MA導入前に知りたかった!多くの企業がハマるMA導入「あるある」
前回はペルソナあるあるをご紹介しました。
11月に矢野経済研究所から発表された『DMPサービス市場/MAサービス市場に関する調査(2017年)結果』によると、 2017年MAに関するサービス市場規模は301億9,000万円が見込まれており、前年比23%増を記録するとのことです。
DMP/MA市場規模
・2019年は、668億円の成長見込『DMP/MA市場に関する調査を実施(2019年)』
・2020年は、551億円の成長見込『DMP/MA市場に関する調査を実施(2020年)』
・2021年は、600億円となる見込み。『DMP/MA市場に関する調査を実施(2021年)』
調査データ出典元:矢野経済研究所
同社のレポートによると、MAおよび周辺サービスに対する需要は、コミュニケーションチャネルの多様化やOne to Oneマーケティングに対する注目からますます拡大しており、2022年予測では530億円まで拡大するとしています。2018年も「MA」の注目は色々な場面で目にしそうな気がします。
一方で「MA=マーケティングオートメーション」は、「オートメーション」とあるのに「自動化されない」「やらなければいけないことは逆に増えている」「導入したのだが結果が出てこない」「活用できてない」など、先行して導入された方からはそのような声も耳にすることが多いのもまた事実です。
今日は、そんなMAでよく耳にする「MAあるある」についてご紹介したいと思います。
- 目次
(1)MAを導入しても楽にならない「あるある」
~MA導入初期のケース~
導入したからには使い倒そうと思った瞬間、足りないことだらけな状態に気が付いてしまいました。「シナリオの検討もしなければいけない。」「コンテンツ(WEBやDL資料、動画などなど)も足りなさそうだ。」「そもそもコンテンツやメールを作成する予算も足りなければ、人もいない。」
導入検討の甘さを呪いたくなるほどに不足感が襲ってきます。おまけに上司からは、どこで聞いてきたか分からない「他社の成功事例」を毎日聞かされるハメに。「こんなことMAツールベンダーは一言も言ってなかったじゃないか」と嘆いても後の祭り。
~MAの導入は終わり、運用に移っているケース~
実装したシナリオの結果をチェックしPDCAサイクルを回す。新たなシナリオの追加をすべくコンテンツも用意しなければいけない。シナリオやコンテンツを増やせば増やすほど公開前のテストに追われる。
いつまでたってもテストテストテスト。結果のレポートレポートレポート。いつまでたっても楽になりゃしないよ。
そうなんです。残念ながら、MAを導入しても作業ベースのタスクに落とし込むと楽にはならないことの方が多いのです。「オートメーション」=「自動化」=「楽になる」といった言葉の連想でイメージを描いている方が結構多いようなのですが、オートメーションは「(手動ではこれまでできなかった)one to one(のような複雑な)コミュニケーションの自動化」という意味であって「現在おこなっている業務の自動化」ではないのです。
ここ、そもそもの導入の入口の部分なのですが、意外と勘違いされているケースが多いのです。
MAを導入し、育て、磨き上げ、しっかりと成果が出るところまで労力、コストを掛けられるか、続けられるかという部分はもっと認識されてもよいかもしれませんね。
コツコツと施策を投入しPDCAを回し続けて、MAで実現するであろう夢の部分をクローズアップしすぎて躓いてしまう。そんなあるあるです。
(2)初期シナリオで放置されてる「あるある」
次のケースです。
MAの導入を終え実際にMAが動いているクライアント様を訪問すると、よくあるのが、実装されているシナリオはごく僅か・・・といったケースです。
「そんなことあるの?」と思われる方も多いかもしれませんが、これも意外と多いケースなのです。
どうも導入時に初期でセットされたシナリオのままになってしまっているのが理由だそうで、よくあるのは展示会などフォーム通過者に対するリマインドメールですね。初期シナリオの設定が終わると導入会社さんがいなくなってしまい、勉強しながら色々手をつけようと思っているうちに通常の業務に追われてそのままになってしまうとか。
確かにツールを上手に使いこなすにはそれなりの時間も必要ですし、色々と手を動かしながらではないと覚えきれないのもそうなのですが、なんとも勿体ない話です。
ツールにより値段はピンキリですが、それでも年間通して支払うとなるとかなりまとまった金額になるわけで、それでいて実装されているシナリオはごく僅か。もしかするとわざわざMAにリプレイスしなくとも、これまで使っていたメール配信エンジンで出来ていたことかもしれません。
せっかく導入した高価なツールを初歩的なシナリオで終わらせてしまっては勿体ありません。もう一度、本来やりたかったことの再確認とそこまでのロードマップを引き直しても遅くはないでしょう。急がば回れ、ローマは一日にしてならずです。
大丈夫です。ここだけの話、MAを上手に使いこなしているクライアントさんはそれほど多くないですよ。
(3)やっぱりコンテンツが足りない「あるある」
次のケースです。
MAの導入も終わった。初期のシナリオも動き始めている。2ndフェーズということで色々シナリオの追加を考える。そこでふと気が付きます。「コンテンツが足りないや」と。
そうなんです。ある程度MAが軌道に乗ってくると、必ずついて回る問題がこの「コンテンツ全然足りないぞ問題」です。見込度やユーザーのアクションに応じて説明方法を変えたほうが良いのは分かる。MAもそのようにシナリオを組もうとしている。ただ、今まで一種類の資料でやりくりしてたし、ユーザーの声を紹介しようにもそんな活動してないし・・・となってしまうのです。
そんな時に役に立つ方法として、自社のWEBコンテンツ、メールコンテンツ、(LINEやSNSを入れてもいいかもしれません)を一覧化し、色々なタグを着けていく作業を当社ではオススメしています。このコンテンツは何の商材でユーザーにいつ見てほしいか。今どのようなタッチポイントで説明をしているか。そんなタグをコンテンツに着けていく作業です。
一見地味な作業ですが、このタグを顧客区分ごとの戦略マップ(※戦略マップの解説はこちらから)と照らし合わせてみると、どのターゲットにどの情報が足りていないかが一目瞭然となります。
また、コンテンツの不足が分かったとして急に制作の予算を確保できないケースもあります。そのようなことを念頭に置いてコストを抑えつつも良質の(質を保った)コンテンツを生産していくことも併せて考えて起きたいところです。
MAを導入してみたものの、運用に行き詰まりを感じてしまった。
この無限ループからどう脱却すればいいか分からない。
そんなように思ったことがあるクライアントさんは、ぜひ一度プロの意見を聞くのも手かもしれません。
わたしたちは色々な業界(B2C、B2B)、色々なツールで多くの施策の経験がございます。お役に立てるアドバイスを提供できるでしょう。
執筆者:田代靖和
株式会社ジェネシスコミュニケーション
マーケティングコンサルタント