マーケティング関連おすすめ書籍【2021年版】
マーケの強化書を運営する弊社ジェネシスコミュニケーションでは、学ぶこと・本を読むことが推奨されています。新任マーケターからビジネス戦略に携わるトップコンサルタントまで、彼らが今年2021年に読んだ書籍の中に、あなたの業務のヒントが隠されていると幸いです。コメントも合わせてご参考にしてください。
- おススメします
マーケター1年目の教科書
栗原康太・黒澤友貴(著)
発行:フォレスト出版(2021/11/6)
A5判 224ページ
ISBN 978-4-86680-133-9
マーケティングに必要な基礎知識を7つのカテゴリーに分類して解説しているので、まずは自身に必要な項目から読み進めるといいと思います。
テーマごとにマーケティングのポイントと40人以上の実務者の経験談が掲載されており、初心者にとって一番不足している「経験」と「コツ」を「先輩から教わる」的なスタンスで吸収できる内容です。
細かなマーケティング戦略や施策的な話はありませんので、文字通り「1年目」に最初に手にするオリエン的な書籍としておすすめです。
超図解・新しいマーケティング入門~“生活者”の価値を創り出す「博報堂の流儀」
博報堂マーケティングスクール(著)
発行:日経BP(2020/11/6)
B5変型判 239ページ
ISBN 978-4-296-10743-8
ビジネスシーンでは様々な文書が飛び交いますが、個人的には情報がコンパクトに整理された「図版」ほど、美しい物はないと思います。
マーケティングの現場でも、クライアントへ説明するためのファネルやフローチャート、システム構成図などをよく使いますが、いずれもクライアントにわかりやすく理解してもらうための手段の一つです。
本書では、マーケティングという広く難しい世界を一つ一つ図を使いながら、読者が理解しやすいように解説してくれています。情報をはしょりすぎず、盛り込みすぎず、読み解きやすい図が、マーケティング初心者にもわかりやすいと思います。
マンガでわかる 新しいマーケティング 一人の顧客分析からアイデアをつくる方法
西口 一希(著)
発行:池田書店(2021/9/9)
四六判 208ページ
ISBN 978-4-262-17479-2
マーケティング本は小難しいものが多く、理解しながら読破するのはなかなか時間がかかるもの。本書は著名なマーケター西口氏のマーケティングの考え方と手法をマンガでわかりやすく解説した本です。
「一人の顧客を徹底的に理解すること」が西口氏のマーケティングの信念とも言える考え方ですが、そんな考え方を一人の新人マーケターの成長とともに学ぶことができます。
個人的にはマンガの設定と日常業務は全く異なりますが、壁にぶちあたった時にどういう施策を取っていくべきか、という考え方はとても参考になります。マンガとはいえ、しっかり読むと結構ボリュームのある本です。
新規顧客が勝手にあつまる販促の設計図
「営業スタッフを使わない」「下請けもやらない」中小企業が売上を伸ばすための法則
中野 道良(著)
発行:翔泳社(2020/9/3)
A5判 240ページ
ISBN 978-4-7981-6641-4
「販促の設計図」について、本書では「商品や販売方法など売る側の都合ではなく、顧客の属性・心理・行動から逆算し、最適な告知をするための全体像」と説明します。
事業展開を考える上で、本質的に、根本を意識しながら(売上を生み出す)仕組みを構築するための多くのヒントが詰まった一冊です。各章の終わりに用意された、内容の振り返りに便利な「まとめ」を活用すると、より読み進めやすいでしょう。
新規顧客でお悩みならこちらの記事もおススメです。
【~新規客の相談を増やすには~「量」の追求 or「質」の改善?】
Z世代マーケティング 世界を激変させるニューノーマル
ジェイソン・ドーシー、デニス・ヴィラ(著)、門脇弘典(翻訳)
発行:ハーパーコリンズ・ジャパン(2021/10/8)
A5判 352ページ
ISBN 978-4-596-01529-7
1990年代中盤から2000年代終盤までに生まれたZ世代。
Z世代の物やお金に対する価値観、消費行動、なにを求めてどんな生活を望んでいるか等のマーケティング的観点に加え、働き方やモチベーションの持ち方、面接の仕方やフォローアップの方法等、Z世代の労働観にもふれた本です。
数年後(この本では5年から10年後って言ってます。)の市場の主役であり重要ターゲットになるZ世代を知るという意味では有効な一冊かと思います。
世代別のマーケティングででお悩みならこちらの記事もおススメです。
【マーケティング施策に役立つ「各世代の特徴まとめ」】
「心」が分かるとモノが売れる
鹿毛 康司(著)
発行:日経BP(2021/5/20)
四六判 228ページ
ISBN 978-4-296-10955-5
推薦者の私が尊敬するマーケターの1人でもある鹿毛康司氏。東日本大震災後のエステーのミゲル君(リスボンの街並みを背景に消臭力の歌を歌う少年)のCMを作った方と言えば、お分かりいただけるでしょうか?
