マーケティング関連おすすめ書籍【2022年版】
マーケの強化書を運営する弊社ジェネシスコミュニケーションでは、学ぶこと・本を読むことが推奨されています。新任マーケターからビジネス戦略に携わるトップコンサルタントまで、彼らが今年2022年に読んだ書籍の中に、あなたの業務のヒントが隠されていると幸いです。コメントも合わせてご参考にしてください。
- おススメします
- 【マーケティング関連】
- ●未来をつくるグロースマーケティング
- ●パーセプション 市場をつくる新発想
- ●コトラーのマーケティング5.0
- ●売上が上がるフロントオフィスの設計図
- ●高業績を上げ続ける「三点思考営業」
- 【コンテンツマーケティング】
- ●DX時代のコンテンツマーケティング
- ●脱キーワード思考のコンテンツマーケティング[2022年版]
- 【デザイン・コンテンツ制作関連】
- ●思わずクリックしたくなる バナーデザインのきほん
- ●ザ・ダークパターン ユーザーの心や行動をあざむくデザイン
- ●取材・執筆・推敲 書く人の教科書
- 【行動経済学関連】
- ●行動経済学の処方箋 働き方から日常生活の悩みまで
- ●ビジネスデザインのための行動経済学ノート
- 【その他】
- ●プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本
- ●感動CX
- ●データ分析力を育てる教室
- ●マネー・ボール
未来をつくるグロースマーケティング
櫻庭誠司 (著)
発行: クロスメディア・パブリッシング (2022/10/28)
四六判 192ページ
ISBN: 978-4295407560
マーケティングとは「モノを売るための仕組みづくり」であり、利益を上げることにフォーカスして事業全体の持続的成長を実現するために、経験や勘ではなくデータに基づいて本質的な課題を見極めながら何を解決していくのかを明確化し、マーケティング成果を最大化することの重要性について、企業の具体的な事例を交えてわかりやすく紹介している書籍。
マーケティングとは何か?どうすればマーケティングを強化していくことができるのか?について学ぶことのできる良書だと思います。
パーセプション 市場をつくる新発想
本田哲也 (著)
発行 : 日経BP (2022/11/3)
四六判 268ページ
ISBN 978-4296200863
近年、「パーセプション」という言葉をよく耳にするようになりました。
本書では「パーセプション=客観的な認識」を通じて、いわゆる認知向上をしても売上や成果につながらない要因、認知重視の限界に触れながら、「パーセプション」を通じて「マーケティング課題の突破口が見つかる可能性」について言及しています。
具体例とともに解説している本書が、パーセプション理解を深める一助になるでしょう。
コトラーのマーケティング5.0
フィリップコトラー, ヘルマワン・カルタジャヤ 他 ・ (著)
発行 : 朝日新聞出版 (2022/4/20)
四六判 344ページ
ISBN: 978-4022518187
今、デジタルマーケティングをはじめる人に一冊だけ本を薦めるとしたら何をおススメするだろうか?
その問いかけに対しての答えが『コトラーのマーケティング5.0』。
マーケティングと言いながらアフィリエイトや広告の話だったり、「ビッグデータ」、「AI」、「Z世代」と言われてもバズワードがマーケティングに結びつかずに終わってしまう。そのよう状況から脱するためにもマーケティングの神様、コトラーの話に耳を傾けて欲しいのです。
まずは精読する必要はありません。目次や図版をパラパラ見るだけでも、気になる箇所からでも、マーケティングを学びはじめるのに、体系的にデジタルマーケティングの世界をつかみたい方にもおすすめします。
売上が上がるフロントオフィスの設計図
営業DX・CRM/SFA・MA活用・マーケティング戦略を一気に実現させる方法
本間 卓哉(著), 江尻 俊章(監修), 加藤善春(監修), 積高之(監修), 廣瀬隆彦(監修), 村田良輔(監修)
発行: クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2022/7/29)
四六判 240ページ
ISBN: 978-4295406914
マーケティングテクノロジーを顧客の獲得プロセスにあわせて仕組み化していくというジェネシスの考え方ととても近い本です。B2Bのマーケティングの勉強になると思います。見込客情報を貯める箱としてSFA/CRMツールを活用し、その上でコミュニケーションの自動化ツールとしてのMAを導入するなど、マーケティングツールの役割を単純化して説明しているので概念的な理解をしやすいと思います。また、どのような情報を獲得すべきかも紹介しています。見込客に聞くべき「BANTCH」、Budget(予算はいくらか)、Authority(決裁権は誰が持っているか)、Needs(ニーズはどこにあるのか)、Timeframe(導入時期はいつか)、Competitor(競合他社はいるか)、Humanresources(利用者の人員体制はどうか)を営業支援ツールに蓄積していくべきとしています。
ただし、本書ではアンケート方法やメール送信などの具体例は紹介されていないので、あくまでも全体設計をどうすべきかを理解するための本として読んでみたいところです。
高業績を上げ続ける「三点思考営業」
安定収益型の最幸最強営業を目指す
馬橋和弘(著)
発行:ごきげんビジネス出版 (2022/4/28)
四六判 160ページ
