コンサルタントのコラム

勝手に潜入?! Bリーグのスマホ起点マーケティングを取材

2019年2月24日、21年ぶりにバスケット男子日本代表が自力でのW杯出場決定!代表の中心メンバーはBリーグのスター選手です。Bリーグと言えば、デジタルマーケティング戦略に力を入れています。友だちに誘われて観戦して以来ハマった私が、今回“勝手に”試合会場へと潜入。お目当ての千葉ジェッツ所属で日本代表でもある富樫勇樹選手を応援(!)しつつ、現場で体感したBリーグのスマホ起点マーケティングについてご紹介します。


※B.LEAGUE FINAL 2017-18(千葉ジェッツ対東京アルバルク)を観戦時に著者撮影。

目次

スマホファーストが徹底されているBリーグ

Bリーグの収入源の4つは、「チケット」「放映権」「スポンサー」「グッズ」です。これらに対して、スマートフォンを起点にしていくことをリーグ発足時に定めているようです。各所でBリーグ事務局長の葦原一正さんが語っているところによれば、4つすべてがスマホファーストになっている背景は、ターゲットが「若者」と「女性」だから。定義された潜在顧客(観戦意向者)のペルソナがこちらになります。


※引用: 日経BP社 スポーツイノベイターズオンライン
2017/09/27『700万観戦予備軍つかめ、Bリーグのマーケティング戦略』より

https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/090700037/090100007/?P=2

さらにBリーグが重視しているのが、コアのファンがライトなファンを誘いやすいかどうかという点。調査によると、多くの人が試合に来たきっかけが「(人から)誘われたから」だったそうです。

チケット購入からすべてがスマホで完結する!

試合を観に行く場合、チケットを買いますよね?Bリーグは電子チケット(EMTG社)を採用しています(もちろん店頭で発券する紙のチケットも販売)。

ここで誘いやすいUI設計を発見。友だちにLINEでチケットを送れるのです!
例えば、連番で席を確保する場合、代表者がチケットを購入。購入後に「チケットをわたす」というボタンがあるので、「LINEで友達に送る」で完了です。そのため現地でチケットを渡す、チケットを忘れてしまった…という煩わしさとは無縁です。
LINEは、SNSの中でもアクティブ率が一番高いですからね。押さえなければいけないところがしっかり押さえられています。


※Bリーグスマホチケットアプリよりチケット画面「チケットをわたす」。

ファンクラブに入っていない私の場合、クラブチームは「琉球ゴールデンキングス」を応援していますが、千葉ジェッツの富樫勇樹選手も好きなので「千葉ジェッツ」の試合も観に行きます。
このとき、Bリーグスマホチケットアプリはクラブに関係なく共通のIDでのログインなので、チームの垣根を気にせず観に行きたい試合のチケットを購入できるのです!
これが実現できているのは、Bリーグが各クラブの顧客管理を一元化しているからこそ。

そして会場でもスマホがあればOK。入場時に電子チケット(下の画像:左)をスタッフに見せると、スタンプ風の機械でスマホの画面をタッチしてくれます。再入場もこの電子スタンプが押されたチケット画面(下の画像:右)を見せるだけでOK(会場により電子チケットのみだと再入場NGのところもあり)。ちなみにこの電子スタンプは、マルチタップの技術と事前に登録された形状を照合することで認証している特許技術だそうです。

※Bリーグスマホチケットアプリより入場チェック画面/入場後のチケット画面。

実際電子チケットが利用されている割合は、会場の感覚だと半々くらい~電子チケットが少し多いくらいかなという印象でした。
この試合観戦まで一連の流れは、スマホだけで完結するのでとてもストレスフリーです。

SNSで拡散と認知拡大!試合以外も盛り上がる演出やコンテンツがたくさん

試合前の選手たちのウォーミングアップが見られることも当日の楽しみの一つですが、それ以外にも演出やエンターテインメント要素がいくつも用意されています。
まず会場にはフードエリアがあり、チームの名前に由来したフードや選手が企画したドリンクや、ドミノピザやミスタードーナツの売店があったりします。
今のところ現金で支払う会場がほとんど印象ですが、今後はスマホ決済などキャッシュレス化が予想されます。

客席が埋まってきた試合開始前には、選手入場の演出もコート全体をLEDで照らして巨大モニターと連動させ、デジタル化されています。入場時に配布されるリストバンド型LED(FreFlow フリフラ)が、演出と連動して光る仕組みも!

※B.LEAGUE 2017-18(千葉ジェッツ対琉球ゴールデンキングス)を観戦時に著者撮影。

ハーフタイムショーは有名な歌手も来たり、バスケ映画の告知でイケメン俳優さんが1日選手契約として演目のひとつに参加していたり、とお楽しみはたくさんです。また年始に富山県で行われたBリーグオールスターゲームでは、ゲーム当日の前後を含めてSNSとの連動企画がいくつか行われていました。当日のMVPはファンによるハッシュタグを利用したリアルタイム投票で決定。会場に行けない人も巻き込む施策です。

ほかにもクラブによっては、キャンペーン期間からゲーム終了までに特定のハッシュタグをつけてツイートされた選手への応援メッセージをLEDの技術でコート全体に映し出す演出もあります。

つい最近の事例だと、バレンタインに合わせた企画で「B.LEAGUEモテ男NO.1決定戦」が行われ、SNSでの投票もできました。この企画はまさに「若者」×「女性」がメインターゲットですね。
リアルとデジタル、特にターゲットとペルソナに親和性の高いSNSをうまく組み合わせた、観客も巻き込む企画や演出でライトなファンでも十分に楽しめるようにできていました。

クラブによって演出もさまざまなので、次の試合は応援しているチームのホームではなくアウェイでの試合も観に行ってみたい、という風になってしまいます…!
きっとバスケット以外のエンターテインメント要素などは、ライトなファンだからこそ重要になるのではと思います。

試合観戦直後のハイテンション時に、もっとプッシュ施策が欲しい…

当日は試合後のテンションが上がっている状態のまま帰宅しましたが、最近やっと気づいた(笑)のが、来場者限定特典について。試合後にアプリを起動させると、B.スマコレの来場者限定引換券がもらえます。
電子チケットのサービスをEMTG社のものを採用しているので、取得できる入場記録から出し分けで特典を表示させているようです。

※Bリーグスマホチケットアプリより来場者限定特典。

来場者への限定コンテンツや、ファンクラブ会員限定として、会場ではさまざまなイベントを行っているようですが、ファンクラブ会員以外のライト層には、来場者限定コンテンツとして『B.スマコレ』というBリーグの選手のトレーディングカードゲームです。

Bリーグが発足当初に定義したペルソナで考えると、トレーディングカードゲームコンテンツよりも、もっとライト層が会場へ足を運びたくなる、リアルを絡められるコンテンツや施策を来場者特典にするべきだと思いました。また、ライトなファンをコアファンへと醸成することを考えれば、私の感覚としては、試合後のテンションが冷めていないホットなユーザーに対して、アプリでのプッシュ施策がないのはとてももったいない気がします…!

EMTG社の電子チケットは、入場記録がセグメントで分けられるようなので、例えば、観戦したクラブに絡めたオファーや、試合観戦●回目と区切って会場で引換できる特典や、フードのクーポンなど、試合観戦後に選手インタビュー動画がアップされたらプッシュ通知するなどの仕掛けがあれば、次の試合に足を運ばせるための施策につながると考えます。

これからW杯や東京オリンピックなど、ますます盛り上がっていくであろうBリーグ。今後のマーケティング施策にも注目しつつ、私は今月もBリーグ観戦に通います。


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