マーケターが挫折や挑戦を続け、世の中で評価され認められる部分はごく一部だと思います。しかし鹿毛氏が見つめ続けた顧客、人の心への温かい眼差しは、大きな共感、心の絆、目に見える形としてはSNSの拡散、仲間の力となって広がっています。
日々の業務に忙殺されたり、テクノロジーやデータ分析結果に振り回されている時に、自分の心と顧客の心に立ち返る為の一冊としてオススメします。
UXデザインの法則 最高のプロダクトとサービスを支える心理学
Jon Yablonski(著)
相島雅樹、磯谷拓也、反中望、松村草也(翻訳)
発行:オライリー・ジャパン(2021/5/18)
A5判 160ページ
ISBN 978-4-87311-949-6
本書は、UXに紐づくさまざまな法則や効果について、12章構成でまとめられています。
ユーザー体験を高めるために、負荷が少なく誤解が生じないユーザー体験を提供するには、ユーザーにとって最適なUXの提示が不可欠です。何となくの見た目の格好よさを求めるのではなく、デザイン(設計)の意味を知ることで、思いつきではない判断につながります。仕上がりに対する判断の根拠が書かれているので、今後の新規案件に向き合う時や、クリエイティブチェックを行う際に参考になるでしょう。
UXの記事ならこちもどうぞ!
【成果が出る!UXデザインプロジェクトの始め方】
ビジネスデザインのための行動経済学ノート
バイアスとナッジでユーザーの心理と行動をデザインする
中島 亮太郎(著)
発行:翔泳社(2021/9/13)
A5判 232ページ
ISBN 978-4-7981-6993-4
マーケターに行動経済学を推奨してきたマーケの強化書。私も何冊かの行動経済学の本は読んできましたが、本の構成や分かりやすさでは、今年一番のおススメです。
難しいビジネスの課題を図や絵で整理することを得意とする著作者のイラストで理解が深まるのみならず、バイアスを8種類に分類整理し、それぞれに分かりやすいネーミングが付与されています。また、理論を活用するアイディアや効果的な理由なども列挙されており、行動経済学の理論を実践に活用していけるでしょう。
❝行動経済学もデザインも、つまるところは「人とは何か?」❞と語る著者の目を通し、マーケターのあなたの「人とは何か?」、顧客とどう向き合うべきかを考えてみるキッカケとなれば幸いです。
現場で使える Web編集の教科書
withnews+ノオト+Yahoo!ニュース (著)
発行:朝日新聞出版(2021/7/20)
A5判 240ページ
ISBN 978-4-02-331955-4
新任の方にはちょうど良い読みやすさです。
押さえなきゃいけないポイントが分かりやすくまとまっているのと、掲載されている有名メディアのケースが豊富なのでイメージしやすいと思います。
マーケの強化書編集部内でも、推奨する1冊として回し読みをしました!!
Web編集でお悩みならこちらの記事もおススメです。
【「オウンドメディア担当者」必読連載!】
10年つかえるSEOの基本
土居 健太郎(著)
発行:技術評論社(2015/4/23)
単行本 134ページ
ISBN 978-4-7741-7324-5
SEOに関する基本事項について、わかりやすく平易な会話形式で展開しています。
SEOとなると、時々のトレンドや傾向、技術論が気になりますが、本書はそれらとは一線を画して普遍性の高い内容を凝縮でまとめてくれています。通読自体はそれほど時間がかからないので、隙間時間を利用しながら章単位で読んでいくのもよさそうです。漠然としていた理解を整理するのに有効です。
SEOの記事ならこちらの必見!
