【セミナーレポート】MarkeZine Day2017 Spring_「SATORI導入100社から見えたMAベストプラクティス10選」(SATORI株式会社)
マーケター向けメディアMarkeZine主催の「MarkeZine Day2017 Spring」が、2017年3月1日(水)~3日(金)の日程で開催され、デジタルマーケティング最前線を行く有識者が登壇、マーケティングを進化させるポイントについて様々な切り口からセッションを行い大盛況を博しました。当記事では、SATORI株式会社(以下、SATORI)代表取締役植山浩介氏が登壇したセッション「SATORI導入100社から見えたMAベストプラクティス10選」についてレポートします。
SATORIの植山氏は冒頭で、「中小企業ほど売り上げを上げるための仕組みが必要、つまり顧客開拓を効率よくシステム化をすることが必要である」と述べた。なぜなら、中小企業は経営資源が限られており、人海戦術のような非効率な顧客開拓を行う余裕がないためである。
では、“顧客開拓を効率化する”とはどういうことなのだろうか。
それは
- ①すぐは購入しないけれどそのうち購入を検討するであろう顧客、“そのうち客”を増やすこと
- ②“そのうち客“の購買意欲を活性化すること
- ③今すぐ購入したい顧客、“今すぐ客”をあぶりだし購買へと導くこと
の3つに集約できるという。
この顧客開拓の流れを仕組み化することで“今すぐ客”を計画的に創出することが可能となる。
そして、「顧客開拓の「仕組み化」を可能にするのがMA(マーケティングオートメーション)である。
本セミナーで植山氏は、「顧客開拓を仕組み化」のための手法として、MAを活用した10個のTipsを紹介した。
1.スコアリング(“オフライン”ד今すぐ客”をあぶりだす)
自社製品への興味度をスコアリングすることで“今すぐ客”をあぶりだすことができる。
“今すぐ客”とは、個人情報獲得後の実名顧客の中で自社製品への関心度が高いカスタマーを指している。
それではどのようにスコアリングを行うことで興味度を測るこのか。
植山氏は「特定の「キラーコンテンツ」を利用してスコアリングをシンプルに行うこと」を提唱した。
例えば、SATORI社のWebサイトでは「他社との比較」というコンテンツが「キラーコンテンツ」として位置づけられている。
植山氏は、自身が家を購入した実体験を基に、今の顧客は、製品・サービスの購買に至るまでの過程のほとんどでおいて非対面での情報収集・比較・検討を行っていると言及した。
そして非対面における最終段階、つまり顧客が購入する製品・サービスを決定する一つ前のフェーズが競合との「比較・検討」であることから、「比較・検討」段階に入っている顧客に対してこちらからコンタクトをとり、適切なコミュニケーションを継続的に図ることで、成約へとつながる可能性を高めることができると説明した。
そこで、SATORIでは「他社との比較」というコンテンツを「自社製品への関心度が高いカスタマー」が高い割合で確認するであろう「キラーコンテンツ」として位置づけて、同コンテンツを閲覧した実名顧客に対し、高いスコアを与えているのだという。
植山氏は、とかく複雑に考えがちなスコアリングをよりシンプルに行うためには、「キラーコンテンツ」の設定が有益であると強調した。
2.匿名客(“オンライン”ד今すぐ客”をあぶりだす)
ウェブサイトの訪問者のおよそ97%は個人情報未取得の匿名顧客であるが、スコアリングで高い数値を出している匿名客にアプローチをすることで“今すぐ客”を増やすことができる。
それは主にCookie等を利用したアプローチとなるが、具体的には、スコアの高い匿名顧客に対してサイト内ポップアップやリターゲティング広告の表示を行うことで、今すぐ客に育てるためのコミュニケーションを図ることが有用である。
3.無料セミナー(“オフライン”דそのうち客”を活性化)
スコアリングの数値が高くない「動いていない顧客層」にはどのようにアプローチすべきか。
植山氏は、こうしたお客様を『not“今すぐ客”、つまり営業と会いたくないお客様』と定義し、
コンタクトを取るには
- ①メリットを増やす
- ②デメリットを減らす
- ③商談につながる
という3つの視点からコンテンツを提供しなければならないと説明した。
そして、not“今すぐ客”に対する具体的なアプローチ方法としては、無料セミナーの開催が有用とのこと。
無料セミナーを開催する意義について、上記の3つの視点で説明すると、
- ①メリットを増やす:
多くの事例を提供し、複数社の話が聞ける。 - ②デメリットを減らす:
アクセスのよい場所で開催したり、営業色がないことしを謳えば気軽に参加いただくことが可能である - ③商談につなげる:
あからさまに営業をかけるのではなく、フックになる魅力的なコンテンツを用意することで商談につなげる
という具合になる。
ちなみに、“そのうち客”には共催セミナーなどの大人数向けセミナーが有効だが、“今すぐ客”には少人数セミナーの場を提供するなどの使い分けも必要だという
4.展示会(“オフライン”דそのうち客”を増やす)
