「オウンドメディア担当者」必読連載!

今日から使える ~実践的、社内インタビューのススメ~

オウンドメディア運営で、慣れない運営担当者と慣れない書き手の両面を強化したい場合、オススメなのが社内の異なる部門の社員同士でインタビューを行うことです。運営担当者は場作り自体が貴重な経験値となり、書き手自身は実践を通じて自らの力量に気づく絶好の機会となります

では、運営担当者が主導する社内メンバーへのインタビューの効用と実践方法について解説します。

目次

社内インタビューで意味のある場数(経験)を重ねる

インタビューの実践は、率直に当事者(参加者)の経験力を高めます。誰もが最初は慣れておらず、要領よくやれないものです。そこで、「オウンドメディア運営」という目的のもと、部門間交流とともにコンテンツ作りの機会として実行します。外部のリソースに頼らずできる点でもオススメです。

運営担当者は、異なる部門同士の組み合わせを考え、1対1の状況を設定。各部門からは参加者1名の協力をお願いします。インタビュー参加者には、原則聞き手(執筆)と受け手(回答)の両方を必ず行うルールを適用。両方を行うことで、インタビューする側(書き手であり聞き手)とインタビューされる側(受け手であり回答者)の両面の苦労を直接経験する機会とします。立場の異なる相手を前に「曖昧に相手に聞くと、書く際に困る」感覚や「あやふやに回答すると、まとめられた記事の内容に誤解が生じてしまう」経験など、それぞれの立場で生じやすいミスやズレを体感して、次回以降のコンテンツ作りの現場で経験が活かせるようにします。

インタビューが実施できると、コンテンツ作りの充実化にもつながります。こうした機会を軌道に乗せて、将来的にさまざまな部門を巻き込んだ、会社や製品/サービスに関するコンテンツ提供へとつなげましょう。

社内コミュニケーションの強化にも役立てよう

加えてインタビューの実施を、部門間の相互理解への促しに役立てます。交流がまったくない部門が、みなさんの会社内にもありませんか? マーケティング部門と営業部門の折り合いが悪い、などと言われるのが典型例です。「オウンドメディアのために」という共通の目的を口実に、運営担当者が仲立ちして、疎遠で異なる部門同士の交流のきっかけを作り出しましょう。

運営担当者側は、参加者が気持ち良く、不安なく協力できる場作りに徹します。書き手の覚醒も促したいので、運営担当者の関与の度合いは気をつけたいですが、参加者に任せすぎるのはNG。参加者の事前準備や当日の負荷が大きくなりすぎるので、一定のフォローは必ずすること。インタビュー未体験の参加者には、「率直に気になること」を出発点に運営担当者が一緒になって相手の部門の「気になる要素」を挙げていきます。この気になる要素が質問リストのタネです。一通り出した要素は「ユーザーにとって気になることか?」について後ほど精査もします。

質問項目は多めに用意できるとベターです。テンポよく進んで短時間で「聞くことがなくなった」とならない用心と準備は必要です。同時に受け手(回答者)となる場面では、一言で完結する、話が広がらない答え方をしないよう運営担当者があらかじめアナウンスしておきます。

「5W1H」で質問事項の材料を作る

インタビュー用の質問リストは、気になることの羅列で作ると行き詰まります。数を確保しながら、確度の高い質問作りをするには、書き手(聞き手)のインタビューのスタンスを明確化しながら相手のことを思い浮かべると、アイデアが出やすくなります。ここでは、みなさんもよく知る「5W1H(When、Where、Who、What、Why、How)」を使って異なる角度から要素を洗い出し、質問項目を導いていきます。

参加者には、「5W1H」について書き出せる共有シートを用意しておくといいでしょう

ここでは「マーケティング部門と営業部門との相互インタビュー」という設定で、マーケティング部門が聞く「営業部門とは?」(もしくはその逆)を実際にやってみます。

質問リスト作りは、書き手(聞き手)が中心になって作るようにしてください。慣れていない人ほど優先的にやってほしい作業ですが、過度に負荷がかかる可能性もあります。運営担当者は書き手に完全に任せっぱなしにはせず、質問案の一例を示したり、切り口の見つけ方を提案するなど、書き手(聞き手)が次の一歩を踏み出しやすい状態を作りながらインタビューの事前準備をお願いしていきます。