【初心者必見!SEOの3つのポイントとGoogleが掲げる10の事実】
その他、おすすめ書籍もご紹介します!
ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す
山口 周(著)
発行:プレジデント社(2020/12/21)
四六判 320ページ
ISBN 978-4-8334-2393-9
コロナ渦の経済や我々の価値観の変化を鋭く洞察している一冊。
テクノロジーの発達と経済の結びつきが強くなるにつれて、我々の価値観はよりヒューマニティーを重視していくようになるという示唆。ビジネスが単純な市場原理で解ける問題が少なくなってきたながで、経済合理性の外側にある問題が、より重要度を増すことになります。
人の価値観が変われば、心理と行動も変わる。
未来のビジネス想像力を磨くきっかけに。
2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
ピーター・ディアマンディス (著), スティーブン・コトラー (著), 山本 康正 (その他), 土方 奈美 (翻訳)
発行:NewsPicksパブリッシング (2020/12/24)
四六判 448ページ
ISBN 978-4-910063-13-3
各々で進化してきたテクノロジーの波が重なり合って融合することで、今まで経験したことのないような世界的な大変革が「この先10年」に起きて、私たちの生活が急速に様変わりする未来について、わかりやすく紹介しています。
テクノロジーの“融合”は、小売・広告・エンタテインメント・交通・教育・医療・金融・不動産などの市場に破壊的イノベーションをもたらすだけでなく、気候変動で破壊されていく環境下において、私たちはどう未来を生き抜いていくかを考えさせられる一冊です。
テクノロジーはどこまで進歩しているのかを幅広く知ることのできるという点でも、おススメの書籍です。
ルポ 日本のDX最前線
酒井 真弓(著)
発行:集英社インターナショナル(2021/6/7)
新書判 240ページ
ISBN 978-4-7976-8074-4
この新書は全編ルポルタージュとして、DX(デジタルトランスフォーメーション)をテーマに奮闘する政府および各企業の取り組みについてまとめられています。
かなり定着したDXという言葉ですが、人によって解釈や意味する内容が茫洋としているのも事実です。DXが意味する内容を捉え直す1冊として、政府編・企業編とそれぞれ複数掲載されている取材・事例を確認してみるといいでしょう。
「マーケの強化書」でも展開してきたDX入門連載(合計10回)とも親和性の高い内容ですので、参照しながら読むのもよさそうです。
データサイエンスの無駄遣い 日常の些細な出来事を真面目に分析する
篠田 裕之(著)
発行:翔泳社(2021/10/28)
A5判 352ページ
ISBN 978-4-7981-6525-7
プログラミング学習が叫ばれる昨今、マーケターもデータサイエンスやプログラミングへの理解を深めなければなりません。教科書通りの学びが退屈ならこんな一冊はいかがでしょうか?
pythonやUnityを用いて著作者は様々なことをデータサイエンスの力で解決しようとしますが、それらがあまりにも個人的でスキルの無駄遣いで読み物ととして面白いのです。
この著者の自由な発想に触発され、『プログラミングをはじめる』まではいかなくても、どのようなことを実現するには、どのような知識が必要になるかを理解していく糸口となるでしょう。
データ分析、プログラミング、テクノロジー連携…データサイエンスの世界へぜひ一歩踏み出してみてください。
テレワーク環境でも成果を出す チームコミュニケーションの教科書
池田 朋弘(著)
発行:マイナビ出版(2020/11/27)
A5判 256ページ
ISBN 978-4-8399-7438-1
そもそものテレワークの臨み方から、テレワーク環境を有意義に過ごすための各種ツールの細かな使い方まで、テレワークに関連するさまざまなトピックを章立てながら、丁寧に説明している1冊です。
実務や実践を意識した内容ですので全体を通読して、すっかり固まってしまった自らのテレワークスタイルを見直すのもよし、自分がうまく対応できていない場面についてピンポイントで該当項目を読んで即実務に活用するのもいいでしょう。
著作が気になる人は、リモート仕事術について著者が運営するYouTubeチャンネル※もおすすめ。多数の動画コンテンツが公開中です。
いかがでしたでしょうか?読んでみたい本はありましたか?
参考になりそうな書籍との出会いがあったら嬉しいです。