成果を出すマーケティングツール~導入から運用まで、意外な場所に潜む落とし穴について~ 第3回
前回の「成果を出すマーケティングツール ~導入から運用まで、意外な場所に潜む落とし穴について~ 第2回」では、マーケティングツールとは何か、その導入時に考えなければいけないことについて簡単に解説しました。
今回は具体的にマーケティングツールの導入に必要な項目・費用について解説してきます!
[初公開:2017.05.17] 情報を追加し再編集してお届けしております。
- 目次
- はじめに:マーケティングテクノロジーの現在地
- その1 :マーケティングツールとは何か
- その2 :マーケティングツールを導入する際に考えなければいけないこと
- ▼この記事はココ▼
- その3 :マーケティングツール導入に必要な費用は?
- 意外な盲点、為替相場と値上げ
その3:マーケティングツールを導入し、運用する際に忘れてはいけない項目は?
私たちジェネシスコミュニケーションがクライアント様から依頼され、マーケティングツールを導入提案するにあたり、提示している費目についてお話ししたいと思います。
単純にツールの導入・運用に必要な費用と活用するのに必要な費用の2つにわけることができます。ここでは「費用」として整理していますが、クライアント様の内部で回せる場合は必要がなくなる箇所もあります。
1)ツールの初期費用
2)ツールのランニング費用
まず、ツールそのものの費用です。初期費用とランニング費用とに分けることができます。
ツールによっては、初期費用がかからないツールもあります。ランニング費用は利用プランによって費用に幅を持たせているツールが多いようです。
幅の持たせ方としては、利用できる機能により費用が変わっていたり、保有Cookie数や保有リード数、1カ月の配信可能メール数、Webサイト(タグを埋め込んだページ)のUU数やPV数といった条件によりプランが分かれていたりするケースが一般的です。上限を超えた場合は、自動で上位プランに変更になるのか、従量課金となるのか、はたまた上限を超えると一時的に機能が使えなくなるのかといったところは導入前に確認しておきたいポイントです。
これらツール周りの費用=先の1)と2)の費用については、ツールベンダーさんもしくは代理店さんに支払うことになります。
3)企画:ツールをどのように活用するかの企画
4)制作:バナーやフォームのデザイン・制作、Webサイト(LP含む)、HTMLのデザインやコーディング
4-1)初期ツール導入時に必要なもの
4-2)ツール運用時に必要なもの
5)設計:活用する狙い通りにツールを動かすためのシナリオ設計や実装
6)運用:日々の運用、制作されたクリエイティブ(画像や原稿)のアップロード、問い合わせ対応、エラー時の対応、メールの配信など
7)効果検証:各種数値のレポートなど
※)集客:広告に関するプランニング、出稿費用
※)システム連携:ツールと自社CRMシステム等と連携する際の要件定義、システム構築
次にツールを実際に動かしていく費用になります。残念ながらツールを導入しただけでは何も起きません。3)から7)の部分が運用していくうえで必要な項目となります。
社内リソース次第になりますが、上記全てを外注する必要はありません。例えば、社内にデザイナーさんを抱えている企業様の場合は、4)制作 の項目は外注する必要がなくなります。社内で企画ができる企業様の場合は、3)の部分は必要がありません。7)の効果検証も、ツールによっては、簡単な集計表示機能が備わっているものが多いので、それらを閲覧するとすれば費用はかかってきません。
マーケティングツールの導入を検討されている企業のご担当者の方は、自社でどこまで運用できるか、体制など人的リソースは足りているか、スキルセットは十分か、予算は確保できるか、といった視点を導入時にもっていただき、どこまでを自社で行うか整理してみると良いでしょう。
また、ツールによってはサポートが充実しているとうたっているツールも増えています。この場合、3)企画や5)設計のアドバイスまでしてくれるのか、その範囲やレスポンスのリードタイムはどのくらいなのかといったことも事前に確認できると良いでしょう。
少し細かい話になってしまいますが、実際に運用するとなると、基本的なHTMLの技術に加え、JavaScriptのスキルやクリエティブ(画像やコピーなど)のスキルセットが求められます。外資系の企業の場合社内にデザイナーやエンジニアがいることも多いのですが、国内の企業の場合はそうした体制が整っていないことも多く、ツールを運用するにあたり求められるスキルがどのレベルなのかを見極めて外部にお願いする、内部でできるなど費用換算しておけると良いでしょう。
意外な盲点、為替相場と値上げ
もう1つ、費用について考慮しておきたいことがあります。それは為替相場の変動です。多くのマーケティングツールは海外産です。この場合、支払いタイミングで為替相場の影響を受けることになります。1ドル120円以下で落ち着いていた為替ルートも、2022年の春以降は急激な円安が進んでいます。海外産ツールでドル建て支払いとした場合、月額10万円・年額120万円程度のツールだとしても、10円ほど円安が進んでしまえば、12万円のコスト増になります。
また、ツールの値上げについても注意を払いたいところです。為替の影響を受けない国産ツールといって安心してはいられません。ツールの値上げは海外・国産関係なく生じうる問題です。実際に、2020年初頭には、月額5000円だったプランが2度の料金改定を経て、2021年春に月額15,000円となった国産マーケティングツールもあります。もちろんサービスの機能向上や有料オプションが無料プランに組み込まれるなどの結果ですが、使わない機能であれば純粋な値上げになってしまいます。直近5年くらいでどの程度値上がりをしているのかは注意をしておきたいところですね。
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マーケティングツール導入・運用に関して、お困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。
次回は・・・
次回の『マーケティングツール導成果を出すマーケティングツール~導入から運用まで、意外な場所に潜む落とし穴について~ 第4回』では、本記事の1)から7)の項目に沿って、どのような業務が発生するか、必要なスキルセットが何かを簡単にまとめさせていただきます。どうぞお見逃しなく!