出発点は「営業部門に対して自分が気になること」。「When(いつ)」では、コンテンツ公開の時期(想定でOK)か、インタビューの相手が営業部門で働き出した時期について考えます。例えば、1カ月後の公開に備えて聞いておきたいこと(=営業部が対外的or社内に向けて伝えたいこと)、在籍期間に紐づくこと(=当初の印象と現在の認識の違い)などが、質問案として着想できそうです。この要領で次々と進めましょう。

「Where(どこで)」は、参加者が専念しやすいように運営担当側で「オウンドメディア」と指定。書き手には「オウンドメディアを通じて伝えたい情報」という意識づけを強める項目とします。

「Who(誰)」は、「自分が気になること」が「どのようなユーザー層に“も”共通して知りたいことか?」を整理します。

社外向けに目を向けると、
1 すでに会社やサービスのことを知っていて、さらに理解につなげてほしいユーザー
2 これから会社やサービスを知るきっかけにしてほしいユーザー

社内へのメッセージも含めると、
3 各部門の理解を少しでも深めてほしい社員およびパートナー企業

1〜3の中で、自分が知りたい内容がどの立場の意識と近いかを考えます。


「5W1H」ごとに気になる要素を書き出していきます。これらが、質問の中身を広げたり深めたりするための材料になります

一般のインタビュー現場を想定して実行する

What(なに)」では、「営業部門とは?」の切り込み方を考えます。「マーケティング部門が抱く営業部門へのイメージ」示せると、一般論とは違った質問が作れそうです。

Why(なぜ)」は、「What」までで導いた要素を整理して、さらに深まった目的や理由を見出す項目とします。社外に向けて「会社もしくはサービスの多様な側面を伝えたいから」とするのか、もっと「部門間の理解促進」を優先して、マーケティング部門が考える営業部門についての印象や感想を伝えて、そのことを受けてどう考えるかを質問するのか。後者の場合、縦割りで部門間の相互理解ができていない他社ユーザーの共感を呼ぶコンテンツを目指すべきでしょう。

How(どのように)」は、書き方です。書き慣れていない人ほどお互いの発言が交互に出てくる書き方が書きやすいでしょう。実際に書き出すと、現場で話した内容をそのまままとめてもうまく構成できない現実に突きつけられますが、その経験こそが取り組みの効用です。

参加者が1人で作れなければ、運営担当者が要所でアシストを! WhoやWhyなど、複数出てくる方向性はどちらかに定めると(上は、部門間促進の目的を優先した内容)、質問項目へとまとめやすくなります

材料(タネ)に基づいて、質問リストとして聞きたい内容を言語化(整理)して、当日を迎えましょう。質問リストの理想は、質問リストの順番が記事で展開予定の構成にそのまま準じていると、原稿を起こす作業が楽になります。質問の順番は、思い浮かんだ順のままとせず、構成を意識して適宜組み直してください。注意したいのは、あまり「質問順=構成」の意識が強いと、聞き手が回答者の答え方を抑制してしまい、互いのやり取りの中で出てくる話のダイナミズムが削がれることもあります。話の内容がよくなければ、当然コンテンツの魅力は減ります。そうした現場での塩梅や加減は、経験や慣れが必要です。

最後に時間の区切り方についてです。制限時間内で用意した質問がすべてできるのか、できないのか、時間が余りすぎるのかも含めて、実践を通じて現場を体感してください。1コンテンツあたり2,000〜3,000字であれば、30分程度時間を取れていれば十分でしょう。スムーズな受け答えができる間柄であれば、30分以内で終わるかもしれません。

ただし、聞き手が質問慣れしていなかったり、回答者が答え慣れていない場合、どれほど事前に質問リストを共有していても、時間内に核心をついた回答が出てこない可能性はあります。そのことを加味すると、運営担当者側は予備時間を含めて1時間程度を見込んでセッティングできると安心です。

ここで示した準備の仕方や、質問案の出し方を参考に、オウンドメディア運営全体の実践力を強化しましょう。

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