MAでバレてますよ。その営業活動!
マーケティングオートメーション(以下、MA)を御社ではどのようにご活用されていますか?
シナリオを組んだり、スコアリングをしたり、アウトバウンドに使ったり。マーケティングの施策や営業活動のお役立てになっていると嬉しいかぎりです。(MAでお困りごとのある方はコチラからお気軽にお声がけ下さい。)
今日は、少し脱線して、MAを使うことで、どんなことが分かってしまうのかについて、実際に一緒にみてみましょう。
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フォームからの入力情報が届く
世の中には多くのMAツールが存在しますが、今日はマーケの強化書で使っている「HubSpot」の画面を使いながら解説してみます。
マーケの強化書では、様々なフォームを用意していますが、これらフォームは「Hubspot」を使っています。フォームにデータが入力されると、Hubspot側にデータが連動され、紐付いたワークフローが動き出す仕組みとなっています。
マーケの強化書の各フォームに入力した人に対して、あらかじめ設定した返信メールを自動で返したり、お問い合わせ内容や項目、条件によって社内でメールを通知する人を出し分けたりしています。
フォームのページでは、Hubspotのフォームに個人情報などのデータが入力されます。従って、この時点で匿名のサイト来訪者の状態からメールアドレスとCookieが結びつき個人が特定出来る状態となるわけです。
フォーム入力までのページ遷移が分かる
では、フォーム入力後、個人が特定できる状態となった時点でどのようなことが分かるのでしょう。
ここで分かることは、問合せした方が、今回どのようなページを遷移してお問い合わせをしてくれたのか?が分かります。また、(Cookieが消されていない限り)過去にさかのぼってどのような行動をしていたかも把握することができます。
多くのMAはメールアドレスが主キーになっているため、Cookieがない状態のメールアドレスのみでは行動を見ることができません。メールアドレスが登録され、Cookieと紐づいて初めて行動が見えるのです。この辺りはKARTEなどの接客サービスツールとは思想が異なるポイントです。
MAの活用にもつながりますが、すべてのサイト来訪者を平等に扱うのではなく、【資料請求した人】、【特定のページをみた人】、【何度も来訪してくれている人】などと適切なセグメントを設定し、コンバージョンに至るまで、そしてコンバージョンに至ってからの動きに注視し、コミュニケーションを設計していく、マーケティング施策を実施していくことが要です。
成約に至ったお客様がいらしゃったら、その方がどんな動きをしていたのか履歴を眺めてみることによって、見込顧客を顧客にする施策のヒントが隠されているかもしれません。
場所情報が自動的に取得されている
MAからメールを配信する時に【タイムゾーンに基づいて送信する】という設定を目にしたことはありませんか?日本は南北に長く国内時差が生じないので、使う経験はあまりないかもしれません。
送信日時を予約してメール配信する際に、各地の現地時間、タイムゾーンが考慮出来るということは、場所情報を取得しているということです。
HubSpotのサイトからの情報を抜粋してお伝えすると…
注:2019年5月29日以降、コンタクトのIPアドレスは収集も更新もされなくなりました。場所の情報(IPの国、IPタイムゾーン)は引き続き収集されます。コンタクトが別のIPアドレスから貴社とやり取りした場合(例えば、新しいフォームを送信する、新しいマーケティングEメールを開封するなど)、最新IPアドレスのメタデータと一致するように既存の値が更新されます。
HubSpotナレッジベース:HubSpotの既定のコンタクトプロパティー
つまり極端な例になりますが、リモートワーク可能な環境で働くAさんが、都内のオフィスで弊社のお問い合わせフォームに入力し(IPの都道府県/地域 Tokyo)、お問い合わせに対して返事となるマーケティングEメールをワーケーション先のハワイで開封した後(IPの都道府県/地域 Hawaii)、Aさんが日本に帰国しても弊社とやりとりがなければ、AさんのIPの都道府県/地域の情報はハワイのままです。
プロパティーデータは更新されていくのでIPアドレスから取得した場所情報の履歴は残っていないようですが、MAがIPアドレスか推測される場所情報を取得しているということを頭の片隅に入れておくと、地域や場所との結びつきの強い商材を扱っていたり、エリア担当者がいる際は、新しいマーケティング施策も考えられそうですね。
フォームからの営業活動、あるある
