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ノンデザイナーの本音。「うまくなりたい」あなたに模写のススメ

社内でクリエイティブを用意する必要があっても、普段作り慣れていないビジネスパーソンだと、なかなかうまく作れないものです。前回に続いて今回も、オンライン講座「kanvas study plaza」を主催し、数多くの未経験者やデザイナー志望者と向き合ってきたカトウヒカルさんにインタビュー。カトウさんは、デザインの基本が身につく改善策に「模写」を勧めています。その真意について、話をうかがっています。

目次

カトウヒカルさんが伝える【デザインがもっと上手になるポイント】
・良いデザインサンプルをたくさん見て、自分の引き出しを増やしておく。
・PowerPointなどの場合、自分が「いい!」と思う企業の資料を参考にする。
・悩まないためにも、まずはGoogleなどで参考画像を検索し、方向性をとらえる。
・気に入ったデザインの模写を行い、フォント、色使いなどをマネて感覚をつかむ。
・制作前に依頼者と制作者は、要件だけでなく補足情報やニュアンスについても確認し合う。
・慣れた相手でもコミュニケーションを取る時間を意識的に設ける。

なぜ「模写」がいいのか?

田代

田代

前回は、デザインの基本をしっかりと学んだつもりでも、なかなか制作に学びの成果が結びつかない場合についての話をしてきました。今回はさらに一歩進めた話をしたいです。

より具体的に、「何をするといいか?」についてです。例えば、学びながらデザインとして優れているものをたくさん見ておくといいのでしょうか? それとも、見ておく前に素材作りを多数行い、手を動かす経験を重ねておいた方がいいでしょうか?

カトウヒカル氏

カトウ

どちらも大事ですよね。さまざまな成果物を数多く見ておいて、自分の引き出しを増やしておくことはとても重要です。「こういうやり方があったか」「このような表現ができるのか」という気づきや発見を通して、自らの表現の選択肢を広げておけるからです。事前に知っておかないと、手が動きようがないとも言えます。

あわせて、作る数を重ねておくことも大切です。“いざ作ろう”となっても、頭で思い描いた通りにはできないからです。手を動かしながら、少しずつ思い描く理想と仕上がりの現実に生じたズレを認識してほしいですし、徐々にズレが埋まっていくよう、経験を通じて技量を磨いてほしいです。

田代

田代


どちらを優先して、という話ではなくて、両者とも欠かせない行為というわけですね。

カトウヒカル氏

カトウ

はい。そこで僕は、これら両方をそれぞれ伸ばしていける方法が「模写」だと考えています。例えば、参考にしたい素材や自分が気になっているデザインサンプルを模写することで、両者のエッセンスをそれぞれ吸収できる機会になります。まずは一度、気軽にやってみてほしいです。

ただし、模写は本来デザイナー志望者に勧めるアプローチですので、ビジスネパーソンの中にはオーバーワークに感じられる人がいて不思議ではありません。あくまで無理のない範囲でやってみてください。

田代

田代

詳しく細かい模写となると、「デザイナーになりたいわけではないのに」と言われそうですが、何事にもある程度の練習、鍛錬が必要なのも確かです。デザイナー志望者がやるようなレベルの精緻な模写ではなくて、おおよそのところまでをやってみる。できれば定期的に手を動かす時間を作っていくことが必要な気がします。

カトウヒカル氏

カトウ

自分で「これは、格好良く感じるな」「こうしたデザインが好きだな」と思うものを、1度でも2度でも模写してみてください。その過程の中で、感覚的につかめるコツがあるはずです。そうした経験を少しずつ重ねていくと、自分が作ったものの品質に変化が出てくると思います。

自分が「いいな!」と思えるものを、一度マネしてみると、その過程で制作の感覚が養えます

PowerPointしかり。良質な資料と意識的に接する

田代

田代

ここまでの話は、例えば「イけている(=見映えが良くて、相手にきちんと伝わる)PowerPointを作りたい」にも通じると思っています。

僕が思い出すのは、15年くらい前に言われた一言です。当時の先輩社員から、「“これは!”と思う会社の、株主説明会用資料のマネをするといいよ」でした。企業の活動を短時間に伝えるために、膨大な情報量を練りに練ったテキストやアイコンが掲載されている、という視点で参考にするわけです。

カトウヒカル氏

カトウ

とても大事な話だと思います。自分が「いいな!」と思うデザインや成果物について、日頃から自分でリストアップしておくといいでしょう。その上で、「どこがいいのか」「なぜいいと思ったか」を言語化しておくのです。「これはフォントの使い方がいいぞ」「あれは色使いが良かった」とメモとともに残しておくと、後から振り返りしやすいですし。

また、気に入った配色があれば、カラーコードを取っておくといいでしょう。「赤にはこの色と組み合わせると映えるぞ」みたいなことが、自分が「いい!」と思った成果物を通じて学べるからです。

