コンサルタントのコラム

なぜオウンドメディアで成果が出せないのか?

オウンドメディアを運営しているけれど、自社の利益につながっていない、マネタイズまではできていないという問い合わせをよく受けています。運営担当者なら心当たりがある人は少なくなさそうです。うまくいかない理由について、ズバリ解説します。

目次

もっと身近な相手に向けたコンテンツを作りませんか?

私たちが実務でオウンドメディア運営の相談に乗る場合、相談相手には必ず、オウンドメディア運営の目的を問います。すると多くは、「自社ビジネスへの貢献のため」「自社サービスの利益のため」と返答されますが、私たちが中身を見る限り、そうとは思えない状況になっていることがほとんどです。定期的にコンテンツは公開されていますが、ビジネスに直結しているだろうなと狙いが垣間見えるコンテンツが見当たらないのです。

いつのまにか、初期の目的は遠い過去のものとなってしまい、コンテンツマーケティングが叫ばれる昨今を背景に、オウンドメディアを運営すること自体が目的化していないでしょうか。結果、コンテンツは用意できても直接的な成果につながらず、その状況打開のために日夜企画案を練り続ける苦しい日々を送り、ついには私たちのような外部に支援の相談が入るわけです。

今一度、何のための目的で、誰に向けたメディアであるのかを再考してほしいのです。

自社サービスの認知や啓発を通じてサービス自体の訴求、商品の売り上げ向上、問い合わせの増加などリードの獲得といった、自社ビジネスへの直接的な貢献目的だったはずです。今、公開しているコンテンツが、こうした目的に照らし合わせたときに、合致しているでしょうか?
そこで、以前のコンテンツ(「ペルソナを立てても、なぜうまくいかないのか?」)でも紹介している、オウンドメディアの読者に関する考え方が参考になります。

苦しむ運営の多くは、メディア運営が目的化し、自社から遠い相手に向けたコンテンツを追い求めているからです。結果として多くのユーザーに「ありがとう!」とは思われても、それ以上には発展せず、成果が出ないと苦しむわけです。

ビジネスに直結したコンテンツを用意していますか?

ビジネスに直結するコンテンツを引き出すために、実際に私たちが相談相手に働きかけることがあります。相手のもとへ訪れた際に、必ず相手方にはトップセールスの営業パーソンにも同席してもらいます。例えば、BtoB向けのオウンドメディアで悩むケースなら、その営業パーソンには、私たちがお客様である法人相手だと想定して、商材やサービス説明をしてもらうのです。

すると、とても説得力のある説明が展開されます。中には、会社が用意している資料ではなく、自分自身で用意したオリジナル資料を使うなどの工夫を随所に見せてくれます。なのですが、運営中のオウンドメディアにはこうした内容が展開されていないのです。

「行き詰まりを感じているなら、お客様向けにトークする内容を、オウンドメディア用に編集して展開しましょう!」

こうお伝えすると、決まって「競合会社が見ているかもしれない」「社内でOKが出ていません。表に出せるかわからない」、と渋い反応ばかりが返ってきます。ここに問題の根源があります。つまり、どういう目的で誰に対して、どこまでの情報を公開していいかがまったく社内でコンセンサスが取れていないのです。現場で通用する、説得力ある内容を掲載できないのなら、数字が伸びず、成果に結びつかないのは当然の結果です。

仮にPVを稼げるコンテンツが用意できても、ターゲットから遠い、自社のビジネスの本質からは離れた、関連度の薄いところで数字が出ているにすぎません。心当たりを感じる人は、まずは、目的達成のために自社が外に公開していい情報の範囲を決めてください。決めた範囲での最大化を行い、本質的なアプローチを突き詰めてください

もっとレスポンスを意識しましょう!

もう1つ大きな問題は、「お客様をどう動かすか」というレスポンスの視点が抜け落ちていることです。

営業の現場で直接相手と会う場面では、初回と2回目、3回目の打ち合わせでは、それぞれでトークの内容を変えていないでしょうか? しかもトークは、その場の判断で内容を変えられますが、オウンドメディアでは用意していない限り対応できません。通り一遍な、初心者/ライトユーザー層向けばかりのコンテンツを、深く考えもせず用意していないでしょうか?

ビジネスに直結した考え方を呼び起こしてください。便利なだけのコンテンツは、結局得られたのが(「ありがとう」という反応=)クッキー情報の取得、だけに終始します。

メールマガジン登録をしてほしいのか、アポイントがほしいのか、問い合わせ元にデモへ行きたいのか、資料請求してほしいのか、それぞれで目的が違い、用意すべきコンテンツが異なるはずです。このあたりの狙いが薄いばかりに、自社や自社サービスに関連した情報さえ置いておけば、オウンドメディアに人がたくさん来てくれて何かしらの成果につながるはず、とメディア運営の目的化へと流されてしまう。結果は、言わずもがなです。

読んだメリット、登録したメリットを用意すること

具体的にできることは何でしょうか? メールマガジンの登録をさせたい場合、関連情報ページの末尾にメルマガ登録フォームが用意されていても登録しません。例えば、フォームを組み込む位置を前半へと変えてみる。このアクションだけでも、レスポンスの割合が変わる可能性はあります。
メールマガジンの登録はフッターにちょこっと置いてあるだけなんていうのは言わずもがなですね。

そもそもは、メルマガ登録の目的から突き詰めます。例えば、資料請求をするユーザーを増やすために、メールマガジンで徐々にユーザーを醸成させたいと考えたとします。関連情報ページに登録フォームがあったくらいでは、ほとんどの人はスルーでしょう。求められるのは、登録しなくてはいけなくなる状況を作る、という発想です。

もし、あるエンターテインメント系や野外施設が運営元であれば、メールアドレスを登録したら、Webサイトでは伝えきれない、時期ごとで細かな施設内の状況を伝える情報を提供したり、行き帰りの交通渋滞の予測、例年の混雑状況を提供したりなど、登録すると明らかに得られるメリットを用意すれば、少なくとも以前の状況より登録する確度は高まるはずです。

整理します。オウンドメディアに苛立つ運営担当者は次の3点を再考してください。

3点の意図が反映された案こそ、現状打破の突破口になるでしょう。


マーケティングの本質に迫るシリーズ
・マーケティングファネルに惑わされるな


・なぜカスタマージャーニーを描いても、うまく機能しないのか?


・ペルソナを立てても、なぜうまくいかないのか?

行動デザイン#1

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