コンサルタントのコラム

“使える”DMPを開発するためのポイント

デジタルマーケティング全盛の今、日々生み出される膨大なデータを効果的に活用してマーケティング成果につなげるために必要不可欠な基盤が「DMP(Data Management Platform)」です。

マーケティングの基盤となるDMPは、わかりやすく言えば顧客に関わる多種多様なデータを統合して格納したデータベースです。言うまでもなく、DMPの目的は、データを格納すること自体ではなく、上述したように“効果的に活用してマーケティング成果につなげること”です。

そこで、今回は“使える”DMPを開発するために押さえるべきポイントについて簡潔に解説いたします。

DMPを構築するきっかけ

眠れるデータを宝に!
orパーソナライズに対応!
とにかくDMPを構築しよう

DMPを構築するきっかけは各社それぞれですが、弊社にお問い合わせいただく様々なクライアントの話をお聞きすると、以下の2つが典型的です。

・「データを活用せよ!」というトップからの命令が下った

どんなマーケティング施策を展開するにせよ、企業内には膨大なデータが様々な部署の様々なデータベース、あるいは単なるデータファイルとして蓄積されていきます。

例えば、マーケティング部門には、メディアから提出された広告出稿データが保存されている一方、営業部門にはCRMデータや販売履歴データが、またWebサーバにはサイトのアクセスログデータがたまっています。

問題は、それぞれのデータが独立して存在しており、活用できる範囲が限られてしまっていることです。このため、企業トップとしては、せっかくの宝の山が放置されているという認識になり、「社内に眠る膨大なデータを宝に変えよ」という命令が下るのです。そこで、とにもかくにもデータを一か所に集めて統合したDMPを構築しなければ、ということになるわけですね。

・CMSやMAなどのマーケティングテクノロジーツール導入による、One-to-Oneマーケティングの取り組みを始めたい

顧客の属性や興味関心、サイトの訪問履歴、購買履歴などをもとに、Webサイトのコンテンツを出し分けたり、パーソナライズされたeメールを送ることでレスポンス(反応率)を高めるため、パーソナライズ機能を備えた高度なCMSやMAの普及が進んでいます。

CMSやMAによる、効果の高いパーソナライズを行うためには、多様な顧客データが一元化されていなければなりません。なぜなら、ユーザーの属性やサイト訪問履歴、購買履歴等が統合されていてこそ、一人ひとりのユーザーに対し、最適化されたライトメッセージをライトタイミング、ライトチャネルで提示可能となるからです。そこで、CMSやMA導入、またサイトリニューアルに際して、コミュニケーションのための基盤としてのDMPを構築しよう、となるわけです。

DMPを巡るクライアントの悩み

どこから?どうやって?全部?
DMP構築の悩みはつきない

さて、きっかけはなんであれ、いざDMPを構築しようと検討を始めたクライアントが最初に直面する悩みがあります。これも3つほどあります。今回の記事では、これらの課題に対する解決の方向性を提示します。

・どこから手をつけたらいいのか?

DMPを構築するにあたっては、顧客データを統合して終わりではなく、CMSやMAと連動させ、データに基づくマーケティング施策、端的に言えば「データ・ドリブン・マーケティング」をどのように展開するところまでを俯瞰して構想しなければなりません。

しかし、「データ・ドリブン・マーケティング」の全体構想を踏まえたDMP構築となると、どこから手をつければよいのか、とりわけ初めてDMP構築を経験する方にはイメージが掴めず、途方にくれてしまうようです。

・とにかくデータは全部取り込んで統合すべきなのか?

DMPを活用したマーケティング施策を検討する前に、まずは手持ちのあらゆるデータをDBに入れて統合すべき、と考えてしまいがちな担当者が意外に多いものです。しかし、「統合」は口で言うほど簡単なものではありません。

統合したいデータの種類が増えるとそれだけ工数が増え、費用もかさみます。DMPによる顧客データ統合に時間がかかってしまい、本当にやりたい「コミュニケーション施策」がいつまでたっても実行できないようでは意味がありません。

・どうやったら有効活用できるのか?

DMP構築が完了し、またCMSやMAなどの各種マーケティングテクノロジーツールと連携するまではできたとして、どのようにデータを分析し、その結果をどのようにマーケティングテクノロジーツールに組み込めばDMPの有効活用ができるのか、イメージがつかない、という担当者もいらっしゃいます。

DMPの有効活用の鍵は「分析モデル」

分析モデルで、データから顧客を分類、将来の行動を予測

実は、DMPを有効活用できるかどうかの鍵は「分析モデル」が握っています。

分析モデルは、データ分析の結果に基づいて開発する「方程式」のようなものです。分析モデルは、データから顧客を分類したり、将来の行動を予測したりするために用います。

例えば「顧客セグメントモデル」は、顧客の属性やサイト訪問履歴、購買履歴データを入力すると、「この顧客のセグメントはA」「あの顧客セグメントはB」というように個々のお客様に該当する顧客セグメントに振り分けを行うモデルです。

この顧客セグメントモデルをCMSやMA組み込めば、セグメント毎に異なるコンテンツの出しわけが可能になり、ターゲットユーザーからの高いレスポンスが期待でき、成果につながります。

逆にいうと、顧客セグメントモデルがなければ、コンテンツ出しわけは難しくなります。つまり、DMPを有効活用するためには、分析モデルが不可欠なのです。

そして、どんな分析モデルを開発するかによって、そのモデル開発に必要なデータの種類が決まります。すなわち、開発したい分析モデルを明確化すれば、自ずとDMPにぜひとも取り込みたいデータが何かを決定できるというわけです。

やみくもにあらゆるデータを統合しようとせず、まず開発する分析モデルに応じて必要なデータだけを統合することからDMP開発をスタートすることが可能となり、短い期間で本来の目的である「コミュニケーション施策」の実行に移ることができます。

さらに、どんな分析モデルを開発するかは、コミュニケーション施策によって決まります。例えば、既存客対象のロイヤルティ施策を行うために必要なモデルは、まずは顧客ロイヤルティモデルや顧客レスポンスモデル、顧客LTVモデルなどです。他の分析モデルの必要性は高くありません。すなわち、分析モデルの開発も、いまやりたい「コミュニケーション施策」を明確に定めて、それに必要なものだけに絞ればいいのです。

これまでの議論をさかのぼる形でまとめます。

・実行したい「コミュニケーション施策」によって、必要な分析モデルが決まる
・開発する分析モデルが決まれば、そのモデルに必要なデータが決まる
・必要なデータが明確化すれば、DMPに格納すべきデータが明確化する
・分析モデルによって、DMPをCMSやMAと連携させた有効活用が可能になる
・結果として高いレスポンス、成果につながる

ということになります。

ですから、“使える”DMPの開発のためには、コミュニケーション施策の企画・設計を起点としなければならない、そしてなにより「分析モデル」を開発すること、この2点が、当記事でお伝えしたい“活用できる”DMP開発における最重要ポイントです。

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