さて、マーケの強化書ではHubspotを導入してますので、色々と見えてくることや分かることが多いのです。ここからが、本題です。『MAでバレてますよ。その営業活動!』と題して、よくある残念な行動をご紹介したいと思います。
■あるある1■
サイト内でお問い合わせフォーム以外のページは見ていない
弊社もおかげさまで色々な企業様から営業のご連絡を頂きます。最近はものすごく文面も凝ったものが多く、営業メールの常套句なのかもしれませんが、『御社のサービスに合うと思って・・・』『WEBサイトを拝見しまして・・・』と連絡していただくと、弊社へ興味があるのかも?と嬉しく思います。
あのページが良かったのかな?このページで伝わったのかな?なんてウキウキして、お問い合わせいただいた方のアクティビティ、行動履歴を見てみると、、、
「お問い合わせフォーム」にしか来ていません。
確かにフォーム入力からのサービスや商品の紹介は効率の良い営業活動手段かもしれませんが、興味を示していない。理解をしようとしもしていない行動が丸見えですよ。
■あるある2■
フォームでお問い合わせした後、すぐにメルマガ停止
営業活動でフォームにメールアドレスを入力すると、多くのメールマガジンが届くのは想像に容易いものです。
しかし、フォーム入力後に配信される自動返信メールですぐにメルマガ停止の手続きを行う行動は、ちょっと控えたほうが良いかもしれません。
仮に1日5社にアプローチしたとして5営業日×4週で、1カ月で100社近くからメールが届く、各社月に1通メール配信を行うとしても100通のメールがメールボックスを占拠するので、読みきれないメールが大量に溢れてしまうのも分かります。
誰かれ構わず声をかけ、要件以外のメールアドレスも読みさえもせずに拒否してしまうという姿勢が見えてしまうのも得策ではないでしょう。うまくメールサービスのフォルダ分け機能を使うことで回避できるような気がします。
■あるある3■
匿名なのに特定される会社名と名前
こちらはお問い合わせフォームからの入力ではなくメルマガ登録時に時々お見かけするのですが….
氏名:あ あ
メールアドレス:■名前■@■会社名■.co.jp
氏名の欄には匿名を希望されるのか適当な文字が入っているのですが、登録してくださるメールアドレスから会社名が推測できてしまう。さらに言えばお名前も分かってしまうケース。
適当な短い文字(ひらがなや英文字)の名前はリストを一覧で見る際にとても目立っています。全部が全部そうではないでしょうが、そういうことをされる担当者なのかなと思ってしまえます。(もし匿名を希望されるのでしたら、偽名やペンネームを作って入れていただければ幸いです。)
弊社の個人情報保護方針に則り対応しております。ご安心して氏名をご記入いただければとは思っております。
■あるある4■
問い合わせフォーム営業、IPアドレスから場所特定
2020年以降のコロナ禍の生活は、働き方も大きく変えていきました。企業のリモートワーク導入・デジタル化で、紙の名刺を交換する機会が減っていますよね。なかなか営業先も見つからないなか、企業サイトのフォームに飛び込みで営業をかける、問い合わせフォーム営業が1つの手段になっているのではないでしょうか?
IPアドレスから場所情報を取得していると先ほどお伝えした通りなので、お問い合わせフォームが入力された場所が特定されます。例えば、下記のように自動取得した場所情報とフォーム内容に乖離があればあるほど疑心がつのります。
<お問い合わせフォームの内容>
東京の会社で、電話番号も03
<自動取得した場所情報>
例1:IPの都道府県/地域 Tokyo・・・・東京の会社だもん、これは当たり前!
例2:IPの都道府県/地域 Chiba・・・・リモートワークかな?
例3:IPの都道府県/地域 Kumamoto・・・実家?外部委託かな?
例4:IPの都道府県/地域 日本以外・・・・えっ?
住んでいる場所や仕事をしている場所には偏見はないのですが、手元にある情報やネットで調べた情報だけを信じて行動しなければならない場合は、慎重になるものです。
お問い合わせいただいた会社のホームページの企業情報や採用情報も確認し、各地に支社もなく、リモートワークも推奨していない会社で、場所情報に信頼がおけない場合は取引にはいたらないのです。
営業効率化のためにフォーム入力を外部出しするのも十分に理解は出来ますが、コピペでフォームのボタンを押されていることを考えると少し寂しいですね。
最後に弊社からのお知らせになりますが・・・・
御社に合うMAツールの選定から導入支援まで!コミュニケーション設計に長けたジュネシスコミュニケーションにお任せ下さい。詳しくはコチラから
[初公開:2019年11月21日]。情報を追加し再編集してお届けしました。