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ノンデザイナーの本音。便利だから使いこなしたい! フォーマットの活かし方

デザインの基本を学び、実際に自分でクリエイティブを作っても、すぐにうまく作れるわけではありません。特にビジネスパーソンは、本業と違って取り組める時間も限られます。どうすると、納得できるものが作れるのか? オンライン講座「kanvas study plaza」を主催し、数多くの未経験者、デザイナー志望者とも向き合ってきたカトウヒカルさんに、今回はフォーマットデザインへの対応など、実務で直面しやすい場面について意見交換をしました。

目次

カトウヒカルさんが伝える【デザインがもっと上手になるポイント】
・フォーマットを使うから安心ではない。制作者は割り切りも必要。
・フォーマット運用後の状態も考慮し、文字量の変化などにも柔軟に対応。
・汎用性の高いフォーマットは無難になりがち。目的や運用者のスキルに合わせて作る。
・表現を変えたくなった時は本業との兼ね合いを考慮し、時間的余裕がある時に挑戦する。
・ビジネスパーソンは実務ありき。締め切りを守れる範囲で、新たな可能性(表現方法など)を試す。

フォーマットと運用後の状態を確認する

田代

田代

第3回は、あらかじめ用意されたフォーマットの活かし方や限界について考えたいです。本業としてクリエイティブに携わっていないビジネスパーソンが、負担を少なくしながら一定の品質を保ち作る方法の1つに、フォーマットの運用が挙げられます。

1年前(2022年)のインタビューでは、「マーケの強化書」が各コンテンツで用意するアイキャッチ素材を用いて、カトウさんにフォーマット見本を作っていただきましたよね(※)。

※参考リンク: デザインの基本を知ろう #03 プロにクリエイティブ修正をお願いしてみた

元々編集部が用意していた状態(「ビフォー」)に対して、添削を兼ねて用意していただいたのが下の「アフター」です。さらにアフターをフォーマットとして用いながら、各回に応じて編集部がアレンジして使った状態が、「運用状態」です。

フォーマット利用している連載記事:「行動デザインを学ぶ」
田代

田代


必要に迫られて、デフォルトより文字を加えた箇所は出てきていますが、元のフォーマットに準じて使えていると思っています。

カトウヒカル氏

カトウ


そうですね、問題なく使えていると思います。

フォーマットが崩れてしまう理由

田代

田代

フォーマット運用で難しいのは、初期と同条件のままで使われるわけではないことでしょうか。運用の中で、いつの間にか型が崩れてしまったり、うまくいかなくなる場合があり、悩んでいる人も多いのではないかと思っています。

カトウヒカル氏

カトウ

崩れる要因の1つに文字量がありますね。用意したフォーマットで規定した文字数であれば問題なくても、想定する文字数より増減が大きいと、そもそも使う側を迷わせます。

作り手の立場上、用意されたテキストを勝手に変えたり、削ったりはできません。クライアント案件であれば、規約にも関わる可能性がありますから。作る人は、用意されたテキストを与えられた必要条件として捉え、最善の形を模索します。作る前にもし気になるなら、必須の文言とともに、場合によって削ってもいいテキスト箇所があるのかを依頼相手に確認したほうがいいですね。

田代

田代

僕たちの経験でも、クライアント案件でそのあたりが明文化されていないことがほとんどです。必須条件、メインの条件が何かが示されず、箇条書きのメモにはすべての扱いが同じように記載されていたり……。こればかりは、ディレクターなり窓口になった人が仕事を引き受ける段階で気づいて、早く相手に問い合わせるのが理想です。

制作する側の心がけとしては、一度受け取ったものをそのままにしないこと。穿って確認してみる。それが社内のことでも同様です。上司からの指示に対して、どれがメインのメッセージなのか。自分はこう受け取ったけれど、違っていないか? つまり、依頼相手から狙いを引き出すステップを踏んでおきたいです。

汎用性の高いフォーマットの弱点とは?

カトウヒカル氏

カトウ

「幅広く対応できるフォーマットを用意すればいいじゃないか」という意見があると思います。ここでフォーマットそのものについて言うと、汎用性の高いフォーマットほど、面白みのない無難な表現になる可能性が高いです。例えば、文字量を1行で収めたい箇所を2行になっても対応できるような崩れづらいフォーマットとなると、おとなしい構成にするしかないからです。

田代

田代


どういうフォーマットにするかもまた、割り切りが必要ですね。

カトウヒカル氏

カトウ

「見事だな」と感じるようなフォーマットは、崩れやすい可能性が高いです。フォーマットに特殊な工夫を施して、表現が尖り面白みが出て、見る人の興味を惹きつけやすいけれど、崩れやすい。用意したフォーマットの条件に、かなり厳格に沿う必要が出てきます。加えて運用する側のリテラシーによっても、冒険できるフォーマットになるか、最大公約数として使いやすさを重視したフォーマットになるかが変わってきます。

田代

田代


常に、フォーマットがあるから大丈夫、と思わない。フォーマットが「万能策ではない」ことは、肝に銘じておきたいですね。

“楽をしたいからフォーマット”という意識では、うまくいかないでしょう
カトウヒカル氏

カトウ

おっしゃる通りです。継続的な運用を見据えるなら、運用する側のリテラシーや都合にあわせたフォーマットを用意しましょう。より汎用性を求めたい場合や、運用する側のリテラシーが決して高い状態でないなら、冒険していないフォーマットになるはずです。面白みはないけれど、無難で堅実に運用できるとも言えますので、目的や運用側の条件や状況にあわせてほしい。決して“フォーマットを使えば楽だから”という意識で使わないことです

いつもと違うことは、やっていいの?

田代

田代

運用する側からすると、特にフォーマットベースであればなおのこと、“いつも似たようなデザインになる”ことへの抵抗を感じたりします。変えたい気持ちが出てきた場合、どう考えるといいでしょうか。現実は、なかなかうまくいかないじゃないですか? 例えば、いつも横書きだから縦書きにしてみたけれど、うまくはまってくれないですし(苦笑)。

カトウヒカル氏

カトウ

本来の業務とは別の作業として取り組んでいるなら、一定の割り切りは持つべきでしょう。無難に要素を置きにいく箇所が出てきてもいいのです。社内、社外を問わず仕事には締め切りがあるし、他にもたくさんやるべきことを抱えているはずで、業務時間は限られています。“たまには違った表現にしてみるか”と攻めたところで、その多くがこけてしまいがちです。

田代

田代


作る側では、割り切りについても話し合って、制作関係者の中で同意を得ておくことが必要ですね。

カトウヒカル氏

カトウ

表現として攻めたい気持ち自体は、大事なことです。デザイナー志望者や、意欲的に制作に取り組みたい人には果敢に挑んでほしいです。ただし、本業の兼ね合いや締め切りがあるので、残された時間を考慮しながらチャレンジしてほしいです。

田代

田代


このたびも3回にわたってお付き合いいただき、ありがとうございます!

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株式会社ジェネシスコミュニケーション

ジェネシスのマーケティングプロフェッショナルが編集を担当。独自の視点で厳選した実践的ナレッジをお届けいたします。

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