コンサルタントのコラム

Instagramを企業はどうマーケティング活用すべきか?

最近「インスタジェニック」という言葉が方々で聞かれるようになりました。“インスタ映え”するかしないかで集客が大きく変わる傾向が見られるようになり、飲食店など接客をする店舗にとってインスタは無視できない存在となっています。お客様の中には、そのお店での食事よりもインスタに写真投稿することを重視して、写真を撮ったらほとんど食事はしないで帰ってしまう人もいるようです。
わずか7年前に登場したSNSの「Instagram」ですが、若年層を中心とした消費者の消費・購買行動に明らかな変化をもたらしています。爆発的に普及して日常的に利用されているInstagramは、企業のマーケティング施策において無視できない存在になったのではないでしょうか。今後企業はInstagramをどのように活用していくべきでしょうか?今回は「Instagramのマーケティング活用の考え方」について、メディア特性や利用のされ方などから考えていきたいと思います。

インスタは誰が利用し、なぜ利用されているのか?

日本国内におけるInstagramの月間利用ユーザー数は2017年10月時点で2000万人を突破しました。20代など若年層から強く支持されており、女性利用者の割合が高いという特徴を持つSNSです。Instagramのサービスインは2010年ですので、7年間で急速に成長していることになります。なぜ、こんなにも普及・利用されるようになったのか?いろいろな記事を見る限り大きく「2つの要因」があるようです。
1つは、FacebookやTwitterと比べて「ビジュアルに特化」していることが挙げられます。FacebookやTwitterでは文章力が求められることが多いですが、インスタの場合は写真を投稿するだけなので、圧倒的にハードルが低く、気軽に利用できることにあります。また、写真を加工する「フィルター機能」があるため、自分が納得できる写真に編集して投稿することができることも注視すべきポイントです。写真や動画が中心で、文章を必要としない投稿ができる特性は、投稿する人の広がり・投稿のスピード感・投稿ボリュームにおいて、他とは比べ物にならないほど活性利用されるようになっているのではないでしょうか。
もう1つは、フォロワー(友達)以外への投稿が拡散しにくい面があると同時に、拡散したいものは#タグ(ハッシュタグ)を使って、同じ趣味や価値観を持つ人に写真や動画をシェアしあえること、つまりは「仲の良い人とだけ繋がることができること」にあると考えます。自分と興味・価値観・関係性が近しいからこそ、「投稿する写真に共感してもらいやすい → 次も投稿しよう」というプラスの循環が生まれ、自然と利用が活性化される流れとなっていくのではないかと考えます。

インスタは“今”を切り取り、仲間で盛り上がるコミュニケーションツール

Instagramでは、写真や動画を投稿するだけで成立するSNSです。短い文章を書く事も出来ますが、投稿にURLリンクを貼ることもできないため、多くの人は写真や動画と#タグを追加して投稿しています。写真や動画を投稿する → 「いいね!」やコメントをするというシンプルな「非言語な投稿」は、今この瞬間の出来事を仲の良い人たちとシェアして楽しむツールとして利用されています。
「ものすごくおいしいパンケーキに出会ったよ(^^)/ 永遠に食べていられる!」「これから渋谷でショッピング」「今日のコーデは着回ししやすいニットカーデ♪」など、投稿者たちの様々な”今”が切り取られ、投稿することで、自分の思い出アルバムのように使えることに加えて、投稿を自分と近しい人に反応してもらえる/いいね!と言ってもらえる「自分が認められる」メディアなのかもしれません。

企業はインスタをどのように活用できるのか?

「Instagramの企業のマーケティング活用」というテーマを、上記のようなメディア特性や利用のされ方を前提に考えてみると、「ブランディング」「コミュニケーション」「購買促進」に視点を置いた活用の検討が有効になるのではないかと考えます。

Instagramは写真や動画がメインコンテンツとなるため、企業や商品などの世界観やイメージ訴求には向いています。ある大手マンションディベロッパーでは、新築マンションの外観・内観・眺望などの写真や動画をアップして、「こんなマンションに住みたい」という気持ちの高揚を狙うような投稿が行われています。キッチン、バスルーム、リビングなど#タグを複数つけて投稿すれば、それらに興味のあるユーザーに広く閲覧してもらうことも可能となります。
スターバックスでは、テーブルに置かれたコーヒーのスタイリッシュな写真や、スターバックスのカップにアートやユーモア満載のイラストが描かれた写真、店舗で子供がスイーツを食べながら笑っている写真など、ホッと一息つく至福の時間とスターバックスを関連付けるような投稿がされています。

#タグを使った投稿や#タグ投稿キャンペーンなどを展開すれば、幅広いユーザーとのコミュニケーション活性に繋げることも可能です。#タグ付きで新商品やイベントなどの写真を投稿すれば、いいね!の反応やコメントでリアルタイムにユーザーの反応を伺ったり、ユーザーコメントに応対したりと直接的なコミュニケーションをとることが可能です。
企業アカウントをフォローしてもらうためのキャンペーンを展開したり、#タグ+写真投稿のユーザー体験型/参加型キャンペーンを展開すれば、ユーザーからの写真投稿の活性化や投稿写真を企業のオウンドメディアのコンテンツとして活用する、企業アカウントのフォロー数を増やすなどの期待も広がります。
ユーザー参加型のキャンペーンでは、以下のような仕組みで投稿するユーザーの承認欲求を満たすメリットと同時に賞品による付加価値を提供し、企業の公式アカウントのフォローや写真投稿の活性化を狙う取り組みが多くみられます。

また、2017年10月からInstagramストーリーズでは、専用のスタンプを使ってユーザーに2択の簡易アンケートが聴取できる投票機能が実装されました。同機能を使って企業は、気軽にユーザーとの交流を楽しんだり、どちらが好きか/何を求めているかを聞いたりすることができるようになり、Instagram上でのコミュニケーションに広がりが出てきています。

Instagramは「購買促進」でも活用が可能です。H&Mやユニクロなどのファッションブランドでは、新着商品の投稿や日々のコーディネート写真の投稿、同ブランドの商品をまとった子供の写真の投稿、セール情報など、購買欲求に訴えかける投稿が多くみられます。Instagramでは投稿写真にURLを貼れないため、購買促進のための工夫は多くの企業で試行錯誤している状況です。
ある企業では、商品ごとにインスタグラムアカウントを作成し、投稿写真で商品の魅力を伝達し、アカウントのプロフィールページに設置された商品詳細ページへのリンクからショッピングサイトに誘導するような仕組みで商品購買を促進しています。
Instagramではショッピング機能を強化し、画像内の商品の検討から購入までを可能とする機能の実装を予定していることもあり、上記のような試行錯誤をしなくても、Instagramから買い物ができるようになる時代はもうすぐそこまできている状況です。Instagramのショッピング機能については、現時点での実装想定機能は以下の通りです。

ショッピング機能が実装されると、Instagramの利用はこれまで以上に活性化していくことが想定されます。そのような時流において、今後企業がどのようにInstagramをマーケティングに活用していくかを検討・提案していくと同時に、様々な業界の動きについて期待を持って注目していきたいと思います。



執筆者:山本知拓
株式会社ジェネシスコミュニケーション
執行役員


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