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マーケティングの企画をするうえで気をつけていること

昨年もさまざまなクライアント様、パートナー様にお会いしてお話を伺いました。共通して感じられたことやこうすれば良いのになあと思うことなどがいくつかありましたので、今日はそんな話をしたいです。

目次

各現場に共通して充満する3つのマイナス

比較的どのクライアント様でも、とくに現場担当の方から共通で感じられたものとしては、

・成果を“短期間”で求める(求められている)こと

これは今の世の中がそうなのかもしれないですが、成果を出すこと、それも短期間で成果を求める方がとても多いなと。成果を外部に短期間で求めるのであれば、その意思決定も同じくらい短期間でして欲しいなあと思ったりもしますが、それはグチになってしまうので夜の席にでも。

・現場の疲弊感

15年前にはなかったテクノロジー、サービスの普及でやらなければいけないことが爆発的に増えたせいか、現場の疲弊感を強く感じています。とくに、中堅~中小クライアントの現場になればなるほど疲労感が濃いというか強い気がしました。大手企業の場合スタッフをじゅうぶんに割ける業務でも、人手が少ない中堅~中小では少人数で担っていることが理由にあるのだと思います。
Webも改善しなければいけない。集客もメール配信もやらなければいけない。ソーシャルメディアも増えた。KPIという数字に追われ、上長からは新しい施策やアイデアを求められ、いざ施策を投入しようとなると費用対効果の試算から稟議決裁まで1人でこなさいといけない。ものすごく疲弊している印象を受けました。

・課題が明確ではない

一方、「弊社の課題はこれで・・・」とお聞きするのですが、課題になっていないことも多かったです。「問題」の状態、「問題」を羅列しただけにとどまっているのです。
辞典を紐解くと、課題とは【解決しなければならない問題。果たすべき仕事。】とあります。すべての問題を同時に解決できればよいのですが、費用やスケジュール的にそれを求めるのは難しいです。そんな状況で解決しなければいけない問題=問題の中で、優先順位や着手の難易度をつけ、判断を加えたもの、が課題となっていなければならないのですが、それができていないままのケースも良く目にしました。

あれもやらねばこれもやらねばと追われてしまうと、つい作業としてこなすことに集中しがちです。そんな際に、立ち戻れる考え方をいくつか知っているだけでだいぶ楽になったりするのではないかと、そんな立ち戻るための術について今日はご紹介したいと思います。とてもベーシックな話です。

ある程度マーケティング業務に携わっているが、企画部分は協力会社にお願いしてしまっている方でも、その企画が良さそうかをチェックできるポイントになるのではないかと考えます。

コミュニケーションをしっかり組み立てる。

さまざまな「テクノロジー」を駆使して「デジタルマーケティング」を展開する。これが、今後のマーケティングの主軸であることはいうまでもないことでしょう。ただし、テクノロジーは、効率的なマーケティング活動の遂行を支援してくれる「便利なツール」に過ぎません。

「ツールを使いこなす」ためには、テクノロジーの機能を最大限に活用しつつ、効果の高いコミュニケーションをしっかりと考える必要があるのですが、意外とまとまって教わったりすることが少ない領域です。

基本事項のおさらいになる方もいらっしゃると思いますが、「コミュニケーション」を企画する上で考えるべき5つの「構成要素」について簡単に説明します。

コミュニケーションをしっかり組み立てる 5つの構成要素

1 コミュニケーションターゲット

伝えたい相手を明確化します。メールなら誰に読んでもらいたいか。ECサイトのキャンペーンなら、その商材を買ってくれそうな人は誰なのか。デジタルマーケティングにしっかり取り組まれている会社の場合、顧客・見込客データベースや購買データベースが整っているため、もっと細かく相手を明確化することができると思います。データが未整備の場合でも「なんとなく」ターゲットを定めるのはご法度。しっかりと「ターゲット」を設定しましょう。
また、必ずしもデータがなければできない話でもありません。そのターゲットはB2BなのかB2Cなのか。B2Cであれば新規顧客なのか、既存の顧客なのか。既存顧客が多く含まれているのであれば、どのくらい商品を購入されている人なのかといった区分けでも構いません。(クライアントさんから相談を受けて色々なツールを見させてもらうことが多いのですが、意外とここができていないクライアントさんも多いくらいです。思わずこれは誰に向けたツールですか?と聞いてしまうことも良くあります。)

