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ノンプログラマーのビジネスパーソン必読!話題のChatGPTをどう使う?

一般社団法人ノンプログラマー協会の代表理事、高橋宣成さんと「マーケの強化書」編集部が対談を行うシリーズの3回目。今回は、2022年11月にアメリカのAI開発会社OpenAI社が公開した人工チャットツール「ChatGPT」についてです。2023年に入り、日本国内でも大きく話題化しています。ChatGPTをはじめとしたAIの革新をどう捉えるといいのか? 高橋さんとともに考え、話し合いました。

目次

ChatGPTで何ができるのか?

田代

田代


ちょっと本筋から外れてしまうかもしれませんが、ノンプログラマー協会として「ChatGPT」をどう捉えているかについても、話をおうかがいしたいです。「ChatGPT」について、改めてどのようなサービスと言えるでしょう。

高橋


ChatGPTを一言で表すなら「対話形式で文章を生成してくれるAIサービス」と言えます。

田代

田代


そうですね。何かしらの言葉を入力すると、その内容に応じた文章を生成してくれるので、重宝がられるというか、おもちゃみたいなブームが来ていますね。

高橋

その上で「ChatGPTをはじめとする文章生成型AIサービスで、何ができるの?」が、みなさんが気になる核心だと思います。ChatGPTの仕組みは、ユーザーが与えた情報(入力した文章、言葉)を受けて、「確率的にこうだろう」という文章を生成してくれるものです。AIモデルに5兆語とも言われる膨大な言葉を学習させて、あたかも人間が答えているような“自然な”回答を生み出します。このことが画期的で、今日のブレイクスルーを呼んだ要因の1つです。

田代

田代

ChatGPTでは、前の文脈を活かした会話形式が可能なので、使っていて「スゴい」となる一方で、よくよく使うと、引っかかりも覚えます。質問の内容にもよりますが、それっぽい答え方をするけれど中身がない回答だったり、明らかに事実誤認を含んだ回答も出てきます。

高橋

おっしゃる通りです。膨大に学習した言葉の中には、正しい情報もあればそうではない情報もあります。それに学習時点のデータとなるため、2021年以降のデータは含んでいません。“それっぽい”回答であろうと、返された言葉が正しいかどうかの保証はしていません

ChatGPTは、機能の性質上、正誤は担保されていません。使う側のリテラシーが問われるのです
田代

田代


Google検索と同じような感覚で使うと、いけないということですね。

高橋

はい。もちろん、Google検索の場合も検索結果すべてが正しいわけではありませんし(最近は、検索結果の汚染が心配されているところでもありますが)、出てきた複数の候補から正しい情報やふさわしい内容を利用者が選ぶことはできます。正しい情報を求めてChatGPTを利用することは、率直にズレた使い方と言ってもいいでしょう。正解が返ってくる可能性はありますが、正誤の判断(全体 or 一部、どの箇所か)は利用者がしっかりと見極める必要があります

考えの「叩き台」として活用してみる

高橋

注意点についての言及が続きましたが、もちろんポジティブな側面や興味深い機能を備えています。一例を挙げれば、小説を作ることができたりもします。正直、まだ面白くなかったりしますが(苦笑)。

田代

田代


AIが作り出したという体験が、面白かったりしますからね。

高橋

現状のChatGPTを考えると、「正確性を求めていないテキストの生成に対して、大きな可能性を感じています。例えば、何かしらのプロジェクトに向けて「アイデアを10個欲しい」とChatGPTに聞くと、10個のアイデアや挙げた理由などを出してくれます。こういう形でブレスト(brainstorming)の材料集めに使ったり、プレスリリースを作る際の見出し案を聞き、候補をいくつか出してもらうこともできます。何もない状態から「叩き台」として活用し、速やかなスタートダッシュにつなげる使い方が可能です。

田代

田代


1人で物事を進める際に、壁打ち(ちょっとした意見交換をする相手)のような役割にもなってくれそうです。

高橋

後は、自分で作った文章を整えるために使う方法もあります。作った文章を入力して「文章をやわらかくしてほしい」とお願いすれば、硬い文章に対してやわらかな文章案が返ってきます。500字の文章を「100字に要約してください」といったリクエストにも対応します。どの使い方にしても、出てきた内容をそのまま使うというより、その都度判断しながら上手に活用したいですね

ChatGPTにプログラミングを任せられるのか?

田代

田代

では、もう少し具体的なことをうかがいます。ChatGPTの使い方の中には、テキストで提案を求めることだけでなく、プログラミングを任せる使い方もあります。コードを書いてもらうことについては、どうお考えですか?