田代

田代

PowerPointのことで付け加えると、今なら勢いがあるベンチャー系企業、IT系の会社だったり、デザインセンスが伝わってくる若い会社などの資料を見るのも良いですね。すべての会社がうまくできているわけではないですが、資料の見やすさや要素のまとめ方、使っているフォントや配色は自分も参考にしています。

カトウヒカル氏

カトウ

そうですね。できれば参考にするだけでなく、1度でもいいから、自分で手を動かしてマネをしてほしいです。頭でわかっていても実際に手が動かないので。多くのノンデザイナー(ビジネスパーソン)がハードルになるのは、頭で思い描いたことの具現化です。少ない回数でいいので模写をやると、デザインへの感覚をつかんでくるでしょう。

不慣れな人には、マネの仕方まで教える

田代

田代

お話をうかがっていて、マネをする(学ぶ)対象を探し出す大切さに行き当たりますね。現場のあるあるとして、よくわからないことをついお願いされてしまうことはあります。こうした場面で困るのは、自分の中に引き出しがなく、解決に向けてのパターンを持っていないことです。そもそも何をすればいいかがわからない。

「じゃあ、どうしよう」となった時、いきなり正解を求める前にやり方を学ぶ「材料」を探せるといいのではないか? 例えば、バナーデザインであればGoogleで画像検索をしてみる。そこで検索結果を見るだけでも、参考画像を探せるし、はじめの一歩が踏み出しやすくなりそうですね。

カトウヒカル氏

カトウ


自分の中に引き出しがないと、白地のキャンバスを開いたままで固まるしかありません。引き出しがない人は“引き出しを作るための過程もわからない”ということですね

田代

田代

解決に向けての動き方がわからない。状況を打開するための手段を知らない。それで、動けずじまいの人が多い印象を持ちます。依頼する立場の方は制作者に対して、材料の探し方や見つけ方についてもあわせて伝えると、より円滑に進められるでしょう。ノンデザイナーの制作者に対しては(迷わないように)「マネの仕方」まで教える、みたいな。

例えば、目的を伝えやすくするために「背景にビル群の写真がいいかもしれない」となれば、「Googleで画像検索すると、いろいろな画像が出てくるよ(著作権は気をつけてね)」と伝える。画像検索にも行きつかずに悩む状態を解消できれば、前進しやすくなります。

作り出す前に「時間をとること」の重要性

カトウヒカル氏

カトウ

もう1点、模写とともに勧めたいことがあります。それは、30分でいいので事前に「制作者と話をしておくこと」です。特に最近、ディレクターとしてデザイナーと相対すると、その後の仕上がりが大きく変わるのを強く実感しています。

田代

田代


社内でバナーデザインやアイキャッチを用意する現場だと、“毎度のことだし……”となって要件だけを伝えて丸投げ……、が多そうですしね。

カトウヒカル氏

カトウ

ルーティンだと、そうした時間を取らずに進んでしまいがちですが、ほんの少しでも時間を取ってほしいです。

僕がディレクターとしてデザイナーに依頼する際、要件だけを伝えるのではなくて、案件の経緯や狙いとともに、相手が望んでいない方向性なども補足情報として伝えたり、デザイナーがどう考えているかをヒアリングして、一緒に案件の内容を地ならししています。すると、仕上がりの品質に反映されますし、後工程でのロスも軽減できます。

田代

田代

よくわかります。要件だけでは伝わらないクライアントの意向、ちょっとした傾向などニュアンスを伝えられると、仕上がりの精度が高まりますよね。その結果、クライアントからの差し戻しも減ってくるはずです。

ほんの少し! 言葉を交わしておくだけで、仕上がりのイメージがさらに共有できて、後工程のロスも軽減されるでしょう
カトウヒカル氏

カトウ

実は僕が新人デザイナーとして働いていた時、やってほしかったことでもあるんです(苦笑)。当時は、お客様の要望が書かれた箇条書きを見ながら、よく唸りながら悩んでいたものです。社内の制作現場に置き換えるなら、ほんの5分くらいの時間でもいいと思います。ちょっとした意見交換や意思疎通をしておくだけで変わってきます

田代

田代


いつものメンバー、慣れた相手だからとルーティンに流れず、少し時間を取ることを心がける。大事な話をうかがった気がします。

カトウヒカル氏

カトウ


ぜひ、実作業の1つ前の工程を大切にしてほしいですね。

次回は・・・

フォーマットデザインを運用する場合、運用するうちにフォーマットが崩れがちにならないでしょうか? 引き続き実務の場面で、本業ではないビジネスパーソンが遭遇しがちな現場での出来事を想定し、どのような解決策が考えられるかを話し合っていきます。


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