ISBN: 978-4910403366
「三点思考営業」は、お客さまとパートナー関係を築き、高業績を上げ続けられるようになるためのメソッドです。短期的に「売れる」ジェットコースター型の営業ではなく、中長期的に「選ばれ続ける」安定収益型の営業を目指すことを意味します。
キーワードなる「三点」とは、「ありたい姿」「現状」「何ができれば」よいのかを指します。顧客価値実現に向けて、この三点を傾聴・共感し、コンセプトで合意するためにどうすべきかと考え方を提示してくれます。つまり顧客の課題解決に正面から向き合う「実現支援型営業」をいかに実現するか。顧客のニーズに傾聴するために、ヒアリング力を高めるべきか。提案すべきは「共感されるコンセプト」であり、そのために自社製品がいかに役に立てるかをプレゼンテーションすべきとしています。本書がユニークなのは、三点が十分に聞けていなかった場合どうするべきか、ためらいや疑問をどう解消するかにも触れているところ。現場ではよく起きそうなことです。ウェビナーやオンライン面談など実務で参考にできそうなことも多い本です。
DX時代のコンテンツマーケティング
Content Marketing Academy (著), 田所 浩之 (著), 村上 健太 (著), 伊東 周晃 (著), 戸栗 頌平 (著)
ASIN: B09CV83K5G
発行: Content Marketing Academy; 第1版 (2021/9/27)
形式: Kindle版
ファイルサイズ : 35581 KB
日本語でコンテンツマーケティングについての体系をまとめてある本はあまり多くはありません。そのようななかでこの本は参考になります。
実は私に本を紹介してくれたのはコピーライターの近藤智子さん。この本を発行しているContent Marketing Academyが主催するCONTENT MARKETING DAY2022にも登壇されています。
近藤智子さんのインタビュー記事はこちらです。コピーはヒラメキだけじゃない!コピーライターが語る いいコピー、悪いコピーをどう判断する?
※2022年12月現在、こちらはデジタルの書籍のみとなっていますのでご注意ください。
脱キーワード思考のコンテンツマーケティング[2022年版]
渡辺隆広 (著)
発行: 小鳥社 (2021/12/22)
A5判 129ページ
ISBN 978-4907110086
コンテンツマーケティングでは、月間検索ボリュームの多いキーワードに関連した記事を量産していくという手法がよく用いられます。
しかし、コンテンツマーケティングの本来の役割はユーザーに対して「有益」で「価値ある」コンテンツを提供することであり、Googleに評価されるかどうかではありません。
この本では、ユーザーがコンテンツに接する時の視点に立った、本来あるべきコンテンツマーケティング施策の重要性をわかりやすく解説しています。
思わずクリックしたくなる バナーデザインのきほん
カトウ ヒカル (著)
発行: インプレス (2022/2/9)
B5変型判 176ページ
ISBN: 978-4295013273
バナーデザインだけでなく、ちょっとしたPPTの指示書などにも使えるでしょう。ロジカルに書かれているので、デザイン意図の説明にも役に立つと思います。
今年、マーケの強化書編集部もインタビューでお世話になったカトウヒカルさんの書籍です。
カトウヒカルさんのインタビュー特集は2つ。書籍では語り尽くせなかったデザインについての話題と、ご自身が実践されているTwitterの運用についての秘訣を教えてもらいました。
インタビュー記事はこちらから
・非デザイナー必読!デザインの基本を知ろう
・ビジネスパーソンが悩む SNS運用のコツ!
ザ・ダークパターン ユーザーの心や行動をあざむくデザイン
仲野 佑希 (著), 宮田 宏美 (監修), ダークパターンJP編集部 (監修)
発行: 翔泳社 (2022/8/3)
A5判 :224ページ
ISBN: 978-4798172460
読みたいコンテンツに広告が重なりイラついた経験はありませんか?解約しようと思ってサイトを見ても解約方法が分からなかったり、自分の意図とは異なるボタンをクリックしてしまったり…。
あなたが自社サイトのCV率向上のために行った工夫が、実はダークパターンである可能性もあるのです。
ユーザーとして読めば自身のITリテラシーの向上になりますし、マーケティング施策を実施する側から読むならば、やってはいけないラインの見極めが出来るようになるでしょう。
サイトのデザインをする人もデザインをチェックする人にもおススメします。
取材・執筆・推敲 書く人の教科書
古賀 史健 (著)
発行: ダイヤモンド社 (2021/4/7)
A5判 480ページ
ISBN: 978-4478112748
オウンドメディアに関わる担当者、コンテンツ制作に関わる人で、少しでも経験を重ねてきた人が読むのにおすすめです。ライターという職務に関わる「取材」「執筆」「推敲」を深く掘り下げながら、本質的に「書くこと」を追求した内容になります。
本書で「執筆」とは「考えること」と説いています。オウンドメディアのコンテンツ作りで、書くことばかりに気を取られがちな人ほど、本書を通じて書くことを捉え直す機会につながりそうです。やわらかな語り口で構成されているので、入門者も読み通しやすいですが、経験を通じて壁にぶつかり、痛い目を見てきた人ほど納得しやすい内容が並びます。
実務に関わる内容をさらに読みたい人はこちらの連載もおすすめです。「オウンドメディア担当者」必読連載!