2 メディア/ツール

1で設定したコミュニケーションターゲットに対して、メッセージ・コンテンツを届けるための最適なメディアやツールを検討します。どんなメディア、あるいはツールを使わなければならないのか。(本来ならどんなメディアやツールを使うのが最適かから検討したいところですが)
ターゲットが利用しているデバイス(PC、スマホ)、普段視聴・閲覧しているメディアやライフスタイル、コミュニケーションのタイミング・時間帯などによって変わってきます。
メディアやツールはいじれないのであればタイミングをいじりましょう。いつ配信すればもっともリーチできるのか。まだまだやれることは多いはずです。

3 メッセージ・コンテンツ

ターゲットに伝えたいメッセージは何か、それをどのように表現するのかがコンテンツです。言葉で伝えるバーバルなコミュニケーションだけでなく、写真や映像を通じて伝えるノンバーバルなコミュニケーションも増えています。伝えたい内容全体のことに留まらず、その手法まで含めて「コンテンツ」と呼ぶことが多くなっています。
ここで大事になるのは程度感です。「どこまで理解させる必要があるのか」ということです。しっかり理解させるのか、理解は中途半端でもアクションを起こしたいのか。伝えたい事柄によってコンテンツの内容は変わってきますね。

4 コール・トゥ・アクション=CTA(Call to Action)

ここからはダイレクトマーケティングの考え方です。コンテンツを伝えたターゲットにどのようなアクション(行動=反応)を期待するのかです。これをCTAと呼びます。「資料請求はこちら!」とか「eBookがダウンロードできます」といった形が典型的なCTAです。バナーに「ここをクリック」と記載するのもCTAの一種ですね。
ここで注意があります。このCTA=どんな行動を期待するかとメッセージ・コンテンツはセットになります。ターゲットは提供されたコンテンツで本当に期待する行動をしてくれるのだろうか?という視点を持って反芻する癖をつけたいところです。

5 インセンティブ

ユーザーのアクションを後押しするためのものです。たとえば、「メールマガジンにご登録ください」というCTAに、「登録された方の中から抽選で10名様に●●をプレゼント」というインセンティブをつけることでメルマガ登録数の促進が見込めます。(なお、CTAとインセンティブを合わせて「オファー」と説明されている場合もあります)

これら5つの切り口でコミュニケーションを考えることが、基本中の基本になります。テクノロジーを活用する/しないにかかわらず、もっともベーシックな部分ではありますが、それだけ重要なわけです。
意外とできていないのが、「ターゲット」と「コンテンツ」「CTA」です。「誰にどのようなコンテンツを渡すことでどのようなアクションを導きたいのか」。5つは大変だ!絞ってほしいとなれば、この3つに絞ってもよいかもしれません。

これまで述べた考え方は、何も広告キャンペーンやツール制作だけで効果を発揮する訳ではありません。日常PPTやエクセルで作る資料でも大いに参考にしてほしいです。少し俯瞰した立場から

  • コミュニケーションターゲット
  • メディア/ツール
  • メッセージ/コンテンツ
  • CTA
  • インセンティブ

を捉える癖をつけましょう。この考え方が習慣化できれば今までの業務の効率やもたらされる結果が変わってくるはずです。



執筆者:田代靖和
株式会社ジェネシスコミュニケーション
マーケティングコンサルタント


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ジェネシスのマーケティングプロフェッショナルが編集を担当。独自の視点で厳選した実践的ナレッジをお届けいたします。

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