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成果を出すマーケティングツール~導入から運用まで、意外な場所に潜む落とし穴について~ 第4回

前回の第3回では、マーケティングツールの導入に必要な項目について解説しました。
今回は、マーケティングツール導入にはどのようなスキルが必要なのか具体的に解説してきます!

[初公開:2017.05.24] 情報を追加し再編集してお届けしております。

目次

その4:マーケティングツール導入に必要なスキルセット

ここまで、マーケティングツール導入に必要な費用や項目をご説明しました。今回は、もう一歩踏み込んで、前回ご説明した1)ツールの導入から 7)効果検証の各ステップに沿って、どのような業務が発生するか、必要なスキルセットが何かをまとめたいと思います。

1)ツールの導入、初期設定

ツールの導入がツールをインストールことなのであれば、それ自体は比較的簡易になっているツールが増えています。アカウント開設から利用開始までものの30分もあれば登録が完了してしまうツールもあるくらいです。

ただし、アカウントを開設した後、ツールを一定のレベルで使える状態にするにはいくつか初期設定が必要になります。導入前段階ではあまり多くの説明がないことが多々ありますが、初期設定ではインターネットリテラシーを求められます。必ずしも技術的な知識を持ち合わせる必要はないのですが、意外と細かい設定が必要だったり、初めて目にする言葉が多かったりするため、『検索サイトやサポートサイトにて逐次調べながら進めていく』スキルが大事です。『知らないことを調べながら解決していく』ということに抵抗感がある方は、導入コンサルティングサービスなどを選んだ方が良いかもしれません。

個人情報を扱うMA セキュリティ周りについては入念な確認が必要になる

例えば、アカウント開設時の個人情報周りやセキュリティ周りへの対応などが挙げられます。マーケティングツールで扱う情報は、メールアドレスや氏名などの個人情報が含まれるため、自社の方針やプライバシーポリシーに合わせてツールの設定を行う必要があります。

過去に弊社で対応したケースでは、自社で管理する個人情報の取り扱いにおいて「クラウドにデータを保持することに対する規定がなかったり、米国法人が管理するクラウドにデータを置くことに対して規定がなかったり」などのケースがありました。この辺りは一担当者では解決できず時間もかかる領域なので、本来であればツール導入前に法務部門などへ確認をしておくと良いと思います。最近ではCookieにて管理する情報についても、Cookieポリシーを別に定めているケースも増えていますので、自社のCookieポリシーに抵触していないか、自社のポリシーを改める必要はあるかなどの視点は常に必要となります。

■良くある落とし穴

・マーケティングツールの利用規約[法務部門/内部統制部門]
・個人情報取得、プライバシーポリシー[法務部門/内部統制部門]
・Webサイトへのタグ設定[情報システム部門/マーケティング部門]
・既存フォームのツール対応[情報システム部門/マーケティング部門]
・メール配信設定[情報システム部門/マーケティング部門]※特にMAにおいて

2)ツールのランニング費用

ツールのランニング費用です。ランニングの費用に関して必要になる個人スキルは特にありません。前回も記載しましたが、近年は急速な円安傾向となっているため、見積もり取得時と決済時で日本円換算の金額が大きく変わってしまうケースも散見されます。外資系のツールを導入する場合、円建てドル建てどちらの支払いになるのか、支払い時期はいつなのかなど、必要に応じて対応が発生することを補足しておきます。

3)企画:マーケティングツールを活用する企画部分

企画です。企画については、もしかすると内製化できるのでは?とお考えの方も多いでしょう。当然、業界独自の情報や慣習については、担当されている方のほうが詳しいと思います。

企画に際して必要なスキルは大きく2つに分かれます。

①マーケティングスキル
②他チームと連携して物事を進めるスキル
(コミュニケーションスキル)

①はマーケティングコミュニケーションそのものです。ツールを使い、誰に何を提供するとどのような反応が得られるか。マーケティング的に正しいことなのか。ビジネス上で正しい結果が出せるのかといったものです。