行動経済学の処方箋-働き方から日常生活の悩みまで
大竹 文雄 (著)
発行: 中央公論新社 (2022/11/21)
新書判 256ページ
ISBN: 978-4121027245
行動経済学に関する新書です。コロナ対策など身近な出来事を例にしながら、行動経済学の使いどころに触れています。
プロローグに「私たちは論理的には同じことであっても、異なる表現で示されたときに、異なる意思決定をすることがある」とある通り、理屈では通らないがついやってしまう人々の行動や変容について、新書の読みやすさで捉え直す機会になるでしょう。
「マーケの強化書」で連載中の『「行動デザイン」を学ぶ』とも親和性のある内容で、連載でもなじみの「損失回避」や「ナッジ」なども解説されています。
ビジネスデザインのための行動経済学ノート
バイアスとナッジでユーザーの心理と行動をデザインする
中島 亮太郎(著)
発行:翔泳社(2021/9/13)
A5判 232ページ
ISBN 978-4-7981-6993-4
自社内からの複数の高評価の声があがった良書です。
一章ワンテーマで、例示も多く分かりやすく、初歩的な感じだけどかなりのパターンを紹介してくれています。また、4つナッジも説明していて、実務にも使える内容だと思います。
マーケの強化書で連載中の國田圭作さん「行動デザイン」を学ぶをご愛読いただいている読者の方にもおススメします。
マーケの強化書連載中
デジタル時代にどう人を動かすのか?~「行動デザイン」を学ぶ
その他、おすすめ書籍もご紹介します!
プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本
交渉・タスクマネジメント・計画立案から見積り・契約・要件定義・設計・テスト・保守改善まで
橋本 将功 (著)
発行 : 翔泳社 (2022/11/8)
A5判 272ページ
ISBN : 978-4798177410
プロジェクトマネジメント(PM)を感覚的に捉えてきた人や、これから業務に携わりながら経験値を積んでいきたい人にとって、体系立てて記されたこうした書が大いに参考になります。
本書では PM を「球拾い」と例え、「プロジェクトとメンバーを守る仕事」と説いています。「地道で細かい作業の積み重ね」であり、スキル不足がプロジェクトへの大きな支障をもたらす業務だからこそ、PM の全体像を細分化し、各工程を丁寧に解説しているところが、本書の読みどころです。
例えば、本書冒頭で全体像を確認。自らのスキルセットをセルフチェックしながら、折に触れて足りないエッセンスを重点的に読むといいでしょう。
感動CX: 日本企業に向けた「10の新戦略」と「7つの道標」
ベイカレント・コンサルティング (その他), 八木 典裕 (著), 則武 譲二 (監修)
発行 :東洋経済新報社 (2022/8/26)
単行本 400ページ
ISBN: 978-4492962084
感動CXとは全ての企業が目指すもの。本書を読み進めて、改めてそう考えさせられる良書です。
概念的な説明に終わらず、具体的な事例やインタビューが多く、イメージがしやすい構成で内容は理解しやすい。
ボリューム多めですが、気になるトピックだけを読むのもアリ。CXの参考書的位置付けとして、読み込む価値あります。
データ分析力を育てる教室
松本健太郎 (著)
発行: マイナビ出版 (2022/6/28)
A5判 240ページ
ISBN : 978-4839976392
ツールを使いこなす、数値が読める、それらだけではデータ分析とは言えません。
「同じデータやグラフを見てもイマイチ分からないんだよなぁ…」そのような経験のある方、分析の初心者におススメの本です。この本には難しい○○分析の手法などは出てきませんが、データ分析をするために何をどのように考えるべきなのか?基礎力が身の付くことでしょう。
データ分析について中級者以上の方は、各章のふりかえりに穴埋め問題がありますので、それを解いた後に本文を読んでも良いかもしれません。相手に伝えにくかったデータ分析の考え方の整理や、データを使ったコミュニケーションがより円滑にもなるかもしれませんね。
マネー・ボール〔完全版〕
マイケル・ルイス (著), 中山宥 (翻訳)
発行 : 早川書房; 完全版 (2013/4/10)
文庫 462ページ
ISBN 978-4150503871
「マーケの強化書」読者の方には既読済みが多いかもしれません。この書は、野球に関するあらゆる「諸要素をあらためて見直そう」とした経緯をまとめた、著名なノンフィクションです。その内容から、行動経済学や統計学の文脈で取り上げられることもあります。
今読むと、当時と現代との年月の差や、さらに変化する現状を比べて舞台の古さを(やや)感じなくはありませんが、ルーティンで片づけてきたさまざまな業務上の見方、やり方、方法の再点検が有用であることを示す1冊です。
いつも手に取るのは仕事関連の本ばかり、という人は(これも仕事関連の本だと突っ込まれそうですが)、年末年始のまとまった時間で大きなストーリー(既存のアプローチの再検討)に身をゆだねながら読むといいでしょう。
いかがでしたか?読んでみたい本はありますか?
参考になりそうな書籍との出会いがあったら嬉しいです。