4つ目は、“そのうち客”が少ない場合のTipsである。
「“そのうち客”が少ない場合は、ペルソナを緩めて“そのうち客”を増やして、見込客総数を拡大することも有効である。」
具体的なケースとして、展示会(=見込客の情報収集の場)への出展を取り上げた。展示会は、緩いペルソナの“そのうち客”の獲得に有効な手段である。
展示会への出展の目的を“今すぐ客“を獲得するということだけに置くと、“そのうち客”へのアプローチが弱くなってしまうため、SATORIが展示会に出展する際は「製品紹介」「ユーザー事例」といったセールス寄りの資料ではなく、あくまでも「情報収集」に来た来場者の皆様が「欲しい!」と思いそうな「お役立ち資料」を用意している。
製品自体に今は興味がなくても「お役立ち資料」が欲しいと感じる、つまり業界の製品やサービスになんらかの興味を持っている顧客のリードを獲得し、展示会終了後にフォローを行うことで“そのうち客”を育てることが可能となる。
5.eBook(“オンライン”דそのうち客”を増やす)
自社製品に対して興味のないお客様にいかに興味を持っていただくか。
前項の展示会のTipsでも触れたが、お客様の日々の業務に役に立つようなコンテンツを提供することが有用である。
したがってオンライン上での“そのうち客”へのアプローチとして、サイト訪問者が「欲しい!」と感じるようなeBookを制作し、ポップアップを出すなどすると、コンテンツのダウンロードに伴う個人情報の取得が可能になる。
6.外部データ(“オンライン”דそのうち客”を増やす)
外部Webサイトから見込客を獲得する方法である。
自社製品に関心がありそうな人が閲覧しそうな外部サイトからcookieを購入し、“そのうち客”の情報を増やしていくことも可能である。展示会のオンライン版といった認識での運用になるだろう。
7.育成型広告(“オンライン”דそのうち客”を活性化)
Tips4~6で獲得した“そのうち客”も放っておいては、「購買意欲の低い“そのうち客”」のままである。
このような「購買意欲の低い“そのうち客”」に対しては「育成型広告」を出すことが有効である。
具体的には、匿名・実名の“そのうち客“やFacebookのファンに対してエンゲージメントを重視した広告を表示する。こここで、「エンゲージメントを重視」とは、相手が「いいね」「シェア」などのアクションを起こしたくなるということである。
そして“今すぐ客”のアラートが出た時だけに、たたみかけるように訴求効果の強い広告を出すことで“そのうち客”を“今すぐ客”へと育成することができる。
8.プッシュ通知(オンラインדそのうち客“を活性化)
買わない・興味がない顧客はいくらメールを送ってもメールを開かないというのが現実である。
すなわち、関心がない顧客は能動的な行動をとらないので、購買意欲が低い方にはプッシュ通知によって、いわば強制的にメッセージを伝えることが有効である。
9.類似オーディエンス
Facebookとインスタグラムの強みとなっているのが類似オーディエンスの領域である。
これらのSNSにおいては、事前に本人が登録したプロフィールを基に自社のターゲットとなるユーザーを探しだし、条件に該当する方にだけ広告をだすことができるため、より低い予算で、より高い成果を得られるだろう。
10.チャット
植山氏は最後に、「問い合わせなどの手段としてチャットを活用すること」の意義について語った。
オンライン上でやり取りをするチャネルとして、「Webチャット」は非常に満足度が高く、エンゲージメント率も高い。
実際にチャットでのサポートを運用しているSATORIでは新規:既存=3:7の割合でコンタクトがとれるという。
まとめ ~SATORI導入100社から見えたMAベストプラクティス10選~
植山氏はまとめとして、以下の図を使って説明をした。
この図は、MAベストプラクティス10個をシンプルに理解できるよう、縦に顧客のステータス(“そのうち客”か“今すぐ客”か)、横にコンタクトをとる媒体(“オフライン”か“オンライン”か)を置いて分類したものである。
当図に基づき、自社の現状の施策でできていること/できていないことを当てはめてみれば、自社の弱点を浮き彫りにでき、より優れた施策の立案が可能になるだろう。
SATORI社では、SATORIの機能や使い勝手を一通り試せる無料アカウントの提供を行っている。また、導入に向けた無料セミナーがほぼ毎週開催されている。
MAツール「SATORI」について詳細を知りたい方は、SATORI株式会社にお問合せください!
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また弊社ジェネシスコミュニケーションではMAを活用したコミュニケーション施策のご提案を行っております。MAを導入したいけど何から始めたらいいか分からない等、SATORIを含む各種MAツールの導入やMAに関するご相談はぜひともジェネシスコミュニケーションにお声がけください。
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