②ですが、ツールの運用が少人数や自部署のみで完結する場合でない際に求められます。複数の部門/子会社などと連携しながらツールを運用するケースです。日本の法人は縦割り組織が多いため、部門間の連携でモノゴトを進めるのが比較的大変です。自社が縦割り型組織で関連部門との連携が苦手な会社にいるなと感じる方は、この辺りを円滑に進めることができるスキルはとても役に立ちます。

この辺りをわざわざ自分たちでクリアするのが面倒な場合、外部コンサルタントに任せてしまうのも一つの手でしょう。コンサルタントと一緒に進めることで余計なストレスの軽減につながる可能性が高いです。外部のコンサルタントは、マーケティング業務を確実に推進するプロですから、関係各位との調整や遅延なきプロジェクトの進行のための煩わしさを任せてしまえるメリットもあるわけです。当然、外部コンサルタントは様々な業界のケースを経験していますので、失敗事例や成功事例を多く知っていることも、外部コンサルタントを活用するメリットになります。

一方で、外部コンサルタントを使う場合、無形のサービスとなるため、事前の細かい取り決めをしておくことが大事です。どの程度ツールを含めて経験があるか、日ごろの相談がしやすいか否か、費用的にはどうか、週に何時間くらい稼働をお願いできるのかなど『言った言わない』を避けるために、あらかじめ決めておきたいところです。

■良くある落とし穴

・施策の導入に際して意見を出す部門が多くスケジュール通りに進まない
・上役からのちゃぶ台返しが発生した
・社内のスタッフだけでは、着手する優先順位が決められなかった
・すべての施策を同時に回そうとしてパンクしそうだ/してしまった

4)制作:Webサイト、HTMLのデザインやコーディング、バナーやフォーム制作

4-1)初期ツール導入時に必要なもの
4-2)ツール運用時に必要なもの

次は制作についてです。3)企画で承認された企画に沿ってクリエイティブ(CTA、Webページ、メールなど)を制作します。社内に、デザイナーやプログラマーを抱えている会社であれば、その方たちをプロジェクトに巻き込んで話を進めることになります。いない場合は外部の制作会社にお願いをすることになります。

マーケティングツールは、企画や設計によっては相当細かいことまでできてしまうため、詳細な企画にしすぎるとその分制作ボリュームが増大することになります。制作ボリュームはそのまま費用(社内デザイナーであれば稼働量)に跳ね返ってしまので注意が必要です。

■良くある落とし穴

・Webサイトの公開権限が自社内からのアクセスに限られていた
・細かいスタイルシートの設定が必要だった
・ランディングページなどで個人情報を取得する企画とした場合、情シスや法務部門などが絡む(特に情シス部門が管理しているドメインかそうでないか)
・支社などが絡む場合、本部で未承認のクリエイティブで運用されてしまった
・メール原稿のライティングが考慮されていなかった(※特にMAで)

エンドユーザーが目に触れる制作物となるため、かなり細かな部分まで落とし穴があるのが通常です。社内外含めて落とし穴になりやすいケースが、デザインは制作できるがコピーやメール原稿のライティングを想定していなかったケースになります。

また、アサインするスタッフによっては得意不得意が分かれやすいのがデザイン領域です。バナーの量産などは早くできるが、新規で一から考えてデザインするのが得意でない方、デザインはできるかHTMLやJavaScriptなどのスキルが劣る方など人それぞれです。自社の施策がどこまでのレベルのスタッフを必要とするかについては事前に整理をしておきたいところです。

次回は・・・

次回の『マーケティングツール導入を成果につなげる!ーケティングツール導入にはどのようなスキルが必要なのか 第5回』では、本記事の続きとなる、設計・実装、運用、効果測定で、どのような業務が発生するか、必要なスキルセットが何かを簡単にまとめさせていただきます。どうぞお見逃しなく!

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株式会社ジェネシスコミュニケーション

ジェネシスのマーケティングプロフェッショナルが編集を担当。独自の視点で厳選した実践的ナレッジをお届けいたします。

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