーとの行動の違いなども把握できれば、それぞれのセグメントに対して、「いつ」「どこで」「何を」「どのように」対策をすればよいのか、より具体的で有効な施策が打てるようになりますね。
こうしたサイト内での行動をヒートマップで可視化、さらにセグメントごとに分析をすることでより精度の高いマーケティング施策を打つことができるようになりますね。
川村
はい。例として下図の実際のヒートマップをご用意してみました。見ていただくとわかるように、訪問者をセグメントごとにわけることで読了率や、どこに関心があるかのアテンションが大きく異なっていることが分かると思います。
再訪問者の場合では、目的の箇所まで読み飛ばしていますから、「再訪問者が注目したのは何か?」がすぐにわかりますね。また、CVしたユーザーの場合はページ上部をかなり読み込んでいますから、「ページ上部の何がCVしたユーザーに刺さったのか?」を分析することで、CV率の改善につなげることができます。
また、「Insight」のビジュアルイベント計測を使えば、イベントタグをわざわざ実装しなくとも、ユーザーの行動データをトラッキングすることができます。特定の広告から流入した経路別、CVユーザー/CV非ユーザー、特定のイベントを発火した/しなかったユーザーなどのように、セグメント機能を使うことでより深い顧客理解と改善案の考察に役立ちます。
今ご説明したのはほんの一例ですが、「Insight」を使った分析では、まずは、セグメントごとに分けられたターゲットユーザーがどのコンテンツを見ているのか、または見ていないのか?を把握することから始めるとよいと思います。
「バケツの穴」ボトルネックはどうやって見つければよいのか?
岡山
では、具体的にどのようにボトルネックを見つけていけばよいのでしょうか?
川村
ボトルネックはよく「バケツの穴」などと例えられますね。ユーザーを逃しているポイントのことを指します。この「バケツの穴」を防ぐには、4つのステップが必要です。
- ステップ1:現状を診断する
- ステップ2:仮説を立てる
- ステップ3:施策を実行する
- ステップ4:結果を振り返る
「ステップ1:現状を診断する」では、上記のセグメントごとに分析をすることから始まり、読了率やアテンション、クリック数を把握していきますが、下図のようにサイト内のコンテンツの構成を簡略化して書き出しておくと、ユーザーのインサイト(ユーザーの隠れた本音)を理解しやすくなります。全体を俯瞰して問題点の把握を実施する事で、改善すべきコンテンツの優先度や、ボトルネックとなっている部分を特定しやすくなります。
岡山
たしかに、ページ構成をわかりやすくすることでコンテンツごとの離脱率を把握しやすくなりますね。離脱率が急増している箇所は「問題あり」のコンテンツの可能性が高そうです。図版はLPを例にしていますが、スマホの場合でも見え方はLPに似ているので、スマホファーストで分析する際も考え方は同じですね。
川村
また「コンバージョンファネル」という機能を使うとユーザーがどの段階で離脱しているのか、セッション単位で可視化して見ることができるので、ボトルネックを把握しやすくなります。離脱数の多いページが見つかれば、そのページをヒートマップで深掘りして原因を探ります。
●コンバージョンファネルの詳しい設定方法はこちら
岡山
Google Analyticsよりも時短でボトルネックを探せそうですね。
「Insight」の強みの1つは数値的な分析をヒートマップと組み合わせることで立体的にユーザー行動を把握できる点にあると思います。
ステップ2の仮説を立てる際にも多角的な考察をすることでターゲットユーザーの解像度が上がりますし、それをベースにしたステップ3の施策実行も検証しやすく再現性の高い一手が打てると思います。
川村
実際の施策でのケースをお持ちしました。下図のようなイメージです。
川村
上図の2つのヒートマップで、赤色の部分は良く見られているアテンションの高いエリアで、黄色、緑色になるとアテンションが低いことを示します。また、左右でCV率の違いを出しているのですが、左側の図の例ではページ全体に色むらがあることがわかりますね。
この状態で考えられることは、ページコンテンツ全体がターゲットユーザーにとって興味深いものというわけではなく、どこを見ていいのかわからず迷っている状態とも考えられます。ページに複数の情報が多く点在し過ぎてしまっている状態で、異なるニーズを持ったユーザーがサイトに訪れており、目的の情報になかなか辿り着けずに迷われている可能性があります。
また、意外と誤解されがちなのですが、ヒートマップ上で赤い=アテンションが高い、すなわちすべてポジティブな要因であると推測するのは少しリスクがありまして、ページの構成や、文字の大きさ、量などによる読みづらさによって長い時間閲覧されてしまっているという可能性も考える必要があります。
テキストの内容、大きさ、クリエイティブのボリューム、シナリオなどを再考しつつ、ユーザーの興味関心が高い赤いエリアのコンテンツをページ上部に持って行き、順調に読み進められるようにした結果、ページ全体の色むらがなく読みやすくなり、CTAなど重要な部分はしっかり読まれるようなメリハリの効いたページに改善できます。
これらの分析がエンジニアいらずで一人でも高速に回していけるというユーザビリティの高さは、機会損失を最小限に食い止め、顧客体験を最大化することにつながると思います。
岡山
「Insight」を導入したけれどもまだまだ使いこなせていないという皆様、サイト改善のヒントは得られたでしょうか?
次回は「たったの5分で始められるデジタルマーケティングツールを使ってみた~Web接客編~」と題して、Ptengineのもう一つの機能「Experience」を使って見込顧客を増やすポイントを解説いたします。
◆Ptengine Insightに関する詳しい説明はこちらをご覧ください。
→ https://www.ptengine.jp/insight/
また、株式会社ジェネシスコミュニケーションでは、Ptengineの導入サポートから具体的なマーケティング施策のお手伝いをする支援プログラムをご提供しております。詳しい資料はこちらよりダウンロードください。
→「Activation CXⓇ for Ptengine」