高橋


ITエンジニアの中では、ChatGPTに依頼をしてコード案を作成してもらい、出てきたものを評価して活用するという仕事の仕方へとスイッチしている方も増えてきています。実際、「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」(ノンプロ研)でもそのような使い方がシェアされています。

田代

田代


実務での活用がすでに進んでいるわけですね。

高橋

言語としては、PythonやJavaScriptなどの人気言語で活用すると、ChatGPTの学習量も多いので有利です。また、ノンプログラマーであればGoogle Apps Script(GAS)やVBAなどのコード生成も可能です。

現状は、その場合のプロンプト(=ユーザーがChatGPTに送信するテキスト情報)のコツがいろいろと研究されつつある段階です。1つ便利な方法を挙げると、ChatGPTとやり取りをしながら、ChatGPTにコード作成作業を進めてもらう「ペアプログラミング(ペアプロ)」という方法です

つまり、ChatGPTに依頼をして返ってきた返事に対して、また依頼をしていくわけです。進行中に困ったら、「○○したいけれど、どう依頼すればよいですか?」という質問をするのも効果的です。

田代

田代


なるほど。「聞きたいことを聞いてしまう」というのはAIならではの発想ですね。対人ではコミュニケーション上のトラブルになりそうなことも、AIなら「さっき答えましたよね!」とは言われませんものね。それでは、活用する上での懸念点はいかがですか?

高橋

この場合も、出力内容をそのまま鵜呑みにしないことです。出てきたコードが正しいものかどうかのテストや評価が必要です。あわせて、運用後の不具合が発生した際の対応も考えておく必要があります

例えば、そのテストをするためのコードを作ったり、不具合が発生した時の対応方法も、ChatGPTに問い合わせをして解決できる可能性も十分にあります。現時点では、ChatGPTへの任せっきりを考えず、利用する側にプログラミングの知識があるに越したことはありません。

プログラミングの現場でもChatGPTの活用が進行中です。もちろん、活用ありきとならずリスク対応も忘れずに

絶えず利用する側のリテラシーを磨こう

田代

田代


ChatGPTの話題で、他によく出てくるのが「自分の頭で考えなくなる」といった側面の話です。

高橋

たしかにChatGPTは、責任の伴う文章を作る場合には大きな問題を抱えています。嘘か本当かの担保はなされていないわけですから。例えば、健康に関わる文章をChatGPTなどの生成型AIに作らせて、そのまま載せるのはあまりにもリスキーです。つまり、使う側のリテラシーが常に問われますし、倫理観も求められます

田代

田代


それっぽさに惑わされないことですね。

高橋

疑問に思ったことをそのまま出力させて、それを何の吟味もなく毎回横流ししていては、「その内容に本当に価値があるのか」という目利きの能力が減退しても致し方ないでしょう。目利きの能力だけでなく、そもそも「作り出すためのスキルが身につかなくなる?」といった懸念が出てくるのも当然です。

田代

田代


最終的には、使う側の意識や活用方法が大きく問われます

高橋

はい。ここで考えたいのが、人間の強みについてです。それは、例えばAIが作り出してきた文章の価値を判断する能力だったりするはずです。これからの時代は、そのスキルが一層、明確に求められます。ChatGPTのような最新AI技術の進化を肯定的に受け入れるためには、利用する側のリテラシーにもかかってきます。

ChatGPTを使いこなすには、技術に期待や依存をし過ぎず、人間が特徴を意識して利用する必要があります

最新技術を歓迎するムードを作りたい

田代

田代


最後に、少し先の未来についてです。本格的に運用する未来を考えた時、どういったことが考えられるでしょうか?

高橋

ChatGPTがとても話題になった半面、まだまだ触れていない人もたくさんいます。将来的には、そうした人たちも含めて対話型AIに触れる機会が格段に増えるはずです。今後は、ChatGPTのような機能を搭載した各社のサービスがどんどんと登場してくるでしょう。

田代

田代

私たち「マーケの強化書」編集部も、直接的に業務でどれほど必要になるかどうかを考えず、いろいろと試しているところです。その中で気づいたのは、思っている以上に周りで使っている人たちが少ないことです。騒がれているけれど、話題の発信源が案外同じようなところからだったりして、「意外と試さないものなのだな」とも思っています。

高橋

2023年4月10日、ChatGPTを開発したOpenAI社のCEO、サム・アルトマン氏が岸田文雄首相と面会したという一報がありました。現状はヨーロッパや、国内でも複数の大学など教育機関から慎重な姿勢が報じられ出したタイミングです。日本での面会にマイナスの印象を持つ人もいると思いますが、こうした新たな技術を通じた未来への機運も大切にしたいです

新たな技術に前向きな気持ちで臨めると、日常のルーティンにも気づきを与えてくれるはずです
田代

田代


ChatGPTはGoogleなどのアカウントを持っていれば(もしくはアカウントを作れば)、無料版を簡単に試すことができます。やったことがない人は、まずは一度試してみてほしいですね。

高橋

最新技術によるブレイクスルーやダイナミズムは、きっとビジネス上の業務へのヒントにもなり、みなさんに大いなる刺激を与えてくれるはずです。一度やってみるだけでも、新鮮な体験になって、何かしらの気づきがあると思います。

田代

田代


3回にわたってお付き合いいただき、本当にありがとうございます!


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