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現場の声を探る 第2回 信頼の置ける外部パートナーの見つけ方

長年の付き合いがあるパートナーの存在は心強いものですが、いつでも相談できるとは限りません。理想は、自社にとって柔軟に対応してくれる、信頼できるパートナーが複数存在すること。自社にとって最適な外部パートナーをどのように開拓するといいでしょうか? 前回に続いて、さまざまなデジタル施策を手がける株式会社グラスプ アット ジ エアーの代表取締役、南方祐紀さんとともに考えます。

目次

相談相手は長年の外部パートナーになりがち

田代


クライアントの立場になると、何かしらの施策を手がける場面では、これまでのパートナーとの実績が優先されるはずです。クライアントの担当者なら、「こうした案件の場合はA社と組もう」「これならB社が確実」といった、勝手知ったるパートナーが多くいれば、安心して相談できます。

南方


誰しも「自社をよく知る相手にお願いしたい」と考えますしね。ただ、そういう関係性を踏まえた候補の数は限られてきますよね。

田代


そうですね。クライアントさんの立場で見ると、いつも同じパートナーにお願いすれば安心だけれど、必ずしもそうでない場合もあったりするのかなと。このテーマを取り上げたのは、直近、自分も仕事をしていく中で、クライアントから相談されたケースがあったからです。「相談相手がそもそも限られているんだよね」と。僕たちからすると、他に見つけてもらいたくなくても(笑)、各企業担当のみなさんからすれば、候補が少ないこと自体が心細いし、気持ちはよくわかります。同時に、開拓しておきたくても「どうやって?」も本音のはずです

南方


僕たちの場合で考えると、クライアントから制作案件を請け負ったなかで、別の会社やフリーランスのクリエイターに制作業務を依頼する立場でもあります。依頼する立場としての私の実感も、「信頼してお願いできる相手は限られてくるな」になりますね。

新規パートナーを見つけたい場合、相手に対して「どれほどこちらの意図を汲んで、理解して動いてくれるか」「案件のために能動的に関わってくれるか」を見極めなければなりません。僕たちもなるべく言語化して伝えますが、言語化しがたいニュアンスなど伝えづらい部分を上手に汲み取ってくれる相手と組みたい。現場の現実は、初めてで慣れない相手と組むと、言葉を尽くして伝えても意図を汲み取ってもらえないケースが出てきます

パートナーをどうやって開拓する?

田代


率直に「どうやって探せばいいのか?」に直面します。例えば、外部パートナー候補の営業担当から連絡があって、ケイパビリティを示されても、「いい話」だけを聞かされたところで判断できないなと。結構すごい実績を示されることが多いので……「ほんとに?」とちょっと穿った見方をしてしまいます(笑)。

南方


僕たちも同じような感覚を持っています。制作パートナーの開拓は、僕たちも長年の課題ですね。新しく取引をするパートナーに、条件がすべて揃った状態で業務を依頼することはそもそもタイミングなどもあって難しい。そこで、近年は、案件の一部など小さな単位での依頼案件をあえて設けて、まずは仕事を一緒にすることを最優先しています

田代


なるほど。一緒に仕事をしてみるということですね。一緒に仕事をしてみれば、自社との相性を確認できますし、相手が伝えてきたアピールポイントを、実務を交えて本当かどうかも確認できますからね。ポートフォリオは完璧だったけれど、実は仲介業務しかやっておらず案件とフィットしない、みたいなことも判明できます。開拓にあたって怖いのが、こうしたズレですよね。

南方


もちろん、相手によっては依頼前にオンラインミーティングを開いて、対話の機会を持つ工夫も必要です。過去には、ポートフォリオが素晴らしいので喜んで依頼したら、実務ではあまりいい働きをしてもらえなかったなんてケースもありましたし。

一方で、イマイチのポートフォリオを見せられて不安だった相手と仕事をしてみると、実はとても丁寧で理想的な働きぶりだったこともありました。準備とともに、最終的には1度思い切って依頼することが突破口になるでしょう。

一度、小さな案件を依頼し、一緒に仕事をすると、実務を通じた相手の理解がしやすいでしょう

パートナー開拓は「誰がやる」?

田代


探し方とともに、誰が探すかという問題もあります。前回 「担当者は多忙」と触れましたが、パートナーの開拓まで実際にやれるのか。担当者本人がやりたくても、すでに抱えている業務ボリュームで手いっぱいのはずです。「やりたくてもできない……」が現実だと思いますが、南方さんの会社ではどう動かれていますか?

南方


僕自身が、現役のWebディレクターとしても動きますし、役員レベルの社員たちには意識してもらって、定期的に情報共有を行っています。僕たちも人数がたくさんいる会社ではないので、プレイングマネージャーが合間の時間も活かし、動くようにしています。

田代


なるほど、決まった担当者を立てるのではなくて、みんなが少しずつ気にしながら情報共有しているわけですね。これなら責任や負担も限られた人に集中せず、複数の眼も入るし、現実的です。例えば、「この会社、いいかも」「この人に一度会ってみたい」など複数の声が出てきたら必ず会う、というように決めておくと開拓の可能性も広がります。

南方


通常業務の延長線上で、実際に動き、しっかりと行動に起こすことを大切にしたいです。

パートナーは、どう考えて動いてくれる存在か?

田代


どうすると「ふさわしいパートナー(ここでは、制作に携わる外部パートナー)を見つけることができるか?」を考えてきました。最終的には、クライアントが考えるゴールを把握しながら、パートナーがどこまでを自社の仕事と捉えてくれるか。求められていることを丁寧に応え、積み上げていけるか、になります。

南方


僕たちが代理店案件を減らしてきている背景には、そうしたニーズへの察知を、直接クライアントとのやり取りを通じて見えやすくしたいからなんです。

田代


パートナー候補先の相手を検討する際に、例えば、南方さんが先ほどおっしゃったような考え方をしている相手かどうかを意識できると、よさそうですね。

南方


作れればいい、ではなくて、自分たちが関わり作ったものが成果や利益につながってほしい。成果や利益を引き出すところまでコミットしたいのです。例えば、ゴールが本当にWebサイトでいいのか? 実は別のふさわしい手段があるかもしれない。そこから一緒に考える存在でありたいです。

田代


パートナー探しについて、そもそも探す側にそれぞれの事情があり、共通した便利な見つけ方があるわけではありません。でも、パートナー候補となる相手に対して「どういう考えのもと、自社のプロジェクトに臨んでくれそうか」を探ることはできます。だからこそ依頼する側は、自社のことを相手に丁寧に伝えることがとても大事になります。

南方


ここまでの話を通じて、制作する側の考えや実情を知っていただき、みなさんのパートナー探しのヒントにつながると嬉しいです。

田代


このたびはありがとうございます!

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株式会社ジェネシスコミュニケーション

ジェネシスのマーケティングプロフェッショナルが編集を担当。独自の視点で厳選した実践的ナレッジをお届けいたします。

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